記録的な猛暑もようやく落ち着いたのか、秋の空気に入れ替わったような涼しい朝になりました。本日の研修会は、会員29名と実習生4名の計33人が参加されました。赤對さんが挨拶をされ、今日の講師の新堀さんと讃良さん、実習生の自己紹介の後出発しました(12時30分に森のカフェ前で解散)。
 2班に分かれ、私は讃良さんの班に入りました。先ず京都植物園が100周年を迎えると言う事で、大正天皇即位の時に博覧会会場の利用地となる予定だったという歴史を紐解くお話から始まりました。

240924-1_01
 葉に実がぶら下がったように見えるのはシナノキですが、葉ではなくてヘラ状の苞葉で秋には実と一緒に飛んで行くそうです。仲間のボダイジュとヘラノキのそれぞれの違いを見分けるポイントを並べて説明がありました。
 ワイルドガーデンの中の花も暑さで少なくなっていましたが、そんな中で、山の中でもよく見かけるホトトギスの花が咲いていました。いろいろの種類があるそうで、ここはタイワンホトトギスといって、先でいくつにも枝分かれしたところに花がついています。花の形や模様も特徴的で、このまだら模様が鳥のホトトギスのお腹に似ているのが名前の由来だそうです。
 9月に新エリアとして蝶の幼虫が食べる食草を植えた「食草園 - いもむしのレストラン」がオープンしました。蝶の幼虫や成虫と植物がともに成長する様子を観察できるエリアだそうで、こんな近くで蝶のお母さんや赤ちゃんが見れるのは嬉しいですね。カラスザンショウの木にアゲハの仲間の蝶の幼虫がいるのに気づきました。これから多くの蝶が集まって来てほしいですね。
 まるでイチジクのようなオオアブラギリの立派な実は、有毒のため食用は不可だそう。残念。その下に秋の七草の一つのフジバカマの花が見頃を迎えています。桜餅に似た甘い香りも優しい色合いも好きな花です。よく似ていて山野に多いヒヨドリバナと見間違う事が多いのですが、葉が大きく三つに裂けるのが基本だそうです。
 100年の歴史遺産樹木「ヘリテージツリーズ」の標識があるカツラの葉から甘い香りが匂ってきます。落枝にバナナのような果実が付いていたので殻を割ってみると、小さな種がたくさん入っていました。発芽は望めなくても、歴史を経て生きて来た木です。いつまでも次に生き残っていってほしいと思いました。
 ヤブミョウガは花と実が同時に見られました。一つ割ったタネを持ってきて下さったので観察。角張ったブロックの形をしています。こんな形でも鳥には美味しいのでしょうか? 姿はミョウガに似ていますがツユクサ科です。側にキジカクシ科のノシランヤブランも花が咲いていました。

240924-2_01
 ノグルミ、カラコギカエデ、アブラチャン、アレチヌスビトハギを観察。カンコノキは、緑色の地味な花を咲かせていますが、ここでハナホソガが受粉の時に極めて特殊な送粉行動をするという話を聞きました。雌雄異花ですが、初めに雄花を訪れて花粉を集め、その後に雌花を訪れて、柱頭に花粉をこすりつけて受粉。受粉した雌花に卵を一つ産み付けて、その後は花の中でふ化した幼虫が、発達途中の種子を食べて成長する共生関係にあるという事でした。このハナホソガが幼虫の餌としてカンコノキの種子のみを利用するという事が面白かったです。
 まだまだ面白い花が続きます。ワレモコウは「吾亦紅」と言う別名があり、「吾もまた紅なり」と唱えたことが由来だそうです。次のタヌキマメは茎や葉、果実に褐色の長毛が生えていて、正面から見るとタヌキを連想させるのでしょうか? どこかユーモラスな印象を受けますが、お昼からしか咲かないという青い花はエレガントな感じです。そしてタヌキの次がミズトラノオ。花穂が虎のしっぽに似ていることが由来だそうです。でも、ひっそりと水辺に咲いている姿は可憐な感じです。ミツバハマゴウツリフネソウサクラタデ、橋を渡ったらヒガンバナに出会いました。地域によって違いがあっても9月中頃から咲き出すのですが、今年は遅いのかもしれません。この時期のシモバシラは白い花が咲いています。真冬の氷点下に地中の水分が染み出して美しい芸術品のような柱を作るシモバシラはめったに見られませんが、「京都植物園公式ブログ」にアップされるとファンが朝早くから見に来られます。カリガネソウは雁が飛んでいる姿に見立てられたそうです。ブルーの涼しげな花ですが、近づくと異臭を放ちます。長くカーブした雌蕊と雄蕊が特徴で、花の蜜に誘われた虫の背中に花粉がついて受粉できる仕組みになっていると説明がありました。

240924-3_01
 (写真はクリックで大きく表示されます)

 今日のテーマは「残暑の中で頑張る植物」でした。立っていても汗が噴き出るような暑い夏でしたが、讃良さんのお話から植物はそれぞれの花を咲かせ、生き残る工夫をしているのだという事が良く分かり、暑さに負けない力をもらいました。(文/大)