やっと長い夏が終わったと思ったら、急に寒くなった。紅葉もなかなか進まなかったが、ここ何日か一日の最低気温8℃以下が続き、いっきに紅葉が進んだ。今日は天気も良く、最高の紅葉のきれいな研修会日和になった。参加者、実習生3名、一般2名、会員17名の合計22名、案内は、高橋さん、中林で2班に分かれて研修した。

 まずは、ワイルドガーデンの広場で、周囲を見渡してもらった。紅葉、黄葉、緑の木々、青空、とってもきれい、空気もおいしい。(普段、ルーペで花の細かいところを観察しているので、今日は初めに全体の木々、花々を眺めてもらった。)ワイルドガーデンから南の方を向くと、トウカエデの黄葉がとってもきれい。

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  では、ワイルドガーデンの花壇へ、ハボタン、ビオラがきれいに植えられている。ハボタンは、目の形に植えてあるらしい。(大阪万博のミャクミャクを意識しているらしい?)言われてみないとわからなかったが、言われたら、そうかなぁ。ハボタンは、アブラナ科キャベツの仲間で、江戸時代には食用として輸入されたが、その後、観賞用として改良された。葉が重なり、「吉事が重なる」縁起がいいということでお正月に飾られるようになった。
 オレンジ色の変わった形の花があった。これは、南アフリカ原産のカエンキセワタで、火炎のように見えることから、この名がついた。花冠がライオンの耳に似ていることからライオンイヤーとも言われる。葉を傷つけると芳香があり精油を持つ。すぐ隣に同じようなオレンジ色の南アフリカ原産のクリスマスチアー、クリスマスの時期に咲くことから名がついた。つぼみの時の方が、色が濃く、花が咲き始めると徐々に薄くなっていく、花は下から上へ咲く。メキシコ産のチョコレートの香りがするチョコレートコスモスも咲いていた。紫色の葉のサンカクカタバミが目を引く。いろいろなところで咲いている。繁殖力の強さを感じる。

 先ほども記載した北門入って、目を引く正面の黄葉がきれいなトウカエデ、木の下まで行って、上を見上げると、青空と黄葉がマッチしてきれい、木の南側は、陽の光があたり、紅葉、黄葉が混じり何とも言えない眺めであった。
 通路の向かい側に、赤や黄色の可愛い実をつけている木は、ツツジ科のイチゴノキ。イチゴのような果実をつけることから、この名で呼ばれる。可愛い花も咲いており、花と果実が同時に見られる。果実は、年を越し、翌秋に緑から黄、オレンジ、赤へと変化しながら、晩秋に成熟する。いかにも美味しそうな果実であるが、ほとんど味がないらしい。
 アジサイ園の方に進む、途中、カエデの仲間のハナノキがきれいに紅葉していた。高木なので、遠くから眺めると紅葉がとてもきれい。アジサイ園では、シラキが、白味がかった樹皮に紅葉が映える。ツルツルした樹皮が触り心地がいい。カイノキ(楷木)も黄葉していた。別名ランシンボク、中国原産、直角に枝分かれこることや小葉がきれいに揃っていることから楷書に因んで楷木と名付けられた。中国では、孔子廟に植えられており、孔子と縁が深いことから学問の聖木とされており、岡山県の閑谷学校や横浜の金沢文庫にも植えられている。ウルシ科で葉は、偶数羽状複葉、同じウルシ科のハゼノキは奇数羽状複葉である。
 マンサク科のマルバノキは、落葉した後に花をつけていた。利休七選花の一つだそうだが、なんと不思議、二輪の花が背中合わせに一対になって咲いている。(なんでこんな咲き方をするのだろう?誰か教えてください。)
 高木のフウの黄葉も美しい。カエデに似ているが、フウ科でカエデの仲間ではない。カエデの葉は対生、種子は翼果、フウの葉は互生、種子は球状の集合果で全く違う。葉は3裂、モミジバフウは5裂である。葉をちぎると香りがある。昔、高貴な人が、蚕にフウの葉を食べさせ、できた糸で衣服を作ったそうだ。蚕は桑の葉以外の葉っぱも食べるそうだ。

