ついこの間まで春爛漫の穏やかな季節だったのに、急に初夏を思わせる暑さ(最高気温34℃)となりました。朝の集合時間にはもう日差しが強く感じられ、急遽シマモミの木陰に移動して朝の挨拶を行いました。
 今月の案内役は、岡かおるさんと海老原緑さんです。参加者は会員31名・実習生3名の計34名でした。今回は海老原班の報告をします。
 優しく落ち着いた語り口で定評のある海老原さんですが、今日も優しい声で3つのテーマを提示されました。①京都東山の山々では、今はシイの木の花で満開。遠くから見ると、カリフラワーのようにモコモコとした花の姿が見られます。その姿を植物園でも観察します。②アヤメ・カキツバタ・ハナショウブの見分け方を紹介。③5月15日は京都の三大祭りの一つである葵祭の巡行がありました。その葵祭で使われた、カツラフタバアオイを紹介します。
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 まずは、ワイルドガーデンのドイツアヤメ(ジャーマンアイリス)、花弁の付け根にブラシのような毛があるのかこの花の特徴です。先月は満開でしたが、もう終盤でした。食草園では、アリストリキア・ヴェストランディー(ウマノスズクサ科)に大きな奇妙な形の花が咲いていました。ジャコウアゲハがこの葉に卵を産みます。残念ながら幼虫は見つかりませんでした。このツル性の木は中国原産ですが、日本ではウマノスズクサが生えており、ジャコウアゲハが卵を産み付けます。この植物の葉には毒がありますが、幼虫はその毒を体に貯め込んで、捕食者から身を守ります。チョウになってもその毒は体内に残るため、捕食者がいません。そのため、フワフワとした柔らかい飛び方をするそうです。余裕の飛び方ですね!!
 アヤメの見分け方説明。アヤメは5月上旬に咲き、畑など水のないところで育ちます。花弁には黄色い網目模様があります。カキツバタは、5月中旬ごろに咲き、花弁に白い筋があります。水中や湿ったところで育ちます。ハナショウブは、6月上旬頃に咲き、花弁に黄色の筋があり、水辺の近いところで咲きます。カキツバタとハナショウブは見ていません。コブシの木には、きれいな緑の葉が茂っていましたが、よく見ると毛虫?がたくさんついていました。葉柄と主脈だけになって丸坊主になっている葉もありました。何よりビックリしたのは、上からボトボトと幼虫が落ちてきたことです。この正体はコブシハバチの幼虫で、人間には毒性はありません。しかし、モクレン科の樹木を丸坊主にするとのことです。
 先ほど紹介されたカツラには、小さなバナナのような果実が付いていました。フタバアオイと共に葵祭に使われ、牛車や参列者の装束に飾られています。参加者の中から「それはどんな意味があるのですか」との質問があり、別の参加者から「桂は陽」、「葵は陰」を表し、天と地の調和や神様との結びつきを祈る意味が込められているとの説明がありました。なんとなくわかったかな…。
 生態園の入り口では、ハマクサギの黄色い小さな花が咲いていました。葉を触ると、ゴマのような匂いがしましたが、クサギのような臭い匂いではないです。地面に白い花がたくさん落ちていた。最初どこに咲いているのか分からなかったのですが、ずっと上を見上げるとエゴノキでした。皆で花を拾い、花弁が何枚あるか確かめました。基本形は5枚だが、4枚や6枚のものもありました。実にはサポニンを含んでいるのでえぐい木が訛ってエゴノキという名前になったそうです。フタバアオイは地面を這うように群生しています。葉をかき分けて見ると、フタバの股の間からが付いていました。徳川家の家紋の3つ葉葵は、このフタバアオイをモチーフにしたものです。
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 ホンシャクナゲヤクシマシャクナゲの葉の裏の比較。どちらも葉の表は無毛でやや光沢がありますが、葉裏には毛が蜜に生えていました。特にヤクシマシャクナゲは、ビロード状の毛が密集し、ふかふかでした。残念ながら花はもう終わっていました。イヌムラサキシキブは、ムラサキシキブとヤブムラサキの自然交雑種。葉にも花にも星状毛があるそうです。ルーペで確認すると毛がたくさんありましたが、星状毛かどうかは確認できませんでした。一般的なルーペではそこまで見えないですね。
 時間が来て駆け足で正門付近に移動。スダジイが咲いていて、遠目には黄色い雄花がブロッコリーのような姿に見えました。この花には独特の臭いもしていました。虫媒花なので、この香りで虫を呼んでいるらしいです。ドングリの赤ちゃんがどこにあるのか皆で探したら、数は少ないけれど見つかりました。開花から翌年の秋にドングリになります。そして時間切れとなりました。
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 今日は暑さのため、いつもより30分早く終了となりました。そのほかに観察した植物など。スイカズラアブラチャンヤブタビラコアメリカシャクナゲ(カルミア)満開、ヒモワタカイガラムシなど。 (文/やよい)