京阪電車石清水八幡宮(いわしみずはちまんぐう)駅に10時集合。会員45名と一般2名の計47人で、11月の例会と同じく大勢の参加がありました。今回の案内役は、歴史散策は中林さん、澤田章夫さん、植物観察は髙橋が担当でした。急に冷え込みが強くなり2・3日前までは最高気温が10℃に満たない冬型の天気でしたので、そんなに多くの人は集まらないだろうと予想していました。当日、駅前の観光案内所でパンフレットを25部もらい皆さんに配っていたら、たちまち足らなくなって追加、そしてまた追加となり、案内所の方は嬉しい悲鳴をあげておられました。
先ずは、八幡宮一の鳥居の前で朝礼。そのあと中林さんから本日のルートや、石清水八幡宮の歴史について説明がありました。裏参道から登り、展望台へ、その後本殿を参拝し、表参道へ降りるルートです。その後は、相槌神社、単伝庵、飛行神社へと参拝します。
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一の鳥居 鳥居の上の扁額「八幡宮」は、「八」の字が双鳩になっています。
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頓宮(とんぐう)・極楽寺跡 回廊に囲まれた一画を「頓宮」といい、毎年9月15日の勅祭「石清水祭」は、京都葵祭・奈良春日祭とともに三大勅祭の一つです。真夜中に松明や提灯の灯りだけで行われる神聖な祭りです。祭りの起源は、僧侶行教が九州の宇佐神宮で神託を受け、この男山で八幡大神を祀ったことが始まりです。863年宇佐神宮に倣って始められた「放生会(ほうじょうえ)」に遡ります。極楽寺は、石清水八幡宮初代別当が883年に建立しましたが、鳥羽伏見の戦いで、焼失しました。
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高良(こうら)神社 860年に建立。鳥羽伏見の戦いで焼失しまたが、明治12年に再建。吉田兼好「徒然草」の話が紹介されました。「ある日仁和寺の和尚が石清水八幡を訪れ、極楽寺・高良寺を詣でた。参詣を済ませ、さて帰ろうとしたときに、人々は山頂を目指して階段を登っていく。が、今回の目的は石清水八幡宮参詣なので帰ってしまった。後で、石清水八幡宮が山頂にあることを知って、どんなことでも、案内人は必要だと痛感した」という話でした。
オガタマノキ、タブの巨木の紹介。イチョウの葉の雑学を披露。銀杏は雄木と雌木がありますが、葉っぱの違いで見分けられるでしょうか。切れ込みのないスカート銀杏、切れ込みのあるズボン銀杏、さてどっちが雄でどっちが雌?正解は葉の形は関係ない。切れ込みのある葉は、強せん定されたため、早く大きくなろうと大きな葉を付けます。そして風の抵抗を少なくするため切れ込みが入るのです。幼木も同じ原理で、切れ込みの葉があるものがあります。この話は、ちょっと盛り上がりました。道中では、ケヤキ・エノキ・ムクノキの葉の違いを観察し、それぞれで同定されていました。タラヨウ・イヌビワ・カゴノキなどもありました。
④ 展望台 澤田さんより紹介。この日は遠くまでよく見え、京都盆地が一望に見渡せ正に絶景でした。木津川・宇治川・桂川の3川合流地点、西から愛宕山、京都タワー、比叡山、宇治平等院等が見えました。遠くは、雪を被った蓬莱山まで見ることができラッキーでした。まだもみじの紅葉が残り、足元にはもみじの落ち葉で大きなハート模様が形取られ、私たちの目を楽しませてくれました。
⑤ 石清水八幡宮 859年空海の弟子であった奈良の大安寺の僧が宇佐神社に参詣したおりに神託を受け、翌年860年に清和天皇の命により創建しました。以来京都の北西にある比叡山延暦寺と対して京都の南西の裏鬼門を守護し、皇室・朝廷より篤い信頼を受けました。また、源氏も氏神として信仰したことから武神・弓矢の神・必勝の神として崇敬されました。創建以来、明治初年の神仏分離までは、多くの宿坊が参道に軒を連ねていました。社殿は3回炎上し、現在の社殿は1634年に徳川家光の造営によるもので、「八幡造り」と呼ばれています。(国宝)
ここで、「はちまんさんの不思議」の紹介。その1斜めを向く社殿。これは参拝の際に神様の真正面を通らないためです。その2見つめ合う一対の鳩。楼門の蟇股(かえるまた)に、向いあう鳩の錺(かざり)金具があり、鳩が少し口を開けているのと、開けていないのがいます。これは、八幡さんのお使いである鳩が、「阿吽の呼吸」で神様を守っています。その3切り取られた石垣。東北の角が豪快に切り取られています。これは、鬼門を封じるために切り取られるように造られました。その4参道に飛び出た石。一ツ石と呼ばれ、昔石畳がなかったころに行われていた走馬のスタート地点。別名「勝負石」とも言われています。その5エジソン記念碑。発明王トーマス・エジソンが白熱電球のフィラメントに適する素材に、この地の竹を使い長時間点灯させることに成功。この功績をたたえて、昭和9年に記念碑が建立されました。不思議は全部で8つあるそうです。
【植物観察2】
境内には、大木の紅白のサザンカが数本あり満開でした。オガタマノキの根元には、1円玉のお賽銭がたくさん置いてありました。この木が、1円玉の裏側のデザインになっていると言われてそうです。しかし、実際は若木をイメージしたもので、オガタマノキとは断言できないようです。樹齢700年のクスノキの巨木がありました。これは楠木正成公が戦勝軍利を祈り植えられたとされています。大木のナギノキもあり、裸子植物であること、海の凪を願うことなどを話しました。
エジソン記念碑前の広場で、一旦昼食休憩となり、この時間は、少し寒く感じました。
⑦ 単伝(たんでん)庵 相槌神社から歩くこと約20分。別名らくがき寺。大黒様に願い事が見えやすいように、壁に落書きが見えるように書き入れる「らくがき祈祷」が出来ます。土日しか拝観が出来ないので、説明を聞き外から眺めました。
⑧ 飛行神社 日本で初めての動力飛行機を発明した二宮忠翁創建の神社。空の安全、航空業界の発展を願います。この神社は、ギリシャ風の建物やステンドグラスの飾りがあり、一風変わった神社です。



