京とおうみ自然文化クラブ

「京(みやこ)とおうみ自然文化クラブ」は、認定NPO法人シニア自然大学校の京都府・滋賀県の地方組織です。旧ブログは左下リンク集より閲覧できます。

 研修会報告

研修会 10月22日(水)「季節の植物観察/果実と工夫する種子散布」の報告

天候 : 曇りのち雨  案内 : 海老原、新堀  参加者: 会員15名、実習3名

10月半ば数少ないが秋に咲く花や猛暑に耐え抜いた木々が、それぞれの方法で種子散布をする様子を観察した。

・ベゴニア(シュウカイドウ科) 
 晩秋まで咲き花壇を彩るベゴニアは、一見オバナとメバナの見分けがつきにくい。なぜ似ているのか?メバナは蜜も無く花粉も出さない為、虫にとってメリットが無い。ゆえにメバナはメシベの先にオシベの黄色花粉に似たものを作り虫を誘う。皆さん熱心に見比べておられた。

・カンコノキ(トウダイグサ科)
 名前の由来は、1.葉が船底平らなカンコ舟に似ている。 2.果実の形が 唐菓子の「カンコ」に似ているとのこと。
 先月はクリーム色の小さなオバナが 咲いていたが今回はメバナばかり見つかり、小さなカボチャ形の果実がいくつか出来ていた。夜、花の匂いに誘われたハナホソガが 受粉を手伝い、受粉させたメバナに卵を産み幼虫が種子を半分食べ残す。カンコノキとハナホソガは、絶対的共生関係。

・ノブドウ(ブドウ科)
 青、紫、白色どの実が 甘い?種子が熟しているのは白い果実で甘い。

・ツリフネソウ(ツリフネソウ科) 
 果実の果皮が伸びて膨らんでいた。ツリフネソウが生息する水辺は 増水で流れる危険性あり。一年草ながら上流にも踏みとどまれるように出来るだけ 種子を遠くにはじけ飛ばす。

・サクラタデ(タデ科)
 ピンク色の花は 直径8ミリもあり、タデ科で最大。ピンク色は、花弁ではなく愕片なので長持ちし、種子を包み込んだまま残るとの事。秋には茎の節が太くなり、葉の鞘も膨れ、そこに閉鎖花を作り増水のリスクに備える。

・ウバユリ(ユリ科)
 近くの山から果実を持参。参加者にウバユリの果実の中身を調べて頂き、種子が整然と収納されている様子や種子に薄膜の翼がついている様子を観て頂いた。晩秋強風が吹くとタネは紙吹雪のように舞い上がる。

・ホトトギス(ユリ科) 
 オシベが先熟その後3裂したメシベの柱頭が下がり他の株の花粉が付きやすくなる。黄色は蜜標で外花被片(少し大きい花弁)の基部に蜜をためた丸い距があり。

・キイジョウロウホトトギス(ユリ科)
 例年より遅れたがやっと咲いてくれ安心した。下向きの釣り鐘状の花は意味があって全開しない。少し大きなトラマルハナバチなどが大歓迎のお客様。虫が狭い筒状の花に潜り込み、奥にある蜜を食べた後、後ずさりしながら出て行ってくれるのが狙いだ。こちらも 雄性先熟。

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・ツクバネ(ビャクダン科) 
 香木のビャクダンと同じく半寄生の樹木。雌雄異株でオバナもメバナも緑色で小さい。匂いでハエを呼ぶ。果実はつく羽根にそっくり。細い苞が4枚付き晩秋 茶色くなり、 回転しながら 風に乗って落下して行く。

・ヤブタバコ(キク科)   
 ガンクビソウの仲間でうつむいた頭花がキセルの雁首のように見える。ヤブタバコの根生葉や下部の葉はタバコの葉に似て大きく、シワがある。ヤブタバコの不思議は、茎が高さ約50センチ(場所により異なる)で いったん成長が 止まり、そこから四方に茎が広がる事である。晩秋、枯れた花びらや総苞片が落ちると茶色くなった種子は粘液を出し  四方に広がった茎の下を通る動物にしっかりくっつく、と言う策略。

