本日の研修会は、今年初めて来た台風1号も気にならないような心地よいお天気になりました。そのせいでしょうか、会員31名と実習生3名、一般1名、科学実験科(10人)の計45人の参加になりました。赤對さんの挨拶のあと、今日の講師の新堀さんと海老原さん、高橋さん、そして実習生の紹介がありました。(12時30分森のカフェ前で解散)
まず、最初のイモカタバミとムラサキカタバミは、雑草化して園内でも普通に見かけますが、きっちりと整理された説明と掘り取った根っこを見せて頂いたので違いがよく理解できました。イモカタバミは、雄しべの葯の色は黄色で地中に塊茎と呼ばれるイモを次々とつくり、これで繁殖していきます。なるほど大群落をつくっています。ムラサキカタバミは鱗茎で増えていくそうです。
植物園の過去からずっと見守ってきたような風格のあるカツラは、お宝の歴史遺産樹木ですね。
アブラチャンが地面の方まで枝を伸ばしています。剪定しないのは、「来園者に近くで、しっかり見て頂きたい」という思いだそうですので、そっと通りました。
ミツガシワは氷期の遺存種として点々と分布しているそうですが、京都府の深泥池にまとまった群落があるのですが、近年シカの深刻な食害で減少しているようです。「こんな可愛い花です」と、画像を見せて頂きました。
花の形とつき方が帆掛け舟を吊り下げたように見えることに由来するツリフネソウ。この花の構造はわかりにくいですね。オオハンゲは、サトイモ科独特の仏炎苞をつけるマムシグサの仲間です。
メタセコイア「生きた化石」として昭和16(1941)年に三木茂博士によって学名登録されました。春の芽吹き・新緑、夏の深緑、秋の紅葉、四季折々に魅了しています。
ここからオオバオオヤマレンゲを見に「なからぎの森」へ移動しました。良い香りで、やや下向きに咲く白くすっきりした大きめの花です。花が下向きに咲くのは、雨から花粉などを保護する説があるそうです。
外敵の侵入を防ぐ目的で垣根として使われるカラタチは、葉から変形した鋭いトゲが交互に並ぶためだそうです。 文化勲章のデザインになっているタチバナも近くにありました。右近の橘と言うのは、京都御所の紫宸殿の庭に植えられた、桜と橘によるものだと言う事です。アイラトビカズラはマメ科つる性の常緑木本で、日本国内でも貴重な植物とされています。花粉媒介するのはコウモリだそうです。
美しい紫色が多いハナショウブですが、白や黄色、ピンクも咲いて見頃を迎えていました。難しいアヤメ科の花の見分けは、ハナショウブは黄色い筋、アヤメには網目模様、カキツバタには白い筋がついていると画像で説明してもらいました。
今日は、海老原さんの大好きな園の植物をわかりやすく紹介したいという思いが終始伝わるような話し方で終了しました。 (文/大)