参加者:36名(会員33名・実習生3名) 天候:曇り 気温:28℃
案内役:齊藤ちづみさん・松山美紀子さん 時間:10:00~12:30
曇が多くどんよりとして、もうすでに汗ばむような暑さです。こんなお天気の中ですが、本格的な梅雨に入る前に植物観察を楽しもうと多くの会員が集まりました。今月の案内役お二人と実習生を紹介した後、2班に分かれました。私は齋藤さんの班に入りましたが、「この時期は樹に咲く白い花が多いです。」と言うご挨拶でスタートしました。
① メリアンサス・マヨールの下で隠れるように大きな真っ白の「オオシロカラカサタケ」が見えました。後ろに回ってみると、褐色に変色したものも新しいファミリーが出ていました。ちょっと、突如現れた!という感じで皆さんも驚かれていました。
② シナノキは、淡黄色の小さな花を下に垂れ下がるようにたくさん咲かせています。甘い蜜の香りに誘われて周囲をミツバチやクマバチが飛んでいます。この樹皮から作られる帽子は、古代から受け継がれる伝統的な工芸品で非常に丈夫で通気性がある夏用の帽子として人気があるそうです。調べてみると気の遠くなるようなお値段でした。8万円。
③ ビロードモウズイカのライフサイクルは2年。1年目は地面に葉を広げ、2年目に高さ1〜2メートルほどの棍棒状の花穂に黄色い花を密生させて独特の迫力を生み出します。そのモコモコした質感が威圧感や不気味さを与えますが、こう見えて、葉や花が鎮咳や収斂、鎮静作用を持つ薬草として利用されることもあります。
④ メラレウカは、ほのかな香りを漂わせてふんわりと広がって咲いているみたいです。細く長い多数の雄しべが束になってブラシのように見える白い花の姿はとてもユニーク。
⑤ 京都植物園で見られるシデ類は、アカシデ、クマシデ、サワシバ、イワシデなどです。このシデ類は、「葉脈や垂れ下がる果穂につく羽根状の葉「果苞」のつき方や形で簡単に見分けることが出来るので、それぞれの特徴的なポイントを押さえて観察してみましょう。」と、言われましたが・・。
⑥ クマノミズキの枝は、始め緑色だが、実がなる頃には赤くなるのは何故でしょう?と、問われたのは、多分、鳥たちに実を目立たせるようにするためでしょうね。
⑦ 竹林に行って美しいレースの「アカダマキヌガサタケ」を探しました。すでに倒れていたのでガッカリしましたが、近くで高橋さんがタマゴ(幼菌)を発見。ここから数時間〜半日で純白の柄を伸ばし、マントのような美しい網(菌網)を一気に広げるようです
⑧ ナツツバキとヒメシャラの見分け方をわかりやすく説明してくださいましので、よく分かってはっきり区別がつきました。樹皮は、ナツツバキ:薄く剥がれた部分がまだら模様のようになる。ヒメシャラ:赤みを帯びた褐色で、ナツツバキよりツルツルした幹肌に見える。葉っぱは、ルーペや手で触って確認。ナツツバキ:葉の裏は無毛でツルツルしており、葉脈がはっきりくぼんでいる。ヒメシャラ:葉の裏の葉脈に沿って細かな毛が生えている。見分けもわかると嬉しいですね。
⑨ カンコノキの花は小さく目立たない淡緑色ですが、夜に開いて匂いを放ってハナホソガを誘引。ハナホソガは雄花から花粉を集め、雌花に運んで受粉させた後、花房に産卵するということです。お互いに相手の存在なしでは繁殖できないほど強く依存し合った「絶対送粉共生」と呼ばれる関係だそうですが、植物が貴重な種子を幼虫のエサとして提供する? とても不思議です。植物が長年かけて築き上げた驚異的な共生のメカニズムについて、もっと詳しく調べてみたいと思いました。
⑩ 一般的な植物の多くは、雄花と雌花がそれぞれ独立して咲きますが、ノグルミは一つの花穂の先端に雌花、その下や上に雄花をつけるというユニークな形をしているのを見ました。面白い!不思議!
⑪ 水草のカンガレイは三角形の緑の棒のような植物。よく似たサンカクイはどちらも茎が三角形をしていて花もよく似ています。区別点は花を見れば簡単で、花に柄がついているのがサンカクイで、柄がないのがカンガレイです。
⑫ ようやくアジサイ園まで来ました。美しく涼しげなハンゲショウの説明です。「ハンゲショウ」の名は、夏至から11日目を72候の半夏生ず(はんげしょうず)と呼び、その頃に花が咲くためとする説と、葉の一部を残して白く変化する様子から「半化粧」とする説があります。この「半夏生」までに田植えを終わらせるのが良いとされていて、地方によって異なりますが、大阪ではこの日にタコを食べるという食文化があるそうです。花が咲くと花穂のすぐ下の葉が白く変わります。虫媒花であるため、葉を白くして虫に花のありかを知らせるためではないかと言われています。
⑬ アジサイもこの季節では一番身近な花です。花のつくり、シーボルトなどがガクアジサイを持ち帰って品種改良が盛んに行われ、多様な品種を持つ「西洋アジサイ」として日本に逆輸入されているという話、ヤマアジサイとの違いは装飾花の量も少なく、枝や葉も細く、全体に華奢な印象と言う話を聞きました。土壌によって花の色が変わるという話もありました。
⑭ カンカン照りではなかったので、事務局の判断で短縮ではなく「フウ」の木で12時30分に解散と決まり、大急ぎで「フジキ」を見て、ニワウルシの下のカジノキの実生を観察しました。ここでクイズです。「この植え込みには鳥や風で運ばれたのか、いろいろな芽が出ています。みなさんはどれかわかりますか?」ヒントは10種類です!
⑮ 答えはユキヤナギ、ナギイカダ、カジノキ、カラスウリ、シロダモ、マンリョウ、ヘクソカズラ、ナツヅタ、ニワウルシ、エノキ。
今日はたくさんの植物をじっくり観ました。齋藤さんのお話から観るべきポイントを教えて頂いてルーペやスマホの拡大写真を見ながら楽しみました。皆さんも時間も暑さも忘れるくらい熱心に観察されていたのが印象的でした。(文/大)


