京とおうみ自然文化クラブ

「京(みやこ)とおうみ自然文化クラブ」は、認定NPO法人シニア自然大学校の京都府・滋賀県の地方組織です。旧ブログは左下リンク集より閲覧できます。

 例会報告

例会 11月11日(火)「京都一周トレイル(5回目)二ノ瀬~山幸橋」の報告

 昨年の京都一周トレイル4回目(10月29日)は戸寺から二ノ瀬まで歩いたので、5回目は続きとなる二ノ瀬から山幸橋までのコースを歩く。出町柳から鞍馬行きの電車はインバウンドで満員。途中の紅葉のトンネルは少し紅葉していたがまだ早い。15名が二ノ瀬駅に集合。平井さんを先頭に二ノ瀬駅を下って紅葉し始めた木々がある鞍馬川沿いの道にある広場に再集合して、簡単な注意事項と体操して出発した。
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 叡電の踏切を渡り富士・守谷神社の前を過ぎて登山口に到着した。谷沿いを登るが、いきなり急階段を10mほど登ってからは杉林の中のつづら折りの坂を時々休みながら登って夜泣峠に到着した。ここには腹違いの弟が天皇になったために洛北の里山を点々とした悲運の惟喬(これたか)親王が、幼い頃一夜を過ごした時に夜泣きをされたので、乳母が地蔵に願をかけしたところ泣き止んだという伝承がある。この地蔵を祀った祠が斜面にあった。
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 ここからはなだらかなアップダウンを繰り返して向山に。尾根道で高い針葉樹もなく少し紅葉した広葉樹もあって明るく整備された道だった。山頂は少し開けていたが見晴らしはなかった。山頂から急斜面を少し下ってしばらく歩いたベンチのある広場で食事をとった。食後、なだらかな斜面を下ったが、登山口までの150mほどは急斜面だった。慎重に下ったが皆さん結構速くてついていくのが大変だった。
 下った後は、関西電力洛北発電所横を通り、山幸橋手前の鞍馬川と賀茂川の合流付近にある十三石橋に到着。ここで京都トレイルルートから外れて舗装道路を賀茂川沿いに歩いて高橋南バス停に到着。速く下ったので予定より早いバスに間に合った。
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 体調不良で1名の方が最初に引き返されたのは残念だったが、寒くもなく楽しく歩けた。(文/三輪)

例会 10月29日(水)「富雄丸山古墳から西ノ京を巡る」の報告

 集合は近鉄学園前駅南口に午前10時10分。参加者は32名(うち一般参加4名)でした。天気は予報どおり快晴で、秋の爽やかな一日となりました。
 学園前からバスに乗り約15分、若山台中央で下車。バス停近くの丸山古墳広場で、まず赤對さんより概要説明があり、続いて本日の案内役の山下さんから全体のコース説明と富雄丸山古墳の詳細説明がありました。
〈コース〉
富雄丸山古墳 → 道の駅「クロスウエイなかまち」(昼食) → 赤膚焼窯元 → 大池(薬師寺展望) → 近鉄西ノ京駅(解散) → 希望者のみ薬師寺見学
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富雄丸山古墳の説明
 近年の調査により、世界的にも注目される古墳であることが明らかになりました。築造は4世紀後半とされ、文献資料の少ない「空白の時代」にあたります。被葬者は当時の有力豪族と考えられていますが、特定はされていません。
① 日本最大の円墳
 古墳にはさまざまな形がありますが、最も多いのは円墳です。富雄丸山古墳は2007年の航空レーザー測量(第一次調査)と2008年からの発掘(第二次調査)により、直径109mであることが確認され、埼玉県・丸墓山古墳(105m)を超える日本最大の円墳と判明しました。
② 世界最大級の「蛇行剣」が出土
 2022年(第5次調査)で木棺を覆う粘土層から、鉄製の巨大な剣が出土しました。通常の剣と異なり、蛇のように曲がりくねった形状をしており「蛇行剣」と呼ばれます。全長237cmと、世界的にも最大級の鉄剣です。
③ 「だ龍文盾形銅鏡」が出土
 蛇行剣と重なるように出土した鏡で、盾の形をしているのが特徴。鏡面は滑らかに磨かれ、裏面にはワニに似た龍(だ龍)や太陽を思わせる文様が刻まれています。長さ64cm、幅31cmで、鏡の面積としては日本最大級です。
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赤膚焼(あかはだやき)窯元見学
 古くからこの地の陶土はわずかに赤みを帯びており、その色合いから「赤い肌=赤膚」と呼ばれるようになったと伝えられています。赤膚焼は奈良の伝統陶芸で、室町時代末期〜江戸初期に発展しました。柔らかい乳白色または赤みを帯びた生成り色の地肌に、鹿・松・童子などを描く「奈良絵」が代表的です。
大池からの薬師寺展望
 大池に向かう途中では、平城京の古地図を現在の道と照らし合わせながら歩き、当時の都の広がりを実感しました。大池では薬師寺の美しい姿を望みながら撮影を楽しみました。
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おわりに
 事前準備資料や当日の丁寧なご説明をいただいた山下様、そして企画・運営にご尽力くださった赤對様に深く感謝申し上げます。秋晴れの中、歴史と文化に触れた充実した一日となりました。 (文/永井)

