京とおうみ自然文化クラブ

「京(みやこ)とおうみ自然文化クラブ」は、認定NPO法人シニア自然大学校の京都府・滋賀県の地方組織です。旧ブログは左下リンク集より閲覧できます。

2025年05月

6月~9月の行事予定

2505末
予定表はクリックで大きく表示されます

雨天決行等の特記のない屋外行事は、前日21時前の
   NHK天気予報や、前日17時の気象庁ホームページ
   の天気予報で、行事
実施地域の午前中(気象庁ホーム
   ページは6~12時)の降水確率が
60%以上の場合、
   中止です。なお、
気象庁ホームページは当日の5時に
   更新されますが、その結果にかかわらず、前日17時
   の予報に従います。



例会 5月19日(月)「鶴見緑地の植物たち」の報告

参加者:当日新規会員に登録の3名を加え会員計42名
案内役:西脇保夫さん、塩見明生さん。時間:10:00~14:30
 爽やかな気候の中、今日の活動の場所は花博記念公園鶴見緑地です。西脇さん、塩見さんは28期、29期、30期とアシスタントをされました。本日はその時の講座生が十数名参加されておられましたのは、皆さんがお二人の案内を楽しみに来られたものと想像いたしました。
 まず西脇さんから概要説明があり、鶴見緑地は35年前の1990年に「国際花と緑の博覧会」が開催された会場で122haの広さ、京都府立植物園の5倍だそうです。コロナ禍の時、高等科の有志で自主観察を始めたのがきっかけで、どこに何があるかを調べたそうです。その結果として樹木は少なくとも300種あることもわかりました。
 観察は2班に分かれ1班は西脇さん、サポ-トは高橋さん。2班は塩見さん、サポ-トは大川内さん。私は西脇さんの班に同行いたしました。
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集合場所の中央口からの中央通りには
ラクウショウが道路内側に②メタセコイアがその外に数列整然と植えられていました。
<自然体験観察園>から観察開始です。
ゲッケイジュが入口にありました、雌雄異株で乾燥した葉はローリエと呼ばれ、香辛料として利用されているとのこと。
ビワがやたらと目立つ。この時期はたくさんの果実をつけている。
カキノキも多くある。雌雄同株であるが今観察できるのは雌花が受精した果実で雄花がどうであったかは観察できてないとのこと。
トチュウの葉や種がたくさん落ちている、拾って引きちぎるとゴム質の糸を引く。これは葉や樹皮にグッタペルカを含んでいるから。
クヌギコナラなどドングリが多くある場所にやってきた、秋になると子供たちで賑やかになる。
クサギの葉を手に取って匂う、ちょっと臭い?ビタミンの匂いがするとの感想も。
ウワミズザクラは春に小さな白い房状の花を咲かせる。すでに花は終わり複数の小さな実(サクランボ)ができていた。房の軸の基部に1枚の葉が付くのも特徴。
セイヨウキンシバイが休憩場所の近くにあった、オレンジの綺麗な花。キンシバイ、ビヨウヤナギではないかと皆さん議論され葯がオレンジでセイヨウキンシバイと同定。
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<風車丘東付近>
ギンドロの葉は裏面が銀白色の毛があり、風でひるがえると銀色に見える。春先には白い綿毛のついた種子が飛ぶこれをリュウジョ(柳絮)と呼ぶらしい。
ボダイジュ?が多くある場所に、枝が地面近くまで垂れ下がっていて観察しやすい、花序にヘラ形の苞。葉も確認する非対称?脈腋に毛、星状毛などを同定はお預けに。
センダンの大木も、うす紫の小花を多数つける、ほぼ満開であった。
<バラ園前、バラ園>
ユリノキがバラ園の入口前に、見下ろして観察できる。前年度の果実の殻、新芽の展開、薄手だが硬質の成葉、蕾とチューリップ型の花、花後の様子などがこの1本の木で観察でき皆さん大満足そうであった。
ピ-スと命名されたバラがあった。このバラは第2次世界大戦の終結を記念しこの名がつけられたとの説明看板で確認する。その他の数十種のバラも見頃。
<カナダ館~山の広場~西アジアレストハウス>
モミジバフウ(別名アメリカフウ)の葉は5分裂だが、葉の先が丸くなっているもの、3分裂のものもあり、諸々の事情によるのか。ちなみにタイワンフウは3分裂。
ジャカランダが数本、紫の花はこれからか、見上げると球形に見える大きな果実がある。手に取って観察すると扁平で長円形の蒴果でこじ開けて見ると多数の種子を確認。
ネコノツメがレストハウスの壁につたって伸びている。つる植物で名前の由来となっている爪は先端の小葉が変化したもの3つに分かれる、この爪が巻きひげとなって、つるを伸ばしていく。今黄色のラッパ状の花が満開で見事。
<四季の池~西ゲ-ト~アーモンドの森~緑のせせらぎ~大芝生>
カルミアは5角形の花が特徴的。蕾は金平糖に似る。開いた花弁のくぼみに10本の雄シベが収まっているが昆虫の動きに反応し飛び出し背中に花粉を付着させる仕組み、ペン先で試してみる。
ア-モンドの木が植えられていた。幼稚園児が植栽したものか?各々の木に幼稚園名の看板が掲げられている。
㉑ ズミはバラ科リンゴ属の野生種で長枝先の葉が3~5に分裂しているのが特徴。
㉒ イスノキにはヤノイスアブラムシの寄生で多数の虫コブがついている。ヤノイスアブラムシは5月下旬~6月中旬頃に虫コブから脱出し2次寄生先のコナラに移住し繁殖、10月中旬~11月下旬にイスノキに戻ってくると教えていただいた。
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(写真はクリックで大きく表示されます)
 最後に高橋さんからのミニ講座。カラスノエンドウスズメノエンドウ、カスマグサの違いについて、実(豆)の付き方、花の色、花柄の長短、巻きヒゲの数などそれぞれの特徴を教えていただく。
 今回の「鶴見緑地の植物たち」は西脇さん、塩見さんの準備といただいた資料も良く、大変わかりやすい例会となりました、有難うございました。またサポートしていただきました大川内さん、高橋さんに感謝いたします。   (文/澤田章夫)

