京とおうみ自然文化クラブ

「京(みやこ)とおうみ自然文化クラブ」は、認定NPO法人シニア自然大学校の京都府・滋賀県の地方組織です。 旧ブログは左下リンク集より閲覧できます。

 観察会報告

観察会 5月18日(月)「季節の植物観察/初夏の樹木と花たち」の報告

 ついこの間まで春爛漫の穏やかな季節だったのに、急に初夏を思わせる暑さ(最高気温34℃)となりました。朝の集合時間にはもう日差しが強く感じられ、急遽シマモミの木陰に移動して朝の挨拶を行いました。
 今月の案内役は、岡かおるさんと海老原緑さんです。参加者は会員31名・実習生3名の計34名でした。今回は海老原班の報告をします。
 優しく落ち着いた語り口で定評のある海老原さんですが、今日も優しい声で3つのテーマを提示されました。①京都東山の山々では、今はシイの木の花で満開。遠くから見ると、カリフラワーのようにモコモコとした花の姿が見られます。その姿を植物園でも観察します。②アヤメ・カキツバタ・ハナショウブの見分け方を紹介。③5月15日は京都の三大祭りの一つである葵祭の巡行がありました。その葵祭で使われた、カツラフタバアオイを紹介します。
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 まずは、ワイルドガーデンのドイツアヤメ(ジャーマンアイリス)、花弁の付け根にブラシのような毛があるのかこの花の特徴です。先月は満開でしたが、もう終盤でした。食草園では、アリストリキア・ヴェストランディー(ウマノスズクサ科)に大きな奇妙な形の花が咲いていました。ジャコウアゲハがこの葉に卵を産みます。残念ながら幼虫は見つかりませんでした。このツル性の木は中国原産ですが、日本ではウマノスズクサが生えており、ジャコウアゲハが卵を産み付けます。この植物の葉には毒がありますが、幼虫はその毒を体に貯め込んで、捕食者から身を守ります。チョウになってもその毒は体内に残るため、捕食者がいません。そのため、フワフワとした柔らかい飛び方をするそうです。余裕の飛び方ですね!!
 アヤメの見分け方説明。アヤメは5月上旬に咲き、畑など水のないところで育ちます。花弁には黄色い網目模様があります。カキツバタは、5月中旬ごろに咲き、花弁に白い筋があります。水中や湿ったところで育ちます。ハナショウブは、6月上旬頃に咲き、花弁に黄色の筋があり、水辺の近いところで咲きます。カキツバタとハナショウブは見ていません。コブシの木には、きれいな緑の葉が茂っていましたが、よく見ると毛虫?がたくさんついていました。葉柄と主脈だけになって丸坊主になっている葉もありました。何よりビックリしたのは、上からボトボトと幼虫が落ちてきたことです。この正体はコブシハバチの幼虫で、人間には毒性はありません。しかし、モクレン科の樹木を丸坊主にするとのことです。
 先ほど紹介されたカツラには、小さなバナナのような果実が付いていました。フタバアオイと共に葵祭に使われ、牛車や参列者の装束に飾られています。参加者の中から「それはどんな意味があるのですか」との質問があり、別の参加者から「桂は陽」、「葵は陰」を表し、天と地の調和や神様との結びつきを祈る意味が込められているとの説明がありました。なんとなくわかったかな…。
 生態園の入り口では、ハマクサギの黄色い小さな花が咲いていました。葉を触ると、ゴマのような匂いがしましたが、クサギのような臭い匂いではないです。地面に白い花がたくさん落ちていた。最初どこに咲いているのか分からなかったのですが、ずっと上を見上げるとエゴノキでした。皆で花を拾い、花弁が何枚あるか確かめました。基本形は5枚だが、4枚や6枚のものもありました。実にはサポニンを含んでいるのでえぐい木が訛ってエゴノキという名前になったそうです。フタバアオイは地面を這うように群生しています。葉をかき分けて見ると、フタバの股の間からが付いていました。徳川家の家紋の3つ葉葵は、このフタバアオイをモチーフにしたものです。