・ハゼノキ(ウルシ科) 
 紅葉し果実は黒く熟していた。核は硬いが それを包む中果皮はロウ(ろうそくの原料となる) があり、鳥へのご馳走。カラス、キツツキ類、カラ類も よく訪れる。漆器に塗るウルシは別の種とのことだが、9000年前の縄文時代に作られた漆器が 青森の亀ヶ岡で発掘された。(京都文化博物館にて展示) 

・ヤマボウシ(ミズキ科)
 中国の常緑ヤマボウシが秋でも花を咲かせていた。4枚の白い総苞片の中心に淡緑色の小花が咲く。30個ほどが丸く集まり、受粉が出来なくても個々の花の基部が膨らみ全体がくっつき丸く育つ。赤い果実はよく見ると六角形の総合体。甘く動物に大人気。

・ハナミズキ(ミズキ科) 
 ヤマボウシに近い種で園芸植物。花はヤマボウシに似ているが果実はそれぞれ独立している。北アメリカ産でこちらは鳥の口に合うサイズである。

・ハシバミ(カバノキ科) 
 ヘーゼルナッツはセイヨウハシバミの果実。花は春に咲きメバナは赤い柱頭だけ目立つ。オバナの集合体は 尾状となって垂れ下がるが  秋からもう準備している。これで冬を越すらしい。

・シラキ(トウダイグサ科) 
 少し紅葉していた。枝や幹を切ると白い汁が出て  幹の内部もやはり白い。果実は  直径約2センチ弱で丸いがやや3つに膨らむ脂分多く食用や灯油となる。

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(写真はクリックで大きく表示されます)
・アオギリ(アオイ科)  
 雌雄同株、若い幹は青い。果実が不思議な形。メバナが咲いた後子房の果皮が5つに分かれそれぞれ細長い袋状になって中に種子を抱く。秋になりボート状になった。果皮は樹木の上で茶色く乾くと、種子を縁に乗せたまま風に吹かれて回転しながら落下する。種子は、炒ると食べる事が出来、コーヒーの代用にもなる。

・ネコノチチ(クロウメモドキ科)   
 果実は8月から11月になると黄色からオレンジ色、 赤色、黒色と変化する。色分けして熟した種子を少しずつ鳥に食べてもらう。名前の由来は果実が、授乳期の雌猫の乳首の形に似ているからとのこと。

・カンレンボク(ヌマミズキ科)   
 果実の形がバナナに似て個性的花はヤツデの花のように球状集合花である。ゆえに果実も始めは球状であるがやがてそれぞれのメバナからバナナ形の果実が出来る。一つの果実から多くの種子が出来る事から中国では子孫繁栄、縁起の良い木「喜樹」と呼ばれる。果実や根に含まれる「カンプトテシン」 が抗がん作用あり。 

(文/新堀)