例会 10月8日(水)「詩仙堂と武田薬品の薬用植物園の見学」の報告

午前10時、叡山電鉄「一乗寺駅」に、会員40名、一般参加者3名の計43名が集合しました。今回は事前申込制にて参加者を募り、多くの方にご参加いただきました。澄み渡る秋空のもと、担当幹事である永井副会長の挨拶により例会が始まりました。道案内は私・岸本が担当し、ポイント解説用の資料も用意しました。

叡山電鉄は今年、開業100周年を迎えます。「きらら」や「ひえい」に加え、「舞」という名の新たな観光列車も登場予定です。また、一乗寺駅の西側、東大路通を中心とした駅周辺は、通称「一乗寺ラーメン街道」と呼ばれ、全国からラーメンファンが集う激戦区。個性豊かなラーメン店が20軒以上集まって、ラーメン好きの聖地となっています。
 駅前から東へ進み、白川通を越えると、住宅街の中に「一乗寺下り松」があります。ここは江戸時代初期の剣豪・宮本武蔵が、吉岡一門と決闘を行ったとされる場所です。現在の松は当時の木を模して植えられたもので、周囲には石碑や案内板が整備されており、武蔵の足跡を辿ることができます。
 さらに住宅街を進むと、緑に包まれた門が迎えてくれる「詩仙堂 丈山寺」に到着しました。詩仙堂は、江戸時代初期の文人・石川丈山が隠棲の地として築いた山荘で、現在は曹洞宗の寺院として親しまれています。堂内には中国の詩人三十六人の肖像を掲げた「詩仙の間」がありこれが、「詩仙堂」の名の由来です。
 この日は2班に分かれ、交代で庭園を鑑賞しました。庭は中国の山水画を模した唐様庭園で、庭を降りていくと、竹筒が石に当たる「カコン」という音が響きます。これは鹿威し(ししおどし)と呼ばれる仕掛けで、かつては獣除けとして使われていたもの。丈山が考案し庭に設置したとされ、日本庭園の静けさに趣を添える風流な存在です。
 庭では夕方に花の色が赤く変化するスイフヨウや、秋の七草のひとつであるフジバカマが見頃を迎えていました。秋の七草は薬草としても知られ、特にクズの根は「葛根(かっこん)」という生薬名で「葛根湯」に用いられることで有名です。

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詩仙堂を後にし、「八大神社」に立ち寄りました。ここは、宮本武蔵が決闘の前に立ち寄ったと伝えられることで知られています。境内には武蔵の像が立ち、社殿は静かな佇まいで、周囲の緑と調和し、心を落ち着かせてくれる空間です。その後、圓光寺門前を通過し、山沿いの道を上って曼殊院天満宮の付近で持参した弁当で昼食をとりました。

