参加者:32名(会員23名・一般9名)、天候:晴、気温:24℃
案内役:齊藤ちづみさん・岡かおるさん。時間:10:00~12:30
朝から温度が上がって春から一気に初夏になったようになり、参加者の皆さんも上着を脱いで衣服調整をされていました。朝の挨拶後、2つのグループに分かれてスタート。私は岡さんのグループに入りました。
① 先日まですぼんでいたのに、気温が高くなったのでチューリップも色とりどりに形よく開きました。花は暖かくなった陽気の中で、あっという間に咲いては、さっと散ってしまいますが、開閉を繰り返している間は生長を止めないそうです。
② 「地面に咲いている野草を見てみましょう!」と、飛び石を渡って観察開始。ホトケノザは花の形をよく見ると、小さなハート型におしゃれな模様が付いています。茎は四角。「この赤い蕾は何?」。これは閉鎖花と言って、繁殖のために蕾のまま結実するそうで、昆虫がいないなど条件が厳しくても自家受粉によって種子を作るという、すごい戦略を持っているという説明を聞きました。
③ 普通によく見るタンポポも花と見えるのは花の集まりで、頭花と呼ばれる花の集まりは200程もあるという話に驚きました。花の付け根の部分をよく見ると総苞片がくるりと反り返っているのはセイヨウタンポポで、明治の初めのころに日本にやって来て、次第に各地に見られるようになったようです。爆発的に増えたのは、まず乾燥に強い、雨でも咲く、開花結実期間が長い、受粉をしなくても種子ができる単為生殖の仕組みがあるからです。しかし、在来のカンサイタンポポも、京都植物園などしっかり場所を確保している所は今も健在で咲いているのを見かけます。お互いに棲み分けして生きて行って欲しいですね。
④ その他ノジスミレ、コハコベ、カラスノエンドウ、オオイヌノフグリなども小さな花を咲かせていました。
⑤ いろいろなチョウが花に誘われて飛び始めたようです。ルリタテハは、黒地に鮮やかな瑠璃色の帯が美しいチョウ。テングチョウは羽を閉じると枯葉色。ウラジロシジミの雄と雌の色の違いなども教えてもらいました。
⑥ メタセコイアのきれいな三角の樹形やぶら下がっている雄花を説明されている時に、2羽のカラスがタカを追い回しているのを目撃。縄張り争いでもしているのでしょうか。カラスは賢くて、カマキリの体にハリガネムシが入っているのを知っていて、捉えたカマキリを水の中に漬けてハリガネムシが出てから食べ、その後そのハリガネムシも食べたのを見たそうです。なんとも言えないようなおぞましさです。
⑦ ヤブツバキの花びらについた黒い爪痕を見ました。これはメジロが止まったあとで、花の底の蜜を吸いに来ます。この花びらに鳥の訪花を誘う仕組みがあって、「密を吸いに来た鳥の体重を支えられるように作られていますよ!」と言われたので触ると、確かに花びらは硬くて丈夫でした。
⑧ シキミの花が咲いて、お線香のような良い香りがしています。実は猛毒だけれど、ヤマガラは食べるという話は何度聞いても大丈夫なの?と首をかしげたくなります。そこから目を向けると遠くからでも目立つくらい赤いベールを被ったような木が見えます。ハナノキです。葉が芽吹く前に赤い花が咲くことが由来で、長野県、岐阜県及び愛知県の一部地域にのみ自生する日本固有のカエデと言う事です。京都植物園のお宝ともいえる木は、この木とアジサイ園にある「フウ」と言われましたが、確かにどちらもヘリテージツリーにふさわしい風格です。
⑨ アオキの果実に着いたビークマークの話も面白く、生き物がとても身近に感じられます。
⑩ ヒュウガミズキとトサミズキの葯の色の違いを見て、生態園に入って満開のゴモジュに来ました。葉や花からゴマの香りがします。
⑪ ヒカゲツツジは別名が「サワテラシ」と言われる日本固有のツツジ。数あるツツジ類の中でも唯一黄色い花を咲かせます。上側裂片に緑色の斑点があるのが蜜標です。雄しべから花粉を出しています。先端にある葯の先に穴が開いており、花粉が糸を引きながらへばりついてくるのは、来訪する昆虫の体に付着しやすいための工夫なのだそう。
⑫ 歩いていてもバイモやキバナイカリソウなど、この何日かで一気に咲き出した花で大賑わいです。大きさは7~8cm位の可愛いトガリアミガサタケも見つけました。「出会えたね!」って、声を掛けました。
⑬ ショウジョウバカマやモミジチャルメルソウも咲き始めですね。今年は少し遅めです。
⑭ 目を惹くような鮮やかな赤のユキツバキが咲いています。特徴ですが、日本原産の椿には一般的に「やぶ椿」と「雪椿」の2種があります。その違いは雪の重みで押しつぶされても折れないしなやかな枝を持ち、地面を這うように広がる樹形もそうですが、花糸(おしべの軸)が黄色く、根元が合着せず1本ずつバラバラに分かれているところです。先ほどのヤブツバキを拾って持ってきたので比べてみます。ヤブツバキは花糸が白く、根元がくっついていました。
⑮ ラストスパートで、なからぎ神社まで来ました。アラカシに泡? 正体は「チュウゴクアミガサハゴロモ」。枝にしっかり着いている白い綿のようなものは、卵の上に被さるロウ物質で、この白い綿状のものを取り除いても卵は残るそうです。
⑯ 最後はチョウジザクラです。日本に自生する貴重なサクラの原種(野生種)の一つです。
花を横から見た形が丁字に似ているために名前が付けられました。花は下向きで,花弁もソメイヨシノなどに比べると小さく,開花していてもあまり目立たないので人気が無いのでしょうか?華やかさがないので余り見向きされない様子ですが、私は一番好きなサクラです。
ブログでは岡さんのお話を全部紹介できませんが、普段あまり考えない植物と昆虫や鳥の関係を交えた話に繋がりを強く感じました。午後からは京都植物園でサクラガイドもされている高橋弥生さんとご一緒に桜の話を聞きながら回りました。(文/大)