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 ホンシャクナゲヤクシマシャクナゲの葉の裏の比較。どちらも葉の表は無毛でやや光沢がありますが、葉裏には毛が蜜に生えていました。特にヤクシマシャクナゲは、ビロード状の毛が密集し、ふかふかでした。残念ながら花はもう終わっていました。イヌムラサキシキブは、ムラサキシキブとヤブムラサキの自然交雑種。葉にも花にも星状毛があるそうです。ルーペで確認すると毛がたくさんありましたが、星状毛かどうかは確認できませんでした。一般的なルーペではそこまで見えないですね。
 時間が来て駆け足で正門付近に移動。スダジイが咲いていて、遠目には黄色い雄花がブロッコリーのような姿に見えました。この花には独特の臭いもしていました。虫媒花なので、この香りで虫を呼んでいるらしいです。ドングリの赤ちゃんがどこにあるのか皆で探したら、数は少ないけれど見つかりました。開花から翌年の秋にドングリになります。そして時間切れとなりました。
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 今日は暑さのため、いつもより30分早く終了となりました。そのほかに観察した植物など。スイカズラアブラチャンヤブタビラコアメリカシャクナゲ(カルミア)満開、ヒモワタカイガラムシなど。 (文/やよい)

観察会 4月23日(木)「季節の植物観察/春らんまん、色とりどり」の報告

参加者:12名  天候:雨
案内役:高橋弥生さん、新堀裕子
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ナベワリ(ビャクブ科) 
 舐めたら舌が割れるほどの毒あり(アルカイド系)。
 葉の脇から大きさの異なる緑色の花被片4個が下を向く。オシベ4、葉はナルコユリ似。
 江戸時代  中国から薬草として 日本へ入って来た。根茎を咳止め、害虫駆除に使用。
フタリシズカ(センリョウ科)
 花片も萼片も無い。
 メシベの周りをオシベ3本が丸まって囲みオシベが落ちると中にあったメシベが顔を出す。他家受粉、自家受粉あり。
 義経の恋人静御前が鶴岡八幡宮で一人舞いをしたが  能楽では亡霊が登場し, 題目は「二人静」。 
ワニグチソウ(キジカクシ科)
 鰐口とは神社仏閣の前にある鈴の事。
 葉の脇から淡緑色の筒状の花が 2枚のホウに抱かれて下がっている。
 ホウチャクソウと似ているが、花はこちらのほうが小さい。
シャクナゲ(ツツジ科)
 生息地は、夏 涼しく、水はけの良い高山、山地。
 特にヒマラヤ周辺に多くの種類があり、ネパールの国花になっている。
 葉は厚く 4年以上寿命のものもあり。ロードキシンの毒あり。
 日本産は11種類ほどあり高温多湿でも生息出来るように品種改良されている。
 ホンシャクナゲもその一つで、西日本の山地に生息する。ツクシシャクナゲの変種。花冠 7裂  オシベ14本。ホンシャクナゲの葉の裏は明るい茶色の毛で 覆われている(セイヨウシャクナゲの葉の裏は緑色)。
ツツジについて
 春至る所にツツジの花が 咲いている。
 キリシマツツジは有名だが、自生する火山帯の土壌は強い酸性で重金属が溶けている事もある。
 街の道路沿いは、排気ガスにさらされている。
 ツツジは根の表面にツツジ科菌根菌を住まわせ、有毒な重金属をためてもらい、その上 水分、窒素、リンなどを貰う。
 ツツジからは  ツツジ科菌根菌に糖分などの栄養をわたす。
エビネ(ラン科)
 地中に球状の連なった鱗茎があり海老に似ている。里山のランの代表種。
 ランの仲間は花粉を「花粉塊」として作るものが多く虫の頭に着けて運んで貰う。
 ランの種子は、風に飛ばされ易いように大変小さい。
 自力で発芽出来ない為ラン菌を種子に取り込むがそれは、種子に影響の無い周辺部のみ。
 一番大事な「胚」には入らせない。ラン菌から窒素、リンなどを貰って種子が育っていく。
 どのようにして 小さく軽量化出来たのだろうか?花粉がメシベの柱頭につき胚珠の中で受精する時一つは胚になりもう一つは胚乳になる。
 ランの場合  栄養となる胚乳生成をやめてしまったので大量の小さい種子を作る事に成功した。
 最近のバイオテクノロジーの進歩により ラン菌無しでも人工培地で発芽が可能になり  又、成長点培養により大量増殖が可能になったそうだ。
トキワマンサク
 樹齢100年 以上の高木巨大さに皆さん 驚かれた。