研修会 9月25日(木)「季節の植物観察/残暑の中で頑張る植物」の報告

 午後からの雨が心配されるお天気でした。参加者は会員23名、実習生1名の24名。講師は讃良さんと華﨑さんです。
 今回は讃良さんの案内で季節の植物を見ていきます。まず最初に讃良さんから「見頃の植物を案内していきます。たくさん覚えようとせず、一つ二つ覚えるつもりで参加してください。」と声かけがありました。
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 最初はシナノキから。今年のシナノキはとてもたくさんの実をつけています。昨年少し強く剪定されたので勢いが出てきたのだと思います。花の時期の写真や図を使って説明があり、目の前にある木の年間の姿が浮かび上がります。次にクマノミズキへ。果柄が赤いのが目立ちます。ミズキと名の付く樹木にはトサミズキやヒュウガミズキがありますが、これらはマンサク科で、こんな花や実が付きますと写真で説明があり、クマノミズキとの違いがよく分かります。葉の様子がミズキに似ていることに名前は由来しているそうです。ミズキとつけば同じ仲間と思いたくなりますね。オオアブラギリフジバカマ。近くにある食草園も見ます。カラスザンショウに終齢幼虫が一匹。クロアゲハの幼虫かな?カツラヤブミョウガの実も見ていきます。ヤブミョウガの青い丸い実の中には不定形の種が詰まっていました。一緒に観察していた人が「球形の実の中に球形の種だとたくさん入りませんね」と言われるのを聞いて、種は丸いものばかりだとなんとなく思っている自分を反省しました。ヘラノキオニグルミボダイジュの苞を付けた実を皆で飛ばしてみます。
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 カラコギカエデシデなどを見ながら生態園へ入ります。シロバナマンジュシャゲアブラチャンカンコノキに小さな花が咲いています。この植物とハナホソガとの共生関係の話を聞きます。ワレモコウ(花)、カリガネソウ(花)、フジカンゾウ、カツラ、オトコエシスズムシバナユキミバナナラガシワのドングリに虫が卵を産み付けた跡があります。ユリノキのひこばえ。2018年の台風で倒れた木を切り倒したところ、株が立ち上がってひこばえが出てきたそうです。本来は大きくなる木なのに低い位置で葉の様子を観察できます。クサギツリフネソウシモバシラは茎が水平になって花序が立ち上がり、花はほぼ横を向いて咲いています。おもしろい姿です。冬場、枯れた茎に氷の柱ができます。冬の名物です。ヤブムラサキコムラサキ(実)、ノササゲ(花)。最後はあまり人が通らない道に入りました。ツクバネの実が見つかりました。人がたくさん通る所にあるツクバネは、人が触ることが多く実が本当に少ないのですが、ここにはたくさんありました。羽子板の羽根に似ているでしょというと皆さん納得です。
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(写真はクリックで大きく表示されます)
 12時20分頃から雨がしっかり降り始めました。高い木があるので雨を防いでくれています。12時半、芝生広場の北側にある屋根のある場所で終わりの集まりをしました。雨が降っているので午後の案内はなしになりました。   (文/海老原)

研修会 7月8日(火)「季節の植物観察/夏を乗り切る植物たち」の報告

