京とおうみ自然文化クラブ

「京(みやこ)とおうみ自然文化クラブ」は、認定NPO法人シニア自然大学校の京都府・滋賀県の地方組織です。 旧ブログは左下リンク集より閲覧できます。

 観察会報告

研修会 1月26日(月)「季節の植物観察・冬の寒さに耐える植物(冬芽)」の報告

 当日、気温は低めでしたが、風がなく穏やかな日となりました。参加者は会員20名、実習生3名。講師の齊藤さんのあいさつから始まりました。昨年12月の観察会に参加された方がその時の記録を持って参加されています。
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 クマノミズキの冬芽の観察から始めます。この冬芽は小さいけれど毛がびっしりと生えています。よく見てくださいとの講師の声かけに、ルーペを持つ人、スマホやカメラを出す人など様々ですが、みんな熱心に見ています。
 次は噴水から西へ向かう道を足早に移動してアオダモへ。枝先に3つの冬芽が集まっています。頂芽と頂生側芽が2つ。樹木は大きくなると枝先などはなかなか見えにくくなるが、普通に立って見やすい所に案内してもらっていることを感じる。とてもありがたい。次は横にあるイロハモミジ。枝先に小さな赤い冬芽が2個並んでいる。仮頂芽は間に落枝痕があるのだが、イロハモミジでは確認はできないとの話。続いてゴンズイへ。こちらは大きな仮頂芽2個の間に落枝痕がはっきりと見える。
 ロウバイの花を横手に見て、ずんずん進み生態園の奥へ。シモバシラのところに到着。今日は残念ですが、シモバシラの霜柱は見られません。期待して来られた方もあると思いますが、寒いから見られるわけではありません。講師から正月前の暮れと、1月10日に見ましたと話があり、画像を見せてもらいました。前日の昼の気温の下がった翌朝がねらい目ですとアドバイスがありました。掲載の写真は2023年12月23日に撮影された参考写真です。次の冬には自分の目でぜひ見たいものです。
 冬芽の観察に戻ります。すぐそばにオオカメノキ。昨年は冬芽が少なかったが今年はたくさんついていますと。丸い花芽の両脇に葉芽がバンザイしてついている。ウサギとかバルタン星人と称されるのがよくわかる。
 生態園の中を講師の後を追いかけて着いた所にはハクウンボク。葉柄内芽の確認。落ちているハクウンボクの葉を拾い、葉柄に冬芽を包んでいた痕跡を見つける。今は葉が落ちて冬芽が見える状態になっている。サワグルミタラノキシンジュと続けて説明を受ける。サワグルミの葉痕は羊が笑っているように見えると言いますが、どんな風に見えるかは人それぞれの感性です。タラノキの葉痕の維管束痕は真珠の首飾り。枝を4分の3周しています。表現がぴったり。ヒイラギナンテンの株もとに幼木が一本ありました。植えられたものではなく種が飛んできて自然に芽吹いたもののようです。葉が落ちて細い木があるだけなのですが、シンジュだと。シンジュは漢字では神樹、別名ニワウルシ。大きなハート形の葉痕からわかるそうです。植物園にある大きな木だと冬芽が見られない。ここで見られて良かった。
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 少し移動して、ユリノキの冬芽はカモノハシのくちばし。中には葉が折りたたまれていてそれぞれに托葉が付いているそうです。これはモクレン科の特徴。アジサイの裸芽、三大美芽のひとつコクサギの赤い芽鱗が重なり合っているのも見ていきます。エゴノキ、主芽の上に予備芽がおんぶされている。そう聞くと本当にそう見える。ハクウンボクも同じエゴノキ科だから同じ冬芽。シラキの冬芽と葉痕は私には三角帽子をかぶった子熊の顔に見えた。コハウチワカエデの冬芽をしっかり守る毛がたくさんついた膜質鱗片。毛糸のパンツです。そばにあるメグスリノキチドリノキの冬芽も同時に観察。カエデ属は冬芽の出方が二通りありますとこの時教えてもらいました。仮頂芽が2個並ぶものと頂芽1個に頂生側芽が伴うもの。メグスリノキは頂芽に頂生側芽が2個ついていたのですが、チドリノキの枝先は頂芽が1個のものと2個の仮頂芽ものがあります。1つの樹木に二通りと、おたおたしていた私に説明してくださった。
 この辺りから追い込みになりました。途中、一人の人の手が目にとまった。寒さで真っ赤になっている。手袋をしているとメモが取りづらい。ひびやあかぎれになりませんように。けれど見ておきたい冬芽の説明は続きます。
 クロモジ属のダンコウバイアブラチャン。アブラチャンは葉芽と花芽のセットがかわいい。真ん中に葉芽、両脇にこぶしを握った腕を上げている花芽。ダンコウバイは葉芽も花芽もほとんど柄がない。その違いをしっかり見よう。バイカウツギの隠芽。葉痕が割れて中にある冬芽がのぞいている。ヤハズホウノキは托葉が合着して一枚ずつ葉を包み、それが何枚も重なって大きな冬芽になっている。次々に托葉がはがれて葉を展開していく春が楽しみです。
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 時間が足りなくなりかけたけれど楽しい時間を過ごせました。ありがとうございました。参加された方々が熱心に冬芽を見ておられたのが印象に残っています。   (文/海老原)