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  次は、世界三大紅葉(ニシキギ、スイバノキ、ニッサボク)へ(生態園の南側に行く。)ニシキギは、北海道から九州まで広範囲に分布、翼がある。よく似るマユミは、翼がない。陽が当たっている所は、鮮やかに紅葉していた。スイバノキ(スズランの花のような花を咲かせることから別名スズランノキとも言う。)は、見事にきれいな赤色の葉をつけていた。ニッサボクもまだ緑が残っていたが、きれいに紅葉していた。(私は、この3本の樹木が同時にきれいに紅葉しているのを見たのは初めてであった。)ニッサボクの仲間のヌマミズキも紅葉していた。高木のラクウショウは黄葉がきれい、別名ヌマスギ、湿地、水辺等に自生している。秋になると鳥の羽のような葉が枝ごと落下するので落羽松(ラクウショウ)と名付けられた。樹齢は長く、中には1000年を超えるものもある。根が湿地の中にあると呼吸ができなくなるので、呼吸根という根を一部地上に出している。メタセコイアと似ているが、葉も枝もラクウショウは互生、メタセコイアは対生である。ラクウショウの近くにフウリンツリバナの赤い果実が5裂し風鈴のようにぶら下がっており、とってもかわいい。ナンテンも赤い果実をたくさんつけていた。
 生態南側へ入ると、ユリノキの黄葉がきれい。果実がバラバラになって、下に落ちていたので、飛ばしてみると、クルクルと回って飛んだ。翼をもっている種子で、風に乗って遠くまで運ばれる。生態園では、トキリマメヒヨドリジョウゴ、カゴノキ、ツルソバ、タラヨウの果実、キクタニギク、キブネギクを、そして森カフェの裏のタイワンモクゲンジの果実を観察した。タイワンモクゲンジの果実は、ピンク色の3室の袋状の各室に2個の黒い丸い種子が入っていた。

 研修会前日にヒイラギの花が咲いており、いい匂いがするとの情報があり、ヒイラギを見に行ったが、その場所を朝に確認したのにもかかわらず、ヒイラギをなかなか見つけることができず、皆さんに探してもらうという不手際があった。(ごめんなさい。)やっと見つけたヒイラギは、モクセイ科で花も香りもキンモクセイに似ている。白い花が満開であった。節分にイワシの頭と玄関に飾るという魔よけの役もある。クリスマスに赤い味をつけるヒイラギは、セイヨウヒイラギで、モチノキ科であり全然違う仲間である。ヒイラギの葉はトゲのある鋸歯が特徴であるが、よく見ると、トゲのある鋸歯は、木の下の方だけで上の方の葉はトゲがない。下の若い葉のトゲは、動物に食べられないための手段である。木が動物に食べられない高さに生長すると(古くなると)トゲがなくなる。これを人間に例えて、「若い時は、いろいろな行動や言葉にトゲが多くあるが、年齢を重ねていくと、トゲが取れて人間性が丸みを帯びてくる。」これをヒイラギ人生というらしい。
 最初のワイルドガーデンでも周囲を眺めたが、また集合場所の芝生の広場でぐるりと回りを見渡した。タイワンモクゲンジの花のようなピンクの果実、ラクウショウユリノキの黄葉が遠くに見え、いろいろな樹木の葉の緑、赤色が混じり合ってきれいな眺めであった。やっぱり、近くで観察することも大事だが、たまには、遠くから眺めてみるのもいいものだ。

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 紅葉があまりにもきれいだったので、11月のテーマの「果実と工夫する種子散布」から外れた観察会になって申し訳なかったですが、最高の天気で短い今年の秋を満喫できた。参加してくださった皆様、高橋さん、ありがとうございました。 (文/A.N