・ガマズミ(ガマズミ科)
 「神の実」が名前の由来と言われ ガマズミの赤い実は酸っぱいがビタミン豊富。
 沢山の小さい白い花が散房花序 に咲く。花冠5 深裂 、葉は対生で触るとざらつくがハクサンボクは光沢あり。
フジ(マメ科)
 長い総状花序を垂らし葉は奇数羽状複葉、ツルは 根元から見て左巻きに登っていく(ヤマフジは右巻き)。
 フジの花によく来るクマバチについて。
 メスのクマバチは、水平状態の枯れた太い枝に穴を開け、個室を作り、蜜入り花粉団子に卵をひとつ産みつける。幼虫はやがて蛹になり羽化し冬を越す。しばらくの間母バチから食べ物を貰いながら 巣に留まる。天敵から巣を守るなどの役割を持つ。冬を超した若い成虫は、春になると巣から出て来る。
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 どの植物もなるべく絵や写真を見て頂きながら 話を致しました。(文/新堀裕子)
         

研修会 3月30日(月)「季節の植物観察・春の訪れを告げる花たち」の報告

 参加者:32名(会員23名・一般9名)、天候:晴、気温:24℃
 案内役:齊藤ちづみさん・岡かおるさん。時間:10:00~12:30
 朝から温度が上がって春から一気に初夏になったようになり、参加者の皆さんも上着を脱いで衣服調整をされていました。朝の挨拶後、2つのグループに分かれてスタート。私は岡さんのグループに入りました。
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先日まですぼんでいたのに、気温が高くなったのでチューリップも色とりどりに形よく開きました。花は暖かくなった陽気の中で、あっという間に咲いては、さっと散ってしまいますが、開閉を繰り返している間は生長を止めないそうです。
「地面に咲いている野草を見てみましょう!」と、飛び石を渡って観察開始。ホトケノザは花の形をよく見ると、小さなハート型におしゃれな模様が付いています。茎は四角。「この赤い蕾は何?」。これは閉鎖花と言って、繁殖のために蕾のまま結実するそうで、昆虫がいないなど条件が厳しくても自家受粉によって種子を作るという、すごい戦略を持っているという説明を聞きました。
普通によく見るタンポポも花と見えるのは花の集まりで、頭花と呼ばれる花の集まりは200程もあるという話に驚きました。花の付け根の部分をよく見ると総苞片がくるりと反り返っているのはセイヨウタンポポで、明治の初めのころに日本にやって来て、次第に各地に見られるようになったようです。爆発的に増えたのは、まず乾燥に強い、雨でも咲く、開花結実期間が長い、受粉をしなくても種子ができる単為生殖の仕組みがあるからです。しかし、在来のカンサイタンポポも、京都植物園などしっかり場所を確保している所は今も健在で咲いているのを見かけます。お互いに棲み分けして生きて行って欲しいですね。
その他ノジスミレコハコベカラスノエンドウオオイヌノフグリなども小さな花を咲かせていました。
いろいろなチョウが花に誘われて飛び始めたようです。ルリタテハは、黒地に鮮やかな瑠璃色の帯が美しいチョウ。テングチョウは羽を閉じると枯葉色。ウラジロシジミの雄と雌の色の違いなども教えてもらいました。
メタセコイアのきれいな三角の樹形やぶら下がっている雄花を説明されている時に、2羽のカラスがタカを追い回しているのを目撃。縄張り争いでもしているのでしょうか。カラスは賢くて、カマキリの体にハリガネムシが入っているのを知っていて、捉えたカマキリを水の中に漬けてハリガネムシが出てから食べ、その後そのハリガネムシも食べたのを見たそうです。なんとも言えないようなおぞましさです。
ヤブツバキの花びらについた黒い爪痕を見ました。これはメジロが止まったあとで、花の底の蜜を吸いに来ます。この花びらに鳥の訪花を誘う仕組みがあって、「密を吸いに来た鳥の体重を支えられるように作られていますよ!」と言われたので触ると、確かに花びらは硬くて丈夫でした。
