曇り空で午後から雨が心配されたが、10時半過ぎから当公園技術員の案内で観察会を開始。参加者は20名(うち2名は一般参加)。

 緑の館を出てすぐの所にアーモンドの小株があるが、宇治市とスリランカのスワラエリア市の友好都市の記念樹である。少し歩くと噴水のある高台に着く。ここからひな壇状の下方正面に花と水のタペストリーが現れる。タペストリーは本公園を代表する施設でデザインは年2回入れ替えている。現在のカエルは5月末にウサギから変更したばかり。

230608-1
 少し下った所で小さなピンクの花がかわいいシモツケに出会う。和名は栃木県(下野国)で発見されたことに由来し、京都府では絶滅危惧種とのこと。坂を下ると樹齢70年のシダレザクラがあり、その脇に平野甚之丞氏によって開発された京都府茶の奨励品種“こまかげ”の原木が植えられている。

 ここからハーブ・有用植物園に入る。ハーブの多くは根が広がらないように鉢植えされている。ローズマリーが多く、匍匐性と自立性の2種があることを知った。実がたわわに付いたカリンや、ザクロの花のオレンジ色が印象的であった。ラベンダーも多いが、デンタータ系は匂いが強く高温多湿に強いとのこと。また植栽されているブルーベリーのラビットアイ系は実は小さいが夏の暑さに強いので関西向きとのこと。ナツボダイジュの花が満開だが、すぐ下のフユボダイジュには早くも実が付いており、品種の違いを実感した。通路脇のヤマグワには熟した実が鈴なりで、その近くにはクチナシの白い花が目立つ。甘味料として使われているステビアの葉を揉んで舐めるとほのかな甘みを感じた。ネギ坊主のように茎の先端に付いた丸い淡紫色のニンニクの集合花は愛嬌がある。

230608-2
 春のゾーンに入ると、葉が暗赤色のベニスモモに約2センチ大の紅色の実がなっていた。どんな味がするのかな。すぐ近くの「オモイノママ」というウメは花を楽しむための品種。その傍らに置かれたFRP製の恐竜はボディーガードのようで面白い。5月に花が咲くハンカチノキは葉から独特の臭いを発するらしい。試したがよくわからなかった。第二次大戦後に植えられた多くのソメイヨシノは寿命が近づいているため、代替品種としてジンダイアケボノに切り替えが始まっているとのこと。ルピナスは、今年は花が少なく寒さが足りなかったのが原因のようである。
 さらに歩くとタペストリーの前に到着。幅62m、46段のひな壇に約3600基のプランターを並べて植物でレリーフを作っている。カエルの各部の色は花の種類を変え、たとえば黄色はコリウス、白と赤はベコニアを使用。プランターの入れ替え作業は市民ボランティアの手を借りているが、数が多いだけに大変な作業であろう。
 当公園は1996年に開園したが、針葉樹も植えた。なかでもセンペルセコイアは根張りが浅いので倒れやすいのが欠点。樹高が伸びたので切り倒すのも大変とのこと。
 アジサイゾーンには牧野富太郎が名付けたヒメアジサイの花が満開。ちなみに「ヒメ」とは小型ではなくその優雅な姿から。また、今年はマダケの花が咲いたとのことで、花の痕跡を確認することができた。温室の横ではタイサンボクの白い花、隣接するアメリカデイゴの樹上には赤い花が咲いていた。案内は12時過ぎに終了。

230608-3
(写真はクリックで大きく表示されます)
  昼食後、13時からはご厚意で別の技術員が温室を30分ほど案内していただいた。自由参加だが19名が参加。入口近くにショクダイオオコンニャクの株があり、天井近くまでスラリと伸びた葉の巨大さには驚くばかり。バナナに似たタビビトノキはマダガスカル原産だが名前の由来は不明。食虫植物として知られるウツボカズラの袋は葉の一部で甘い蜜を舐めに来た虫がすべすべした袋の縁から中に落ちる仕組み。カカオの木は自家受粉で黄色い実をたくさん付けていた。そのほか、花の形状がユニークなブラックキャットウナズキヒメフヨウが印象的であった。

 当公園での観察会は今回が初めてだが、斜面を利用して植栽されているため広さはコンパクトながらよく手入れされていると感じた。また管理上の苦労話も聞くことができた。13時半頃に解散となったが、最後まで雨に降られなかったのは幸運であった。この行事を企画していただいた中林さんと澤田章夫さんに感謝いたします。   (文/讃良)