研修会 12月1日(月) 「季節の植物観察・色づいて魅せる紅葉」の報告

 参加者:会員24名、実習生2名、一般参加者3名 合計29名
 天 候:晴時々曇り、気温:18℃
 案内役:高橋さん・中林さん 時間:10時~12時30分

 京都盆地を取り囲む峰々の紅葉がとても綺麗な季節です。植物園の樹木も色づき一段と美しくなっています。「朝から暖かく観察するには良い日です。紅葉を楽しみましょう!」と挨拶の後、12時まで各班で観察し、残りの30分間は集めた葉を皆さんで楽しく同定する予定とのこと。私は高橋さんの班に入りました。紅葉したいろいろな葉を集めていきます。
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1.ワイルドガーデンにあるメタセコイアは左右がアンバランス。左側には以前大きな樹が植わっていたので枝が伸びず成長できなかったそうです。これからは伸び伸び育ってほしいと思いました。葉は羽状複葉のようにみえますが、小さい葉が向き合って付いている対生です。
2.トウカエデ 樹皮は縦に避けはがれる特徴があり、葉はカエルの手に似ていることから「かえるで」と呼ばれ転じて「カエデ」になった。鋸歯はありません。
3.エノキの葉は大小があり鋸歯は葉先から葉の半分ぐらいまで。側脈は縁に達せず、葉の左右は非対称。樹皮には横筋が入っています。(縦ムク横エノキと覚えましょう!)
4.イチゴのような実が付いているのはイチゴノキです。名前の由来になっています。樹に花と実が同時に付き、実が青色や赤色になりカラフルで可愛い!皆さんも花と実を楽しまれていました。
5.カラコギカエデは日本の固有種。葉が異形葉であることを知りました。1個に切り離した翼果を飛ばし回転しながら落ちていく様子は何度観ても綺麗です。
6.紅葉の条件は①8℃以下で寒暖差が大きい。②日中陽があたること。③適度な水分があること。紅葉の仕組みを知り、色素のクロロフィル、アントシアニン、カロテンの関係も学びました。
7.イロハモミジヤマモミジオオモミジの鋸歯の比較、クヌギアベマキの葉や樹皮の違いを確認しました。
8.竹笹園のアカダマキヌガサダケは菌網(レース部分)部分が開かない状態で生えていました。気温が低いためでしょうか?冬の訪れを知らせてくれているようです。
9.毎年美しい深紅の紅葉を見せてくれるムクロジ科のハナノキ(ヘリテージツリー)は落葉が半分以上進んでいました。葉裏が粉を吹いたように白いのは、毛があるため?ロウ質のため…。おそらくロウ質のためでしょう…。
10.マグワの葉、マユミの果実、ツリバナの果実、ナツツバキの紅葉を観察しました。
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11.日本最大級であるヘリテージツリーのフウの眞下にいると濃いオレンジ色の万華鏡の中にいるようでした。落ち葉をちぎって嗅ぐと独特の香りがする。樹脂は楓香脂と呼ばれます。2018年の台風で先端が折れたそうですが、衰えを感じさせない樹形です。
12.別名:喜樹と呼ばれるカンレンボクにはバナナのような果実がぶら下がっていた。
13.クチナシの果実は熟しても口が開かないので「口無し」と呼ばれます。将棋盤の脚部はクチナシの果実を模しています。勝負の世界では「口出し不要」ということから。
14.生命力旺盛で「ひこばえ」がたくさんでるコウヨウザン、小さな丸くて赤い果実をつけるランシンボク。世界三大紅葉樹はスイバノキ(別名:スズランノキ)、ニッサボクニシキギと教えて頂く。確かに美しい。スイバノキはほぼ落葉していて葉が残っているのは上の方だけ、来年の紅葉のお楽しみに。
15.イイギリの赤い果実が鈴なりに付いていた。他の果実がなくなったときに鳥が食べにくるそうだ。美味しくないのかしら?
16.イイギリの近くにヤツデの花が咲いていた。雄蕊が先に伸びて雄性先熟であることを確認。
17.植物生態園のヤブムラサキに薄紫色の果実が付き葉や顎に毛があるのを観察。ふわふわの葉の触感に皆さん気持ち良さそうでした。
18.高木のタマミズキの枝に赤い果実が付いている。大きさはどれぐらいでしょうか?5円玉(穴の直径5ミリ)と50円玉(穴の直径4ミリ)どちらの穴の大きさでしょうか?の質問に皆さん悩んでいた。答えは直径3ミリ。枝に付いている時は大きく見えるが実際は小さいと実感した。葉痕は人の目玉のようでした。みつめられているのかしら…。
19.ツルソバは白い花をつけていた。葛饅頭のような果実は美味しそうです!
20.キチジョウソウの花は生い茂った葉に隠され目立ちにくいが確かに咲いていた。吉事があるかもしれないと思った。
21.針葉樹ネズに半寄生するツクバネ、羽根突きの羽根のような果実は残念ながら見当たらなかった。
22.葉やドングリを並べて同定し葉の特徴を確認
 アベマキ、クヌギ、アラカシ、シラカシ、シリブカガシ、カシワ、ナラガシワ、ミズナラ、アカガシ、ウバメガシ、アブラギリ、ハナノキ、カラコギカエデ、トウカエデ、カイノキ
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(写真はクリックで大きく表示されます)