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シキミの花が咲いて、お線香のような良い香りがしています。実は猛毒だけれど、ヤマガラは食べるという話は何度聞いても大丈夫なの?と首をかしげたくなります。そこから目を向けると遠くからでも目立つくらい赤いベールを被ったような木が見えます。ハナノキです。葉が芽吹く前に赤い花が咲くことが由来で、長野県、岐阜県及び愛知県の一部地域にのみ自生する日本固有のカエデと言う事です。京都植物園のお宝ともいえる木は、この木とアジサイ園にある「フウ」と言われましたが、確かにどちらもヘリテージツリーにふさわしい風格です。
アオキの果実に着いたビークマークの話も面白く、生き物がとても身近に感じられます。
ヒュウガミズキトサミズキの葯の色の違いを見て、生態園に入って満開のゴモジュに来ました。葉や花からゴマの香りがします。
ヒカゲツツジは別名が「サワテラシ」と言われる日本固有のツツジ。数あるツツジ類の中でも唯一黄色い花を咲かせます。上側裂片に緑色の斑点があるのが蜜標です。雄しべから花粉を出しています。先端にある葯の先に穴が開いており、花粉が糸を引きながらへばりついてくるのは、来訪する昆虫の体に付着しやすいための工夫なのだそう。
歩いていてもバイモキバナイカリソウなど、この何日かで一気に咲き出した花で大賑わいです。大きさは7~8cm位の可愛いトガリアミガサタケも見つけました。「出会えたね!」って、声を掛けました。
ショウジョウバカマモミジチャルメルソウも咲き始めですね。今年は少し遅めです。
目を惹くような鮮やかな赤のユキツバキが咲いています。特徴ですが、日本原産の椿には一般的に「やぶ椿」と「雪椿」の2種があります。その違いは雪の重みで押しつぶされても折れないしなやかな枝を持ち、地面を這うように広がる樹形もそうですが、花糸(おしべの軸)が黄色く、根元が合着せず1本ずつバラバラに分かれているところです。先ほどのヤブツバキを拾って持ってきたので比べてみます。ヤブツバキは花糸が白く、根元がくっついていました。
ラストスパートで、なからぎ神社まで来ました。アラカシに泡? 正体は「チュウゴクアミガサハゴロモ」。枝にしっかり着いている白い綿のようなものは、卵の上に被さるロウ物質で、この白い綿状のものを取り除いても卵は残るそうです。
最後はチョウジザクラです。日本に自生する貴重なサクラの原種(野生種)の一つです。 
花を横から見た形が丁字に似ているために名前が付けられました。花は下向きで,花弁もソメイヨシノなどに比べると小さく,開花していてもあまり目立たないので人気が無いのでしょうか?華やかさがないので余り見向きされない様子ですが、私は一番好きなサクラです。
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 ブログでは岡さんのお話を全部紹介できませんが、普段あまり考えない植物と昆虫や鳥の関係を交えた話に繋がりを強く感じました。午後からは京都植物園でサクラガイドもされている高橋弥生さんとご一緒に桜の話を聞きながら回りました。(文/大)

研修会 2月26日(木)「季節の植物観察・スプリングエフェメラル」の報告

 京都府立植物園ではスプリングエフェメラルの花たちが咲き始めました。今回はそんな春の訪れを感じる観察会です。案内役は、ベテランの大川内恵美子さん、そして今回初めてのデビューとなる松山美紀子さん、ちょこっとお手伝いのサブ髙橋弥生です。天気は曇、気温14℃と寒くもなく観察しやすい日でした。参加者は、会員21名・実習生4名・一般1名の計26名で、2つの班に分かれました。今回は松山班の観察の様子を報告します。
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 ワイルドガーデンでは、ハボタンが花壇一面に綺麗に並んでいます。「ハボタンは何科ですか?」の質問に、皆さんからはすぐに「アブラナ科」との答えが返ってきました。もともとヨーロッパのケール(キャベツ)が先祖で、江戸時代に日本に渡来しました。日本で品種改良が進み牡丹の花のようだと流行を生みました。私の考えですが、と前置きして「低温にさらすと葉緑素が分解されてアントシアニンが生成されて赤い色が出る。クリーム色はイチョウの黄葉と同じで、もともとの色素が残ったもの。ハボタンの色は樹木の紅葉の仕組みと同じではないか」との説明がありました。なるほど…。