 「今日も暑い。」という言葉しか出てこない今日この頃だ。京都は特に暑い。植物園も人影が疎らで、貸し切り状態であった。会員23名、実習生1名の合計24名の参加であった。暑さのせいか、いつもより少ないようだ。案内は、大川内さん、高橋さんで2班に分かれて研修した。今回は、大川内さんの班に同行させてもらった。
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ワイルドガーデン及びその周辺
キキョウ
 暑さの中、紫色で星型の涼しげなキキョウの花が咲いている。秋の七草のひとつであるが、6月から咲き始める。自家受粉を避けるため、雄しべが先に熟し、そのあとで雌しべが熟す雄性先熟である。開いたばかりの花は、どちらも熟していないが、その後雄しべが熟し、花粉を出し終わると、花の中心で雌しべが熟し白い小さな花が咲いたように見える。
アラゲハンゴンソウ(ルドベキア・ヒルタ)粗毛反魂草〉
 キク科、名前の通り、茎や葉など全体に粗い毛が生えているのが特徴。特定外来植物には指定されていませんが、同じキク科でよく似たオオハンゴンソウ、オオキンケイギクは、特定外来生物に指定されているので気を付けてほしい。夏の黄色い花は、似ているのが多くややこしい、よく目立つが外来種が多いので注意が必要だ。
ユリ
 多くのユリの花が咲いている。すごく華やかでいい香りを放っている。オリエンタル・ハイブリット系は、ヤマユリ、カノコユリ、サクユリ等の日本原産の幾つかの種が交配されて作出されたものである。もともと日本はユリの国で、シーボルトが持ち帰って有名になった。オニユリが咲いていた。多くのむかごを付けていた。ユリの仲間でむかごを作るのはオニユリだけである。
マンリョウ
 冬に赤い美をつけて、お正月の縁起物として親しまれているマンリョウが小さな白い花を咲かせていた。いつも実ばかり見ていて、花は初めて見た。
オオアブラギリ
 まだ青いが大きな実を付けていた。この実は、工業用の油として利用されていた。実を割って、触ってみると、あまり脂っぽくなく、すぐにサラッとして乾いた。
 葉の葉柄の上部には、柄のない蜜腺一対あり、アリがやってくるが、蜜は少ない。たくさんの蜜を作るのは得策ではない。アリが蜜だけで満足せず他の害虫食べてくれればいいのである。
ベゴニア
 一株に雄花と雌花がある雌雄異花同株である。雄花雌花がよく似ている。蜜はなく、花粉のみである。雄花には花粉があり、虫を呼ぶことができるが、雌花には花粉がないので、雌しべを雄しべに似せて虫を騙して呼びよせる。「花は虫を騙す。」というベゴニアの素晴らしい作戦である。しかし、横から花を観ると花の下に子房があるので、違いはよくわかる。
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針葉樹林
モミ
 クリスマスツリーのイメージがあり、外国の樹木と思っていたが、実はマツ科で日本在来種である。葉先がM字に2裂し鋭く尖り、触ると痛く、吸盤のように枝につく。
ツガ
 マツ科でモミとよく似ている。枝が茶色く、葉の長さが揃っていない。葉柄がある。松ぼっくりのような実をつける。
レバノンスギ
 スギという名であるがマツ科である。利用価値が高いため伐採され、現在では希少な樹木である。レバノンの国の象徴として国旗に描かれている。
カヤ
 イチイ科。枝や葉をちぎるとグレープフルーツのような香りがする。葉は硬く先端は針状に鋭く尖り触ると痛い。
チョウセンマキ
 同じ木から形の違う2種類の葉が出ている。イヌガヤを台木として栽培された園芸品種なので、先祖返りしたそうだ。カイヅカイブキでもよく見られる現象らしい。