 *ヘリテージツリーとは、昨年京都府立植物園100周年を記念して選定された歴史的遺産樹木のことです。38本選定されています。

 高橋さんの工夫された伝え方に感心しました。また植物の隠された不思議を見つける喜びを友人に伝えることができとても充実した一日でした。   (文/M)

研修会 10月22日(水)「季節の植物観察/果実と工夫する種子散布」の報告

天候 : 曇りのち雨  案内 : 海老原、新堀  参加者: 会員15名、実習3名

10月半ば数少ないが秋に咲く花や猛暑に耐え抜いた木々が、それぞれの方法で種子散布をする様子を観察した。

・ベゴニア(シュウカイドウ科) 
 晩秋まで咲き花壇を彩るベゴニアは、一見オバナとメバナの見分けがつきにくい。なぜ似ているのか?メバナは蜜も無く花粉も出さない為、虫にとってメリットが無い。ゆえにメバナはメシベの先にオシベの黄色花粉に似たものを作り虫を誘う。皆さん熱心に見比べておられた。

・カンコノキ(トウダイグサ科)
 名前の由来は、1.葉が船底平らなカンコ舟に似ている。 2.果実の形が 唐菓子の「カンコ」に似ているとのこと。
 先月はクリーム色の小さなオバナが 咲いていたが今回はメバナばかり見つかり、小さなカボチャ形の果実がいくつか出来ていた。夜、花の匂いに誘われたハナホソガが 受粉を手伝い、受粉させたメバナに卵を産み幼虫が種子を半分食べ残す。カンコノキとハナホソガは、絶対的共生関係。

・ノブドウ(ブドウ科)
 青、紫、白色どの実が 甘い?種子が熟しているのは白い果実で甘い。

・ツリフネソウ(ツリフネソウ科) 
 果実の果皮が伸びて膨らんでいた。ツリフネソウが生息する水辺は 増水で流れる危険性あり。一年草ながら上流にも踏みとどまれるように出来るだけ 種子を遠くにはじけ飛ばす。

・サクラタデ(タデ科)
 ピンク色の花は 直径8ミリもあり、タデ科で最大。ピンク色は、花弁ではなく愕片なので長持ちし、種子を包み込んだまま残るとの事。秋には茎の節が太くなり、葉の鞘も膨れ、そこに閉鎖花を作り増水のリスクに備える。

・ウバユリ(ユリ科)
 近くの山から果実を持参。参加者にウバユリの果実の中身を調べて頂き、種子が整然と収納されている様子や種子に薄膜の翼がついている様子を観て頂いた。晩秋強風が吹くとタネは紙吹雪のように舞い上がる。

・ホトトギス(ユリ科) 
 オシベが先熟その後3裂したメシベの柱頭が下がり他の株の花粉が付きやすくなる。黄色は蜜標で外花被片(少し大きい花弁)の基部に蜜をためた丸い距があり。