 ナルキッスス・カンタブリクス(ヒガンバナ科)はスイセンの原種で、白い小さな花をたくさん咲かせていました。続いてはクリスマスローズ(キンポウゲ科)の花を観察。スプリングエフェメラルはキンポウゲ科の植物が多いので、事前に花の構造について学習です。花弁ように見えるのは実はガク。では花弁はどこでしょうか。ガクの中にあり、雄しべの周りの蜜腺に変化しています。皆さん、「身近なお花なのに知らなかった~」と驚かれていました。クロッカス(アヤメ科)の黄色い花が咲いていました。クロッカスとサフランの花は似ています。サフランは秋咲きで、雌しべはスパイスとして利用されています。さらに婦人薬(更年期障害など)として使われているとのことです。
 そこから少し南の梅が咲いている樹木のエリアには、桜守の佐野藤右衛門氏のゆかりの桜が数本植えられています。昨年10月に97歳で逝去され、その形見となる‘京姫’(けい)が最近植樹されました。同じく藤右衛門氏作出の早咲きの‘彬姫桜’(あきひめざくら)は、蕾が膨らみもうすぐ咲きそうです。
 球根ガーデンでは、スノードロップ(ヒガンバナ科)が満開です。白い花弁の外側は外花被(がいかひ)、内側は内花被(ないかひ)と呼び、内花被には逆さ向いた緑色のハート形の斑紋がありました。夜には花を閉じて暖かさを保っているそうです。また、この球根に含まれる成分ガランタミンは、アルツハイマー型認知症の治療薬として使われているそうです(医薬品名レミニール)。いつかお世話になるかもしれない!!お世話になりたくない!!との声が…。続いてシクラメンラッパスイセンを観察。房咲スイセンには「雄しべが何本ありますか」。ここでルーペを出して観察。3本と思ったけれど、実はその下にもう3本あり、合わせて6本でした。雄しべの辺りを覗くと、ビー玉のようなきらりと光るものがあり、それは何でしょう。松山さんは、自宅のスイセンに竹串を突っ込みそれを舐めてみたそうです。「すごく甘かった~!」と、それは蜜です。スイセンの勉強をたくさんしました。
 生態園へ行く途中でオニグルミ(クルミ科)の冬芽の観察。しっかりした裸芽と、葉痕の形は羊の顔か、ゴリラの顔か、皆さん想像を膨らませていました。生態園では、アブラチャン(クスノキ科)の木にたくさんの冬芽が付いました。葉芽と花芽が、クロモジ属特有の小の字の形です。クロモジ属の中で一番小さな花芽なのに、ビー玉くらいの大きさの果実を付けるそうです。ノグルミ(クルミ科)の大木はすべて葉を落とし、枝先に小さな松ぼっくりのような果実(果穂)をたくさん付けていました。松山さんが、事前に用意した小さな箱の中には果実と種が綺麗に並んでいて、皆さんに見せてくれました。小さな種ですが、周りに翼がついていて、形はクルミに似ています。
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 タチバナイヌガシなどを見たあと、次はシャリンバイ(バラ科)、奄美大島の大島紬は有名ですが、この紬の糸を染めるのにシャリンバイ(現地ではテーチ木と呼ぶ)の樹皮を使います。シャリンバイに含まれるタンニンと、現地の鉄分の多い泥中で染を繰り返すと、特有の黒色に染まります。実際に、シャリンバイの枝を煮出した液と、それにさび釘を入れたものを見せてもらいました。シャリンバイだけのものははちみつ色、さび釘を入れたものは黒豆の汁のような色をしていました。その準備にも感心です。写真参照。
 続いてダンコウバイバクチノキ、そしてその下にはハナミョウガ(ショウガ科)が赤い果実を付けていました。葉の手触りはピロードのようにふんわりとして綿毛が付いています。ルーペで果実を見ると、そこにも毛が全体に付いていました。果実の先に柱頭のように見えるのはガク片で、面白い果実でした。タマミズキクマザサオニシバリ、そしていよいよ春の妖精の観察。セリバオウレン(キンポウゲ科)はたくさん咲いていました。花の種類は雌花雄花両性花の3種類。小さな花なので目を凝らして観察すると、雄花と両性花の区別が分かりました。私たちの班は雌花を見つけられませんでしたが、大川内班は、どなたかが雌花を見つけられました。皆さん大変熱心に観察されていましたね!