昼食後は、「武田薬品京都薬用植物園」を見学しました。今回は団体での申し込みにより、職員の方3名にご案内いただきました。植物園は94,000m2もの広大な敷地に約1,900種の薬用植物が栽培・研究されており、漢方や民間薬に使われる植物のほか、世界各地の薬草やハーブが整然と植えられています。
 この日は、展示棟、香辛料園、中央標本園、民間薬園、漢方処方園を中心に見学しました。園内では職員の方が「匂ってみては」「味わってみては」と声をかけてくださり、苦味のあとは甘味を感じるなど、一般の植物園とは一味違う体験ができました。また、口にしてはいけない毒草についても丁寧に教えていただきました。
 漢方処方園では代表的な漢方処方(例:大建中湯)の構成生薬(山椒、乾姜など)を、対応する薬用植物(サンショウ、ショウガなど)で分かりやすく展示しており、理解が深まる工夫がされていました。

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見学中は「へぇ~」「はぁ~」といった感心や驚きの声が絶えず、あっという間の2時間でした。園内には温室やツバキ園など、他にも見どころがありましたが、短時間ではすべてを回りきれません。ご案内くださった坪田さん、小島さん、安藤さん、懇切丁寧なご説明をありがとうございました。

見学終了後は記念撮影を行い、解散となりました。曼殊院へ向かう方々と別れ、坂道を下って鷺森神社に立ち寄り、午後4時頃に「修学院駅」に到着しました。 (文/岸本)



 

例会 9月11日(木)「保津峡へオヒガンギボウシを観に行こう」の報告

 前日の天気予報では50%だったので実施することになりました。当日の朝起きると60%予報になっており雨を心配しながらの出発となりました。このような天候にもかかわらず参加されたのは会員13名一般1名の計14名でした。なお、落合橋から清滝への道は結構岩の上を歩くので雨で岩が滑りやすくなっているために、オヒガンギボウシを観たあと落合橋まで引き返して六丁峠を越えて愛宕神社一の鳥居前へ行くコースに変更となりました。
 保津峡駅から自動車に注意しながら大川内さんと高橋さんに道路の両脇に生えている植物について説明していただきながらトロッコ保津峡駅まで歩きました。本来であればこの鵜飼橋から川下りの船を見ることができるのですが残念ながら前日からの雨で川が濁り増水しているために中止となったようで見ることはできませんでした。
 さらに歩いて落合橋を渡って川に下って右岸で昼食を取りました。昼食後少し清滝方面に歩くと川べりの岩場に群生しているオヒガンギボウシの花をゆっくり見ることができました。
 落合橋手前まで引き返してつづら折りの道路をゆっくり上り六丁峠を下って愛宕神社一の鳥居の下で解散しました。雨予報にもかかわらず曇り空で雨は降りませんでした。しかも川沿いでしたが風も吹かず暑い中でしたが無事終了できました。
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観察できた植物
①駅前には病原菌が入ってホルモンバランスを崩して枝が膨れてほうき状に枝葉を出すてんぐ巣病にかかっているソメイヨシノがあり、対処しないと枯れる可能性がある。
②イラクサ科の植物はまず互生か対生をみて互生ならカラムシで対生ならヤブマオ。裏に白い毛が多ければカラムシ、無いとアオカラムシ。ここには、カラムシナガバヤブマオ、六丁峠手前にメヤブマオが生えていた。また昔はこれらの茎から繊維が採っていた。
③カラスビシャク(ハンゲ)より大きいオオハンゲがあり、葉は深い三裂葉。なおカラスビシャクは三小葉。
イノコヅチにはヒカゲとヒナタがあるがわかりにくい。
⑤保津峡駅からしばらくはクマノミズキセンダンナンキンハゼなどの樹木が川岸に見られた。クマノミズキはミズキ(互生)と似ているが対生なので熊退治と覚える。
マルバアオダモのマルバは鋸歯がないためでまた冬芽に特徴がある。
⑦この辺りにはイズセンリョウの幼木が多い。シリブカガシの幼木と似ているがイズセンリョウは鋸歯がある。
コウヤボウキの葉は一年枝では互生だが二年枝では束生になる。また花は一年枝の先端に咲くがまだ蕾であった。二年枝の節々から不定根が生えていた。
コナラの切られた枝が落ちていたが、これはハイイロチョッキリがどんぐりの中に卵を産んだ後に切った枝であるとのこと。
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⑩この辺りはシリブカガシが群生している。保津峡辺りがシリブカガシの分布北限といわれている。シイの中で花が上向きに咲くのはマテバシイとシリブカガシだけで、しかもこの時期に花を咲かせるのはシリブカガシ。
⑪栄養葉が一枚だけのヒトツバ(シダ類)、成長すると葉は3裂し裏の胞子のうを星に見立てたミツデウラボシ、丸くて小さな栄養葉を豆に見立てたマメヅタなどのシダ類。
⑫ビロードのような葉の感触のビロードイチゴ
⑬ちょうど花が咲いていたキハギ、毛が多いネコハギ、ハギには見えないメドハギ
⑭冬芽の主芽と4個ほど縦に並んだ副芽を持ち黄色い花を咲かせるジャケツイバラ。          
⑮蛇肌をしたジャゴケ
⑯サクラ属の中でも常緑で秋に花を咲かせるリンボク
⑰京都府の準絶滅危惧種になっているお彼岸の頃に紫色の花を咲かせるオヒガンギボウシ。       
⑱主茎に先端から横罫茎を出して花序をつける秋分の時期に咲くシュウブンソウ。          
⑲キュウリグサに似た花を咲かせていたミズタビラコ
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(文/三輪)