・キイジョウロウホトトギス(ユリ科)
 例年より遅れたがやっと咲いてくれ安心した。下向きの釣り鐘状の花は意味があって全開しない。少し大きなトラマルハナバチなどが大歓迎のお客様。虫が狭い筒状の花に潜り込み、奥にある蜜を食べた後、後ずさりしながら出て行ってくれるのが狙いだ。こちらも 雄性先熟。

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・ツクバネ(ビャクダン科) 
 香木のビャクダンと同じく半寄生の樹木。雌雄異株でオバナもメバナも緑色で小さい。匂いでハエを呼ぶ。果実はつく羽根にそっくり。細い苞が4枚付き晩秋 茶色くなり、 回転しながら 風に乗って落下して行く。

・ヤブタバコ(キク科)   
 ガンクビソウの仲間でうつむいた頭花がキセルの雁首のように見える。ヤブタバコの根生葉や下部の葉はタバコの葉に似て大きく、シワがある。ヤブタバコの不思議は、茎が高さ約50センチ(場所により異なる)で いったん成長が 止まり、そこから四方に茎が広がる事である。晩秋、枯れた花びらや総苞片が落ちると茶色くなった種子は粘液を出し  四方に広がった茎の下を通る動物にしっかりくっつく、と言う策略。

・ハゼノキ(ウルシ科) 
 紅葉し果実は黒く熟していた。核は硬いが それを包む中果皮はロウ(ろうそくの原料となる) があり、鳥へのご馳走。カラス、キツツキ類、カラ類も よく訪れる。漆器に塗るウルシは別の種とのことだが、9000年前の縄文時代に作られた漆器が 青森の亀ヶ岡で発掘された。(京都文化博物館にて展示) 

・ヤマボウシ(ミズキ科)
 中国の常緑ヤマボウシが秋でも花を咲かせていた。4枚の白い総苞片の中心に淡緑色の小花が咲く。30個ほどが丸く集まり、受粉が出来なくても個々の花の基部が膨らみ全体がくっつき丸く育つ。赤い果実はよく見ると六角形の総合体。甘く動物に大人気。

・ハナミズキ(ミズキ科) 
 ヤマボウシに近い種で園芸植物。花はヤマボウシに似ているが果実はそれぞれ独立している。北アメリカ産でこちらは鳥の口に合うサイズである。

・ハシバミ(カバノキ科) 
 ヘーゼルナッツはセイヨウハシバミの果実。花は春に咲きメバナは赤い柱頭だけ目立つ。オバナの集合体は 尾状となって垂れ下がるが  秋からもう準備している。これで冬を越すらしい。

・シラキ(トウダイグサ科) 
 少し紅葉していた。枝や幹を切ると白い汁が出て  幹の内部もやはり白い。果実は  直径約2センチ弱で丸いがやや3つに膨らむ脂分多く食用や灯油となる。

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・アオギリ(アオイ科)  
 雌雄同株、若い幹は青い。果実が不思議な形。メバナが咲いた後子房の果皮が5つに分かれそれぞれ細長い袋状になって中に種子を抱く。秋になりボート状になった。果皮は樹木の上で茶色く乾くと、種子を縁に乗せたまま風に吹かれて回転しながら落下する。種子は、炒ると食べる事が出来、コーヒーの代用にもなる。

・ネコノチチ(クロウメモドキ科)   
 果実は8月から11月になると黄色からオレンジ色、 赤色、黒色と変化する。色分けして熟した種子を少しずつ鳥に食べてもらう。名前の由来は果実が、授乳期の雌猫の乳首の形に似ているからとのこと。

・カンレンボク(ヌマミズキ科)   
 果実の形がバナナに似て個性的花はヤツデの花のように球状集合花である。ゆえに果実も始めは球状であるがやがてそれぞれのメバナからバナナ形の果実が出来る。一つの果実から多くの種子が出来る事から中国では子孫繁栄、縁起の良い木「喜樹」と呼ばれる。果実や根に含まれる「カンプトテシン」 が抗がん作用あり。 

(文/新堀)