 ユキワリイチゲ(キンポウゲ科)は、花弁がたくさんあるように見えるのですが、これもガク片です。この花はお日様が出る午後に咲きますが、当日は曇だったためほとんどが閉じていました。セツブンソウ(キンポウゲ科)は満開でした。落葉樹カツラの木の下に生えており夏の間は暗い林床となり休眠しますが、冬になると日が差し込み春一番に花を咲かせます。これは春の妖精たちの生きる戦略です。黄色の蜜腺は花弁が変化したもので、この花の構造はクリスマスローズとほぼ同じでした。フクジュソウ(キンポウゲ科)は、日が当たると花が開きます。花中の温度は外気温より5℃程度高く、まだ寒い春の初めに虫が暖を求めてやってきます。なぜならこの花には蜜がなく、受粉をしてもらうため虫を呼び込む作戦です。全草毒で食べると毒成分のシマリンが心臓の働きを狂わせる危険性があるので注意。同じエリアにフキノトウ(キク科)も芽を出していましたが、芽出しの頃は似ているので混同しないようにと注意喚起がありました。
 最後はシナマンサク(マンサク科)、春一番に「まんず咲く」が語源です。紐状の4枚の黄色い花弁があり、雄しべと仮雄しべ(蜜がある)をルーぺでじっくり見ました。仮雄しべの存在は分かりにくかったようです。ここで本日の観察会は終了です。松山さんには一つ一つの花の構造や、たくさんありすぎて詳しくは書けなかったのですが、生薬としての成分や利用についても詳しく教えていただきました。ありがとうございました。
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 午後は、自由参加で10名ほどの人数でした。早春の草花展、四季彩の丘を巡り、梅林では雌しべがない花探し、最後にツバキの梵天葉探しに夢中になり終了となりました。   (文/やよい)

研修会 1月26日(月)「季節の植物観察・冬の寒さに耐える植物(冬芽)」の報告

 当日、気温は低めでしたが、風がなく穏やかな日となりました。参加者は会員20名、実習生3名。講師の齊藤さんのあいさつから始まりました。昨年12月の観察会に参加された方がその時の記録を持って参加されています。
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 クマノミズキの冬芽の観察から始めます。この冬芽は小さいけれど毛がびっしりと生えています。よく見てくださいとの講師の声かけに、ルーペを持つ人、スマホやカメラを出す人など様々ですが、みんな熱心に見ています。
 次は噴水から西へ向かう道を足早に移動してアオダモへ。枝先に3つの冬芽が集まっています。頂芽と頂生側芽が2つ。樹木は大きくなると枝先などはなかなか見えにくくなるが、普通に立って見やすい所に案内してもらっていることを感じる。とてもありがたい。次は横にあるイロハモミジ。枝先に小さな赤い冬芽が2個並んでいる。仮頂芽は間に落枝痕があるのだが、イロハモミジでは確認はできないとの話。続いてゴンズイへ。こちらは大きな仮頂芽2個の間に落枝痕がはっきりと見える。
 ロウバイの花を横手に見て、ずんずん進み生態園の奥へ。シモバシラのところに到着。今日は残念ですが、シモバシラの霜柱は見られません。期待して来られた方もあると思いますが、寒いから見られるわけではありません。講師から正月前の暮れと、1月10日に見ましたと話があり、画像を見せてもらいました。前日の昼の気温の下がった翌朝がねらい目ですとアドバイスがありました。掲載の写真は2023年12月23日に撮影された参考写真です。次の冬には自分の目でぜひ見たいものです。
