近江今津駅に10時15分集合。参加者は一般の方1名を含めて合計16名。当日は雨が心配でしたが、無風の曇りで観察には絶好のコンディション。案内役は毎年お世話になっている佐々木さん。駅の待合室で、佐々木さんからカモの雌雄の見分け方や琵琶湖でしか見ることができないホオジロガモ、ハジロカイツブリ、コハクチョウなどを説明された後出発。行程は、駅近くの港付近で観察後、湖岸を南下し湖面と湖岸の松林に鳥を観察しながら新旭水鳥センターを目指します。ただ、当日は休館日のため折り返して近江今津駅に戻ります。

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  観光船乗り場の岸壁からはオオバンの群れを観察。オオバンは体が黒く、嘴が白いことから「サタン」と呼ばれています。飛来する南限は茨城県の霞ケ浦ですが、なぜ琵琶湖までやって来るのか理由は不明とのこと。少し南下した別のテラスからは湖面にカンムリカイツブリキンクロハジロを確認しました。カンムリカイツブリは大型のカイツブリです。佐々木さんからカイツブリの名前の由来を教えていただきました。ネットで調べると、水を「掻いて潜る(掻きつ潜りつ)」が転じたか、「カイ」はたちまちの意で、潜る時の水音が「ツブリ」に転じたとする説など、いろいろあるようです
 すぐ近くの湖岸からアオサギが飛び立ちました。さらに南下すると船着場のポールに留まっているトビ電柱にコサギ樹上にカワラヒワの群れを見つけました。沖合に設置された架台の上にはカワウが数羽留まっていました。他の水鳥よりも大きいので目立ちます。湖面にはオオバン、ヒドリガモコガモ、カンムリカイツブリ、キンクロハジロ、ホシハジロカワアイサなどを確認しました。

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 新旭町に入り、しばらく歩くと道路脇に鳥居があり、湖に面して二つの石が祀られています。二ッ石大明神と呼ばれ、渇水になって湖面水位が下がると沖合い100mの地点にある2つの岩が露出しますが、その代わりが湖岸に祀られた2つの石のようです。
 湖畔道路から別れてサイクリングロードに入ると遠くには雪を抱いた伊吹山が見えます。竹生島遙拝所跡の石碑を過ぎると木製のやぐらがありますが、昔栄えた木津(こうつ)港の常夜灯として使われていました。時々、立ち止まっては湖面に鳥を探します。近くの湖面にはハジロカイツブリがいました。さらに行くとオナガガモ、そしてこの日のハイライトのコハクチョウが4羽いました。白くて大きいので目立ちます。水中に首を入れて餌を採ったり優雅に移動する姿を見ることができました。一方、陸地に目をやると1羽のトビが木に留まっていました。しばらく歩いた後、屋根付きの屋外休憩所で昼食。

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 昼食後はさらに南下し、新旭水鳥観察センター付近まで来ると湖面には多くの水鳥がいました。水鳥センターは休館日のため手前で折り返して今津駅まで帰る途中、湖畔にダイサギを見つけました。くちばしの色は季節によって変わり、冬期は黄色、夏期は黒色とのこと。すぐ近くの樹上にはシメが1羽留まっていました。さらに歩くと民家の屋根にジョウビタキを見つけ、浜ではカワラヒワが群れていました。駅に近づくにつれて水鳥の数は少なくなりました。今津駅前の広場で終礼。佐々木さんからお手製カレンダーが3名の方に進呈され、午後2時頃に観察会を終了しました。

 時間の都合で鳥合わせはできませんでしたが、後日佐々木さんから報告がありましたので以下に紹介します。出現した鳥は計30種。内訳は、陸鳥(留鳥)はスズメ、ハシブトガラス、ハシボソガラス、ヒヨドリ、ムクドリ、カワラヒワ、ホオジロ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、トビ。陸鳥(冬鳥)はシメジョウビタキ)、水辺の鳥(留鳥)はコサギダイサギ、アオサギ)、水鳥(留鳥)はカワウカイツブリ、カルガモ、水鳥(冬鳥)はオオバンカンムリカイツブリハジロカイツブリコガモ、マガモ、ヒドリガモハシビロガモオナガガモキンクロハジロホシハジロカワアイサコハクチョウ。このほか、参加者の方が飛翔中のホオジロガモを撮影されたので、これを合わせると計31種となりました。ご案内いただいた佐々木さん、ありがとうございました。(文/讃良)