研修会 9月25日(木)「季節の植物観察/残暑の中で頑張る植物」の報告

 午後からの雨が心配されるお天気でした。参加者は会員23名、実習生1名の24名。講師は讃良さんと華﨑さんです。
 今回は讃良さんの案内で季節の植物を見ていきます。まず最初に讃良さんから「見頃の植物を案内していきます。たくさん覚えようとせず、一つ二つ覚えるつもりで参加してください。」と声かけがありました。
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 最初はシナノキから。今年のシナノキはとてもたくさんの実をつけています。昨年少し強く剪定されたので勢いが出てきたのだと思います。花の時期の写真や図を使って説明があり、目の前にある木の年間の姿が浮かび上がります。次にクマノミズキへ。果柄が赤いのが目立ちます。ミズキと名の付く樹木にはトサミズキやヒュウガミズキがありますが、これらはマンサク科で、こんな花や実が付きますと写真で説明があり、クマノミズキとの違いがよく分かります。葉の様子がミズキに似ていることに名前は由来しているそうです。ミズキとつけば同じ仲間と思いたくなりますね。オオアブラギリフジバカマ。近くにある食草園も見ます。カラスザンショウに終齢幼虫が一匹。クロアゲハの幼虫かな?カツラヤブミョウガの実も見ていきます。ヤブミョウガの青い丸い実の中には不定形の種が詰まっていました。一緒に観察していた人が「球形の実の中に球形の種だとたくさん入りませんね」と言われるのを聞いて、種は丸いものばかりだとなんとなく思っている自分を反省しました。ヘラノキオニグルミボダイジュの苞を付けた実を皆で飛ばしてみます。
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 カラコギカエデシデなどを見ながら生態園へ入ります。シロバナマンジュシャゲアブラチャンカンコノキに小さな花が咲いています。この植物とハナホソガとの共生関係の話を聞きます。ワレモコウ(花)、カリガネソウ(花)、フジカンゾウ、カツラ、オトコエシスズムシバナユキミバナナラガシワのドングリに虫が卵を産み付けた跡があります。ユリノキのひこばえ。2018年の台風で倒れた木を切り倒したところ、株が立ち上がってひこばえが出てきたそうです。本来は大きくなる木なのに低い位置で葉の様子を観察できます。クサギツリフネソウシモバシラは茎が水平になって花序が立ち上がり、花はほぼ横を向いて咲いています。おもしろい姿です。冬場、枯れた茎に氷の柱ができます。冬の名物です。ヤブムラサキコムラサキ(実)、ノササゲ(花)。最後はあまり人が通らない道に入りました。ツクバネの実が見つかりました。人がたくさん通る所にあるツクバネは、人が触ることが多く実が本当に少ないのですが、ここにはたくさんありました。羽子板の羽根に似ているでしょというと皆さん納得です。
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 12時20分頃から雨がしっかり降り始めました。高い木があるので雨を防いでくれています。12時半、芝生広場の北側にある屋根のある場所で終わりの集まりをしました。雨が降っているので午後の案内はなしになりました。   (文/海老原)