 冬芽の観察に戻ります。すぐそばにオオカメノキ。昨年は冬芽が少なかったが今年はたくさんついていますと。丸い花芽の両脇に葉芽がバンザイしてついている。ウサギとかバルタン星人と称されるのがよくわかる。
 生態園の中を講師の後を追いかけて着いた所にはハクウンボク。葉柄内芽の確認。落ちているハクウンボクの葉を拾い、葉柄に冬芽を包んでいた痕跡を見つける。今は葉が落ちて冬芽が見える状態になっている。サワグルミタラノキシンジュと続けて説明を受ける。サワグルミの葉痕は羊が笑っているように見えると言いますが、どんな風に見えるかは人それぞれの感性です。タラノキの葉痕の維管束痕は真珠の首飾り。枝を4分の3周しています。表現がぴったり。ヒイラギナンテンの株もとに幼木が一本ありました。植えられたものではなく種が飛んできて自然に芽吹いたもののようです。葉が落ちて細い木があるだけなのですが、シンジュだと。シンジュは漢字では神樹、別名ニワウルシ。大きなハート形の葉痕からわかるそうです。植物園にある大きな木だと冬芽が見られない。ここで見られて良かった。
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 少し移動して、ユリノキの冬芽はカモノハシのくちばし。中には葉が折りたたまれていてそれぞれに托葉が付いているそうです。これはモクレン科の特徴。アジサイの裸芽、三大美芽のひとつコクサギの赤い芽鱗が重なり合っているのも見ていきます。エゴノキ、主芽の上に予備芽がおんぶされている。そう聞くと本当にそう見える。ハクウンボクも同じエゴノキ科だから同じ冬芽。シラキの冬芽と葉痕は私には三角帽子をかぶった子熊の顔に見えた。コハウチワカエデの冬芽をしっかり守る毛がたくさんついた膜質鱗片。毛糸のパンツです。そばにあるメグスリノキチドリノキの冬芽も同時に観察。カエデ属は冬芽の出方が二通りありますとこの時教えてもらいました。仮頂芽が2個並ぶものと頂芽1個に頂生側芽が伴うもの。メグスリノキは頂芽に頂生側芽が2個ついていたのですが、チドリノキの枝先は頂芽が1個のものと2個の仮頂芽ものがあります。1つの樹木に二通りと、おたおたしていた私に説明してくださった。
 この辺りから追い込みになりました。途中、一人の人の手が目にとまった。寒さで真っ赤になっている。手袋をしているとメモが取りづらい。ひびやあかぎれになりませんように。けれど見ておきたい冬芽の説明は続きます。
 クロモジ属のダンコウバイアブラチャン。アブラチャンは葉芽と花芽のセットがかわいい。真ん中に葉芽、両脇にこぶしを握った腕を上げている花芽。ダンコウバイは葉芽も花芽もほとんど柄がない。その違いをしっかり見よう。バイカウツギの隠芽。葉痕が割れて中にある冬芽がのぞいている。ヤハズホウノキは托葉が合着して一枚ずつ葉を包み、それが何枚も重なって大きな冬芽になっている。次々に托葉がはがれて葉を展開していく春が楽しみです。
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 時間が足りなくなりかけたけれど楽しい時間を過ごせました。ありがとうございました。参加された方々が熱心に冬芽を見ておられたのが印象に残っています。   (文/海老原)