 醒井に行かなくても植物園でも見られるバイカモを見て、四季彩の丘の方面へ行く途中、ピンクのタキユリがきれいに咲いていた。

四季彩の丘
 日陰になって涼しい風が通り抜けるヒョウタン棚のところで、ハスの説明を受ける。ヘビウリの涼しげな花が咲いていた。
ハス
 今日一番の見どころの花、「蜂巣(はちす)」。花の開閉を3~4日繰り返したあと、花びらが散る。
  (1日目)早朝ツボミから開花
  (2日目)早朝開花、一番きれいな時、花托は黄色
  (3日目)早朝開花。
  (4日目)花弁がバラバラと散る。花托は緑色になる。
 何日目の花かを観察する。葉は水をはじく効果があり、これをロータス効果という。この効果を利用したのがヨーグルトのふた等である。ハスの茎の繊維から糸が作られる(蓮糸)、この糸で中将姫が織り上げたのが當麻寺の當麻曼荼羅であるらしい。
双頭蓮
 通常、ハスの花は1本の茎に1つの花を咲かせますが、10,000本に1本の確率で、1本の茎に2つの花を咲かせることがあります。大変珍しいことから古より吉祥または凶変の兆しとされるらしい。吉祥であることを願いたい。
キョウチクトウ
 落ちていた花で雄しべ雌しべを観察した。雌しべの柱頭が雄しべの内側に合着してしまっている。このような構造のためにめったに受粉ができない。 
 全草有毒で、枝を箸や焼き鳥の串に使って死亡した例もあるので注意が必要だ。葉の裏側の気孔は毛で覆われたくぼみの中に隠れているので、乾燥や排ガスから守られるので、街路樹等によく植栽されている。
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(写真はクリックで大きく表示されます) 
生態園
ツユクサ
 1日花であり6本の雄しべがあるが、3種類ある。花弁に近いところに蝶のような形の雄しべが3本(X字形)、中ほどにYを逆さまにしたような雄しべが1本(Y字形)、その下に前に突き出した雄しべが2本(O字形)ある。

 集合時間が迫ってきており、他にハンゲショウオウゴンユリハグロソウヤマユリサクユリ等を大急ぎで観察して回った。

 暑い中、参加された皆様お疲れさまでした。そして汗をかきながら、案内していただいた大川内さん、高橋さん、ありがとうございました。まだまだ暑い日が続きますが、皆様、お体ご自愛下さい。(文/A.N.)

