参加者:32名(会員29名・実習生3名)、天候:晴、気温:23℃
案内役:齊藤ちづみさん・岡かおるさん。時間:10:00~12:30。
 5日程前は冬に逆戻りしたような寒さでしたが、この2、3日で一気に春がやって来ました。園内は開花が遅れていた梅が満開、同時に早咲きの桜が咲き出しまさに梅と桜の競演です。そんな春の暖かな日差しの中で、観察会が行われました。全体リーダーの大川内さんから「春の芽だしの季節です。春を感じ取ってください」との挨拶でスタートし、岡さんチームに同行しました。岡さんと言えば虫や鳥に詳しく、植物との関係性を交えながら、わかりやすく興味が湧くよう説明してくださいます。
250324-1_01
① 桜「オカメ」は満開です。カンヒザクラとマメザクラの交配種で、可憐なピンク色で豆桜のようなかわいい花姿です。この桜はイギリス人のイングラムさんの作出で、日本に逆輸入されて来ました。「なんでこんな名前がついたん?」との皆の疑問に、「日本の美人の名前と言えばおかめさん!」と聞き、この名前がつけられたと参加者からの話でした。
② 彬姫桜(あきひめざくら)は、桜守である第16代佐野藤右衛門さん作出で、門外不出の桜を植物園に寄贈されました。彬姫とは、三笠宮彬子さまの名前から付けられました。
③ 食草園の向かい側に2本の幼木を発見。岡さんの話では、昨年伐採されたキハダが新たに植えられたとのこと。園からキハダが無くなってしまったことを残念に思っていたのですが、一安心です。キハダの冬芽は葉柄内芽で、かなり上の方に冬芽があり見えませんが、写真ではわかるようです。葉痕は大きくて確認出来ました。ミカン科なので、アゲハチョウの幼虫はこの木の葉を好んで食べるそうです。
④ 遠めに見るとハナノキの枝が赤く染まっています。枝全体に花が付いているのです。近寄っても花が小さすぎてよくわかりません。ムクロジ科でカエデの仲間です。紅葉の時期には、真っ赤に色付き見事だそうです。ちょうどその時鳥のさえずりが聞こえ、これはイカルの声だと教えてももらいました。
⑤ トサミズキヒュウガミズキの黄色い花が満開。よく似た花ですが、トサミズキの方が枝や花序が大きく、葯(雄しべの先端袋状の部分)が赤で、ヒュウガミズキは全体的に小ぶりで葯は黄色です。漢字で表すと土佐水木と日向水木と書きますが、日向とは宮崎県のことではなく、明智光秀の領域にこの花が多く自生し、光秀の官名である「日向守」から来ているとの話でした。春は黄色の花が多く、この花にもビロードツリアブが蜜を吸いに来る。それを見ると春やな!と感じると岡さん。
250324-2_01_01
⑥ カリンの木に蜘蛛の巣がありました。クモが居ると教えてもらいましたが、肉眼では小さなゴミにしか見えません。ゴミグモの仲間でこれはギンメッキゴミグモです。普通クモは下向きにとまるのですが、このクモの特徴は上を向いてとまる事です。でも見えなかった!写真をお楽しみに。近くに下向きにとまるゴミグモもいました。
⑦ ヤブツバキはツバキの原種です。赤い花をたくさんつけていますが、花が横向きに咲くのはなぜでしょう。鳥が止まりやすいように横を向いている。蜜を吸いに来た鳥が、花粉をいっぱい顔につけているのを見たことがありませんか。メジロやヒヨドリが上手に蜜を吸うそうです。日本のツバキの原種はもう一つ、ユキツバキというのが有ります。日本海側が自生地で、花は平開して咲きます。
⑧ ショウジョウバカマは花序からピンクの花を咲かせていました。実生から花が咲くまで約3年かかり、またロゼットの葉の先から小さな芽(不定芽)が形成され、その株からも増えていきます。

 その他にも、ウチワノキシキミセイヨウハシバミヒサカキクロキアセビイヌガシモミジバチャルメルソウダンコウバイなどたくさんの花と、ヒトツバクリハランコモチシダなどを観察しました。
250324-3_01_01
(写真はクリックで大きく表示されます)
 ちょっといつもと違った視点で有意義な時間でした。説明できなかった植物は写真でお楽しみください。                          (文/やよい)