研修会 7月8日(火)「季節の植物観察/夏を乗り切る植物たち」の報告

 「今日も暑い。」という言葉しか出てこない今日この頃だ。京都は特に暑い。植物園も人影が疎らで、貸し切り状態であった。会員23名、実習生1名の合計24名の参加であった。暑さのせいか、いつもより少ないようだ。案内は、大川内さん、高橋さんで2班に分かれて研修した。今回は、大川内さんの班に同行させてもらった。
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ワイルドガーデン及びその周辺
キキョウ
 暑さの中、紫色で星型の涼しげなキキョウの花が咲いている。秋の七草のひとつであるが、6月から咲き始める。自家受粉を避けるため、雄しべが先に熟し、そのあとで雌しべが熟す雄性先熟である。開いたばかりの花は、どちらも熟していないが、その後雄しべが熟し、花粉を出し終わると、花の中心で雌しべが熟し白い小さな花が咲いたように見える。
アラゲハンゴンソウ(ルドベキア・ヒルタ)粗毛反魂草〉
 キク科、名前の通り、茎や葉など全体に粗い毛が生えているのが特徴。特定外来植物には指定されていませんが、同じキク科でよく似たオオハンゴンソウ、オオキンケイギクは、特定外来生物に指定されているので気を付けてほしい。夏の黄色い花は、似ているのが多くややこしい、よく目立つが外来種が多いので注意が必要だ。
ユリ
 多くのユリの花が咲いている。すごく華やかでいい香りを放っている。オリエンタル・ハイブリット系は、ヤマユリ、カノコユリ、サクユリ等の日本原産の幾つかの種が交配されて作出されたものである。もともと日本はユリの国で、シーボルトが持ち帰って有名になった。オニユリが咲いていた。多くのむかごを付けていた。ユリの仲間でむかごを作るのはオニユリだけである。
マンリョウ
 冬に赤い美をつけて、お正月の縁起物として親しまれているマンリョウが小さな白い花を咲かせていた。いつも実ばかり見ていて、花は初めて見た。
オオアブラギリ
 まだ青いが大きな実を付けていた。この実は、工業用の油として利用されていた。実を割って、触ってみると、あまり脂っぽくなく、すぐにサラッとして乾いた。
 葉の葉柄の上部には、柄のない蜜腺一対あり、アリがやってくるが、蜜は少ない。たくさんの蜜を作るのは得策ではない。アリが蜜だけで満足せず他の害虫食べてくれればいいのである。
ベゴニア
 一株に雄花と雌花がある雌雄異花同株である。雄花雌花がよく似ている。蜜はなく、花粉のみである。雄花には花粉があり、虫を呼ぶことができるが、雌花には花粉がないので、雌しべを雄しべに似せて虫を騙して呼びよせる。「花は虫を騙す。」というベゴニアの素晴らしい作戦である。しかし、横から花を観ると花の下に子房があるので、違いはよくわかる。
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針葉樹林
モミ
 クリスマスツリーのイメージがあり、外国の樹木と思っていたが、実はマツ科で日本在来種である。葉先がM字に2裂し鋭く尖り、触ると痛く、吸盤のように枝につく。
ツガ
 マツ科でモミとよく似ている。枝が茶色く、葉の長さが揃っていない。葉柄がある。松ぼっくりのような実をつける。
レバノンスギ
 スギという名であるがマツ科である。利用価値が高いため伐採され、現在では希少な樹木である。レバノンの国の象徴として国旗に描かれている。
カヤ
 イチイ科。枝や葉をちぎるとグレープフルーツのような香りがする。葉は硬く先端は針状に鋭く尖り触ると痛い。
チョウセンマキ
 同じ木から形の違う2種類の葉が出ている。イヌガヤを台木として栽培された園芸品種なので、先祖返りしたそうだ。カイヅカイブキでもよく見られる現象らしい。

 醒井に行かなくても植物園でも見られるバイカモを見て、四季彩の丘の方面へ行く途中、ピンクのタキユリがきれいに咲いていた。

四季彩の丘
 日陰になって涼しい風が通り抜けるヒョウタン棚のところで、ハスの説明を受ける。ヘビウリの涼しげな花が咲いていた。
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 今日一番の見どころの花、「蜂巣(はちす)」。花の開閉を3~4日繰り返したあと、花びらが散る。
  (1日目)早朝ツボミから開花
  (2日目)早朝開花、一番きれいな時、花托は黄色
  (3日目)早朝開花。
  (4日目)花弁がバラバラと散る。花托は緑色になる。
 何日目の花かを観察する。葉は水をはじく効果があり、これをロータス効果という。この効果を利用したのがヨーグルトのふた等である。ハスの茎の繊維から糸が作られる(蓮糸)、この糸で中将姫が織り上げたのが當麻寺の當麻曼荼羅であるらしい。
双頭蓮
 通常、ハスの花は1本の茎に1つの花を咲かせますが、10,000本に1本の確率で、1本の茎に2つの花を咲かせることがあります。大変珍しいことから古より吉祥または凶変の兆しとされるらしい。吉祥であることを願いたい。
キョウチクトウ
 落ちていた花で雄しべ雌しべを観察した。雌しべの柱頭が雄しべの内側に合着してしまっている。このような構造のためにめったに受粉ができない。 
 全草有毒で、枝を箸や焼き鳥の串に使って死亡した例もあるので注意が必要だ。葉の裏側の気孔は毛で覆われたくぼみの中に隠れているので、乾燥や排ガスから守られるので、街路樹等によく植栽されている。
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生態園
ツユクサ
 1日花であり6本の雄しべがあるが、3種類ある。花弁に近いところに蝶のような形の雄しべが3本(X字形)、中ほどにYを逆さまにしたような雄しべが1本(Y字形)、その下に前に突き出した雄しべが2本(O字形)ある。

 集合時間が迫ってきており、他にハンゲショウオウゴンユリハグロソウヤマユリサクユリ等を大急ぎで観察して回った。

 暑い中、参加された皆様お疲れさまでした。そして汗をかきながら、案内していただいた大川内さん、高橋さん、ありがとうございました。まだまだ暑い日が続きますが、皆様、お体ご自愛下さい。(文/A.N.)