研修会 6月21日(火)「季節の植物観察/梅雨に咲くアジサイやハンゲショウ」の報告

参加者:会員25名、天候:曇りのち晴れ、気温;29℃
案内役:齊藤ちづみさん、澤田章夫さん

 集合時は曇りでしたが、気温、湿度ともに高くて蒸し暑い中での観察会になりました。大川内リーダーから「急に暑くなり梅雨が明けたような天気ですがアジサイを主として回っていきたい。水分補給をしっかりしてください。」とのあいさつがあり、2班に分かれてスタートし、澤田班に同行しました。

 ➀ 以前よりシマモミ前のトケイソウが少なくなってしまったとのことだったが2輪咲いていた。雌蕊が時計の長針、短針、秒針に、花弁と蕚が文字盤に見えるのでトケイソウ。上を向いていた雄蕊を触ると葯が下向きになった。帰りに確認したが下を向いたままだった。
 ② キキョウは秋の七草だが6月から咲き始める。雄性先熟であり、みんなで雄蕊だけが出ている花、雄蕊が終わって雌蕊が出ている花を探した。
 ③ 澤田さんの家で6月に咲いている花をスケッチで見せてもらったが上手。ガクアジサイ、ハンゲショウ、ドクダミ、キンシバイ、ハナショウブ、ツユクサなど
 ④ レースのマント(菌網)を持つアカダマキヌガサダケが1本だけ生えていた。菌網のない傘と茎だけになったアカダマキヌガサダケがたくさんあった。臭いと聞いていたので匂いを嗅いだがわからなかったが傘の部分にはショウジョウバエがたくさん止まっていたので臭いのだろうと。帰りに見ると菌網はもうたたまれていた。一方で新しいアカダマキヌガサダケが生えていたのにはびっくり。
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 ⑤ 植物展示場にアジサイの鉢植えがあり、「隅田の花火」「ダンスパーティー」「ガクアジサイ」「アナベル」を始め、シーボルトが妻のお滝さんの名をつけた「オタクサ」、アジサイの作出に力を入れている桂高校草花部の「ちちんぷいぷい桂の地球(ほし)」の展示もあった。
 アジサイの学名、ハイドランジアは水と器のことで果実が水を入れる器に似ていることが由来。アジサイは種は非常に小さく、種から育てると3~4年かかる。
 ⑥ ボダイジュの花は終わっていたが三大聖木である仏陀が悟りを開いた菩提樹はこのボダイジュではなくインドボダイジュ(クワ科)で寒い地域では育たないが一心寺では冬は囲いを作って育てているので見られること。また、他の聖木は仏陀がこの木の下で生まれた無憂樹、この木で囲まれた中で亡くなった沙羅双樹。なお、これらは京都府立植物園の温室に植えられている。
 ⑦ ハマクサギの花は終わりかけで黄色い花が残っていた。最初は白い花だそうである。このように花の色が変化についての説明があった。理由としては3つあり、土壌や肥料で変わる(アジサイ、マツリカ、ランタナ)、温度や老化で変わる(ハコネウツギ、スイフヨウ、パンジー)、紫外線量や先祖返りで変わる(スイカズラ、ペラペラヨメナ、マーガレット)。
 ⑧ ホソバイヌビワは雌雄異株でイヌビワコバチとの共生関係がある。雌が雄花序に入って産卵し、成虫になったら交尾して雄は死ぬ。雌は花粉をもって外に出て雌花序に入ったら受粉するが産卵できずに死ぬ。雄花序に入った雌は産卵する。
 ⑨ ドクダミの花は花弁のない集合花で基部の白い花弁に見えるのは蕚。ドクダミにも種類があって八重や斑入りがある。ドクダミは万能薬。ドクダミの周囲50cmを掘ると根は31mもあるとのこと。
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 ⑩ ササユリの花は終わっていたが写真で見せてもらった。ユリの種類は北半球で100種類、そのうち日本には15種類。シーボルトが日本からカノコユリなどをヨーロッパで紹介してから人気となった。明治時代末に輸出球根がヤマユリからテッポウユリに変わり1937年にピークを迎え全種類で4千万球輸出し、世界の需要の90%を日本のユリが占めていた。輸出額は生糸について多かったとの説明があった。
 ⑪ シチダンカはヤマアジサイの一種で、シーボルトが紹介したが、その後は発見されずに「幻のアジサイ」と呼ばれていたが、昭和34年に六甲山で発見された。装飾花は八重咲きで、それぞれの萼片が剣状に尖り、綺麗に重なって星状に見えるのが特徴。
 ⑫ ハナショウブはノハナショウブの園芸種で江戸系、伊勢系、肥後系などの系統がある。
ハナショウブの外花被片の基部は黄色い筋模様、アヤメは網目模様、カキツバタは白い筋模様。生息地としてはハナショウブが池や沼の水辺、アヤメは乾燥した場所、カキツバタは水の中。
 ⑬ ハスは春に芽を出して水面に葉をだす。はじめは浮葉になるがのちに水面よりも高く出る。花芽がでて、花は早朝に咲き昼には閉じることを繰り返して4日目には散る。花後は花托の穴の中で実を結ぶ。
 ⑭ ハンゲショウは半夏生のころに花をつけるから、葉っぱの半分ほどが真っ白な白粉を塗った様子から「半化粧」とも。また、葉を白くして虫を呼ぶが受粉が終わると元の緑に戻る。奈良の御杖村の岡田の谷の半夏生園が有名とのこと。関西ではタコを食べるが田に植えた稲がタコのように地に根付いて豊作になることを祈り、田植えを終えるとタコを肴に一杯飲んでお互いの労をねぎらうとのこと。
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 その他説明があった樹木など。
 シナノキ三兄弟であるヘラノキボダイジュシナノキツクバネネズとの半寄生。世界三大美幹木はヒメシャラアオハダで残りはシラカバ。ノグルミの花は雌花を囲んで雄花があって雌花の上にも雄花。蟹の爪のようなキノコ、カニノツメ。光で色が変わるコンテリクラマゴケ。バクチノキの1年。

