梅雨入りが遅れ、快晴となった高槻市の鵜殿ヨシ原に、有志ボランティア7名(讃良、赤對、海老原、永井、岸本、山本悦、坪倉)が参加して、高槻市立自然博物館の高田先生のご指導のもと、侵略的特定外来生物ナガエツルノゲイトウ駆除が行われました。当クラブ会員のほか、高槻市民のボランティアによる「ナガエツルノゲイトウバスターズ」メンバー5名に加え、高槻市農林緑政課の担当者1名も、資材運搬用の市の軽トラを運転して参加されました。
場所は新しく発見された、新名神淀川橋工事現場のNEXCO西日本工事基地の作業員詰所のプレハブ建屋周辺です。ここは、明らかに「靴底拡散」による新たな繁殖地で、2023年10月4日に除草剤を散布し、日光を遮る防草シートを敷設した場所です。全国の研究者の実験で、移行期(稲の収穫期頃、養分が葉から根に移行する時期)に除草剤散布の効果が期待されるとの事で、1%希釈ラウンドアップ剤を散布の上、防草シートを敷設したものです。
顔合わせの挨拶のあと、高田先生を始め、14名全員で一斉にシート剥がしに掛かりました。駆除の成功の期待が大いに高まっていましたが、なんと、ナガエ以外の雑草はすべて枯れ果てていましたが、ナガエだけはピンク色のもやし状に発芽していました。なるほど「侵略的」と言われるだけの生命力です。靴底に挟んだ茎の断片からは、2週間足らずで発芽することを、私の長靴で実証済みですが、高田先生の実験では、葉っぱの断片1枚からも、その主脈から発根したとの事です。経験不足の学生ボランティア等の不用意な駆除では、結果的にかえって侵略域を広げてしまうと言われる所以です。
駐車場なのでバラス混じりの堅い土でしたが、バールで根の周りを崩してスコップで掘り上げると、意外にスポンと抜けてくれました。数年物ではなく2年物なのでまだ根が浅かったようです。ごつごつした、直径3~5mm程度の根や、もやし状の芽を一袋、約4kgを駆除して1時間余りで作業を終えました。
途中、淀川橋施工のJV工事責任者も見に来られ、繁殖エリアを示すポールを残しておく事を申し出てくれました。また、作業員の方からは立入禁止のステッカーの貼り出しでご協力頂きました。今後、繁殖エリアの除草と再発芽の監視・駆除をバスターズ鵜殿班で行う予定です。
駆除終了間際に、雅楽協議会の「つる草抜き」のつる草発芽水没駆除を進める、国交省淀川環境委員会元委員の綾先生もお出でになり、皆で導水路脇のカヤネズミの巣の観察に向かいました。狙っていた巣は見つからなかったのですが新たに讃良さんが1個発見しました。高田先生によると作り掛けの巣らしいとのお話でした。カヤネズミは日本一小さな夜行性のネズミですが、人の手が巣に触れると、その匂いで、子供を殺して巣を放棄するらしいです。予定では、つる草抜きの現場も見学したかったのですが、猛烈な日差しに早々にヨシ原から撤退しました。
解散後、昨年11月1日に大量繁殖したナガエを駆除した、淀川本流から導水路にポンプアップしている吐出口周辺を高田先生とパトロールを行い、1株の再発芽を確認し駆除しました。水中での発芽は無いようですが、絶滅にはまだまだ遠いようです。
なお、シニア自然大学校では「地域組織」として、当クラブを含め6団体が、一般のサークルと分けて位置付けられています。いずれも「地域貢献」「社会貢献」を目的の一つにしており、当クラブも志津南小の学習支援や、特定外来生物の駆除などの環境保全活動は、大切な目的の一つとして続けたい活動です。 (文/赤對)



