朝から暑かったが、久しぶりの活動日、32名の方が参加された。
「平安神宮庭園とその周辺を散策」というテーマで地下鉄蹴上駅集合。

 まずは、蹴上インクラインに向けて出発、インクラインの下を横断するためのトンネル「ねじりまんぽ」を通る。出入口には、北垣国通(疎水がつくられた当時の京都府知事)による扁額「雄観奇想(ゆうかんきそう)」(見事な眺めとすぐれた考え)「陽気発処(ようきはっするところ)」(精神を集中して物事を行えば、どんな困難にも打ち勝つことができる)が掲げられている。構造は台車に乗った船が通る重さに耐えられるように内壁のレンガを斜めに巻き、トンネル自体もインクラインと直角にならないように斜めに掘られている。(すごい土木技術ですね。)ねじりまんぽを抜けると、インクラインの土手には、アレチヌスビトハギの花が満開、引っ付き虫の実もつけていたので、引っ付かないように通り抜けるのに苦労した。土手を上がった広場で、今日のコース予定の説明を受ける。案内は、澤田勉さん、海老原さんのお二人。
 蹴上インクラインは、全長582mの世界最長傾斜鉄道跡、高低差約36mの琵琶湖疎水の急斜面で船を運航するために敷設された傾斜鉄道跡です。明治24年から昭和23年まで運航された。現在は、京都市文化財に指定される。本願寺水道の水源地、義経地蔵田邉朔郎の像を見学。田邉朔郎は、大学卒業と同時に京都府知事に招かれ、琵琶湖疎水の工事に携わり、蹴上水力発電所も建設した。(暑さのため、水分補給休憩。日差しがきつい。)
 疎水沿いを歩いて南禅寺に行く。疎水を流れる水が涼しく、暑さが少し癒される。水路閣に到着。煉瓦づくり、アーチ構造のおしゃれなデザインで、日本人のみの手で設計施工され、京都市指定史跡である。今日は観光客もまばらで、素敵な写真が撮れた。青モミジと水路閣がきれい。皆さん、各々写真撮影し、南禅寺へ。

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 南禅寺は、鎌倉時代後期正応4年(1291年)に亀山法皇が自らの離宮を禅寺に改め、無関普門禅師(大明国師)を開山に迎えたことが始まりで正式には太平興国南禅禅寺と号する。南禅寺といえば、石川五右衛門の「絶景かな。」のセリフで知られる巨大な三門が有名。圧倒的な大きさと力強い柱がすごい。(日陰を探し三門を眺めながら、また水分補給。)知恩院、仁和寺と京都三大門の一つである。三門を背景に「ハイ、チーズ」と全員で記念撮影、暑さにも負けず、皆さん素敵な笑顔。少し行くと塔頭に徳川家康の遺言により建立された三大東照宮(日光、久能山、金地院)の一つである金地院東照宮がある。茶室や小堀遠州作の庭園が有名である。
 南禅寺をあとにし、平安神宮に向かう途中に、琵琶湖疎水記念館がある。残念ながら休館であったので入館はできなかった。この記念館は琵琶湖疎水についてわかりやすく説明しているので、入館したことがない方は是非とも訪れてほしい。入館も無料、冷房も効いており大変良心的である。
 京都市立動物園の横を通り、昼食場所の岡崎公園へ向かう。動物園も休園であった。(日陰だが、炎天下を歩くのは辛い。)
 岡崎公園に到着。日陰と座るとこを探し昼食。草むらが多いので、蚊と格闘しながらのすばやく昼食を取った。お腹も満足し、汗もやっと引いた。
 午後からは、平安神宮の神苑へ、
 平安神宮は、平安遷都1100年を記念して、明治28年に第50代桓武天皇をご祭神として創建。現在、大極殿は修理中であるが、鮮やかな朱色の応天門が私達を迎えてくれたが、今日は、ちょっと暑苦しい感じ(ごめんなさい。)
 神苑へ、
 神苑は、社殿を取り囲むように東・中・西・南の四つの庭からなっている。池泉回遊式庭園で、明治時代の有名な造園家7代目小川治兵衛らの手になるものである。入るとすぐに南神苑、ここに秋の七草があった。特にハギが多く植えられ、今が満開であった。海老原さんに、苑内の植物について説明してもらったが、人数が多かったので、大川内さん、高橋さんも説明に加わってくれた。(ありがとうございました。)
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(写真はクリックで大きく表示されます)
 西神苑を通り、中神苑から東神苑にかけて大きな池がある。池の水や水路は、琵琶湖疎水から引き込まれている。だから、琵琶湖で生息している魚や貝が生息している。水路にはシジミ貝を確認することができた。中神苑には、臥龍橋あり、渡ることができる。(渡っている方もいたが、丸い石が並んでいるだけなので落ちないように注意。)東神苑の池には、京都御所から移築された泰平閣(橋殿)が架けられている。皆さん、暑さもピークで橋の腰掛に座ってちょっと長めの水分補給休憩。心地よい風があり、ここから眺めるお庭が素晴らしくいい眺めだった。(ずーと、ここに座っていたい気持ち)
 神苑を出て、あまりにも暑さが厳しいため、ここで一時解散。元気が残っている方は、予定通り辰巳神社まで行く。22名の方が残られた。(皆さん、元気。)
 応天門を出て、白川沿いに歩く。白川の水も琵琶湖疎水から流れている。川沿いにはヤナギが植えられ、石畳で大変風情のあるところだが、日陰がないので、やっぱり暑い。しばらく歩くと、路地を入ったところにひっそりと祠があった。明智光秀の首塚である。おまいりを済まし、終点を目指す。(水分が尽きたので、自販機を見つけ、買いに走った。今日はペットボトル3本を消費した。)
 やっと最終目的地の辰巳神社に着いた。京都御所より辰巳の方向(南東)を守る神社であったが、今では、祇園の芸舞妓さんからの信仰を集め、芸上達のご利益があるらしい。

 今日は、明治維新により都が東京に遷っていまい、寂れた京都をもう一度再生させるための事業の一環であった琵琶湖疎水、平安神宮について改めて勉強することができた。
 暑い中、たくさん参加してくださった会員の皆様、案内の澤田勉さん、海老原さん、ありがとうございました。(文/A.N