 最後に澤田さんからのクイズがあった。アジサイの別名は8種類、「七変化」、「八仙花」「四片」「手毬花」「またぶりぐさ」「オタクサ」「額花」「本紫陽花」。アジサイの開花は西から。紫陽花の植えるのに適した場所は日当たりと風通しがよい場所。色の変化は土が酸性だと青色になる。また、木はどこまで高くなれるのかとのクイズ。蒸発の力で引き上げられる水の高さは理論上140mが限界。世界一高い木はセコイアの115m。日本は花脊の三本杉で62m。
 12時40分ごろに集合して解散。午後からの希望者による観察会は暑いこともあって自主観察となった。   (文/三輪)

研修会 5月14日(水)「季節の植物観察/初夏の樹木と花たち」の報告

 参加者:28名(会員26名・一般2名)、天候:晴晴時々曇、気温:28℃
 案内役:岡かおるさん・海老原緑さん。時間:10:00~12:30

 朝から温度が上がって初夏になったような暑さになり、参加者の皆さんの服装も軽やかになったように感じます。朝の挨拶後、2つのグループに分かれてスタート。私は海老原さんのグループに入りました。「京都植物園でしか見られない植物を紹介したいと思っています」と、ここで長年ボランティア活動されている方ならではの思い入れのある言葉ではじまりました。
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ジャーマンアイリスはカキツバタやアヤメに比べて花が大きくて華やかで、色とりどりの花を咲かせています。花弁の付け根にはブラシのような毛があるのが特徴だそうです。
アイスランドポピーは、ケシ科。種子が「芥子粒」と言われる意味を理解するために道端で雑草として生えているナガミヒナゲシを用意されて来られました。「種はどこから出てくるのでしょう?」疑問を投げかけられて、皆で観察。「この花の面白いのは、種子が熟すと鞘の上部の蓋が開いて茎をゆらゆらと揺らすとタネがいっぱい出てくるのです。」と言う答えに、「ものすごいメカニズム!」と感嘆し切りです。これでよく目にするオレンジ色のナガミヒナゲシが広がって増えているのがわかりました。
ボリジの青い星型の花は、ハーブティーや料理の飾りや砂糖漬けに利用されて食べることが出来ます。
アヤメの密腺のゲートにもなる模様でカキツバタやハナショブと見分けるのは図で説明してもらいました。
食草園ではユズの葉にイモムシ(アゲハの幼虫)を発見。幼虫は4,5回脱皮した後蛹になり、蝶になるという事ですが、先だっての岡さんの講座もありイモムシもすっかりお馴染みになりました。
カラスノエンドウはどこでも生えています。赤とピンクの花もまだ綺麗に咲いていますが、緑色のマメ(実)もついています。ここでも用意してくださったのは、真っ黒のマメです。カラスノエンドウの名前の由来は、このマメは季節が進むと黒くなってカラスを連想されることからだと言う事です。これも熟して黒くなると、簡単な振動で種を遠くまで飛ばすそうで、もう黒い莢が捻じれて中の種はありません。捻じれた形も面白いですが、このタネを飛ばす仕組みもすごい!
フタバアオイは、平安時代の装束を身にまとった人々が練り歩く葵祭にアオイの葉とカツラをと組み合わせた「葵桂」と呼ばれる飾りを祭りにかかわる人達が身につけたりすると言う事ですが、何年か前の研修会日とは重なったので、京都御所から下鴨神社を経由して上賀茂神社へと向かう途中の道のり、皆で見に行ったという話も交えて話されました。
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キツネアザミの花が咲いていました。この名前は花の姿がアザミに似ているが、アザミと違って葉は柔らかくトゲも無く、キツネにだまされた!ということからです。大川内が説明しました。
ヤクシマシャクナゲは、長楕円形の葉の裏側はビロード状の褐色の綿毛に覆われて葉の縁が裏側に丸まりやすいという特徴で、ホンシャクナゲは、葉の裏が灰白色で触った感じは少し毛が少ないという違いがありました。
ケイカ(瓊花)は、4月24日の「西大寺から唐招提寺を巡る」の例会に行かれた方は、白い花を楽しめたと思います。中国の高僧・鑑真和上の故郷である揚州を代表する花で、唐招提寺の開祖である鑑真とゆかりがあり、京都植物園には京都フラワーセンターから来たそうです。満開で圧倒されるくらいの迫力がありました。
コヤスノキはトベラの仲間で、ちょうど淡い黄色い花を咲かせています。なんの変哲もない植物に見えますが、じつはとても珍しい植物です。日本には兵庫県南西部から岡山県南東部にかけての山地にしか分布していないからで、牧野富太郎博士によって世界に発表されました。安産のお守りとすることもある「子安の木」だそうです。秋にどんな実をつけるのかが楽しみです。

 海老原さんの優しい口調の説明とタネの飛ばし方が理解できるようにと用意されたナガミヒナゲシとカラスノエンドウがとても印象に残りました。動けない、変化しない植物に見えても、実は生きていくための工夫をしているのだと言う事がわかって、自分もしっかり生きていこうという気持ちになりました。
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その他の植物:オオアブラギリバイカウツギアブラチャンハクウンボクミズキカワセミソウチョウジソウエゴノキハナイカダツクバネトキワマンサク

 午後からは希望者でバラ園を観て回りました。案内はバラに詳しく、また今年の京都府立植物園の薔薇コンテスト2部門で優勝された徳永さんに御願い致しました。バラ園は満開で見事でした。徳永さん優勝のバラの写真をご覧ください。徳永さんから、「薔薇コンテストで優勝できたのはマンションでは雨にも会わずに綺麗に出展できたからです」とのコメントがありました。   (文/大)