例会 7月9日(水)「びわこ文化公園でのキノコ観察会」の報告

 雲が多く日は陰っていましたが蒸し暑い中、びわこ文化公園で行われたキノコ観察会には会員12名、一般2名が参加されました。講師として、会員の土佐さん、菌類研究会の木村さん、そして会員の海老原さんと岡本さんにキノコを採取していただきました。

 梅雨が明けてから雨がほとんど降っていないし、気温も35℃前後の高い日が続いていたのでキノコは少ないのではと不安を覚えていたが、土佐さんからも「梅雨明けの下見の時はたくさん出ていたが、一昨日に来たときはあまり見つけられずいつも1時間30分かかったのが30分ぐらい早かったとの話があり、ちょっと心配になった。14組の目で探せばそれなりに見つけられるのではと思いながら出発した。
 探しては説明を聞きながら約1.6kmを2時間30分ぐらいかかるなど思ったよりキノコを見つけることができた。わからないものも含めて後で同定するためにキノコを採取していった。特に、クモタケが1株見つかり、その周辺を探すとあちらこちらに見つかり皆さん喜んでおられました。
 皆さんが熱心に探したこともあって予定より1時間近く遅くの食事となった。途中、土佐さんからは、「キノコは森と生きている」ことを実感してもらえれば名前は覚えなくてもという話や木村さんからは「キノコの同定は難しく、見た目では何々属の仲間ぐらいしかわからない場合が多い」との話もあった。
 食事後、東屋で採取してきたキノコの同定を行ってもらう間に、土佐さんからキノコについての説明を受け、そのあと木村さんや岡本さんからも採取したキノコの説明を受けて終了した。
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カワリハツをシラカシの木近くで見つけた。カワリハツやイグチなどは共生菌(菌根菌)でシイノキなどを共生しており、栄養をもらう代わりに窒素やリンを与えて木が大きくなるのを助けている。一方で、ヒイロタケアシグロタケニワタケのような腐生菌もあってこれは落ち葉や枯れた木を分解して綺麗にしているとの説明があった。 他には、今回たくさん見つかったトタテグモに生えるクモタケのように昆虫に生える寄生菌もある。
・カワリハツは結構取られずに残っているがこれは美味しくないからとのこと。
・イグチなどのイグチ科のキノコは球形細胞を多く含んでいるので発砲スチロールのようにボロボロ取れてしまうが、カワリハツやシロハツモドキなどイグチ科以外のキノコはヒダがあり子実体全体が繊維状の菌糸で構成されているのでもろくない。
ホウロクタケクジラタケは似ているが、ホウロクタケは割っても茶色だがクジラタケは白い。
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 採取して同定できたキノコは30種類。昨年よりは種類は少なかったがクモタケが見つけられたこともあって楽しい観察会でした。   (文/三輪)