研修会 5月14日(水)「季節の植物観察/初夏の樹木と花たち」の報告

 参加者:28名(会員26名・一般2名)、天候:晴晴時々曇、気温:28℃
 案内役:岡かおるさん・海老原緑さん。時間:10:00~12:30

 朝から温度が上がって初夏になったような暑さになり、参加者の皆さんの服装も軽やかになったように感じます。朝の挨拶後、2つのグループに分かれてスタート。私は海老原さんのグループに入りました。「京都植物園でしか見られない植物を紹介したいと思っています」と、ここで長年ボランティア活動されている方ならではの思い入れのある言葉ではじまりました。
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ジャーマンアイリスはカキツバタやアヤメに比べて花が大きくて華やかで、色とりどりの花を咲かせています。花弁の付け根にはブラシのような毛があるのが特徴だそうです。
アイスランドポピーは、ケシ科。種子が「芥子粒」と言われる意味を理解するために道端で雑草として生えているナガミヒナゲシを用意されて来られました。「種はどこから出てくるのでしょう?」疑問を投げかけられて、皆で観察。「この花の面白いのは、種子が熟すと鞘の上部の蓋が開いて茎をゆらゆらと揺らすとタネがいっぱい出てくるのです。」と言う答えに、「ものすごいメカニズム!」と感嘆し切りです。これでよく目にするオレンジ色のナガミヒナゲシが広がって増えているのがわかりました。
ボリジの青い星型の花は、ハーブティーや料理の飾りや砂糖漬けに利用されて食べることが出来ます。
アヤメの密腺のゲートにもなる模様でカキツバタやハナショブと見分けるのは図で説明してもらいました。
食草園ではユズの葉にイモムシ(アゲハの幼虫)を発見。幼虫は4,5回脱皮した後蛹になり、蝶になるという事ですが、先だっての岡さんの講座もありイモムシもすっかりお馴染みになりました。
カラスノエンドウはどこでも生えています。赤とピンクの花もまだ綺麗に咲いていますが、緑色のマメ(実)もついています。ここでも用意してくださったのは、真っ黒のマメです。カラスノエンドウの名前の由来は、このマメは季節が進むと黒くなってカラスを連想されることからだと言う事です。これも熟して黒くなると、簡単な振動で種を遠くまで飛ばすそうで、もう黒い莢が捻じれて中の種はありません。捻じれた形も面白いですが、このタネを飛ばす仕組みもすごい!
フタバアオイは、平安時代の装束を身にまとった人々が練り歩く葵祭にアオイの葉とカツラをと組み合わせた「葵桂」と呼ばれる飾りを祭りにかかわる人達が身につけたりすると言う事ですが、何年か前の研修会日とは重なったので、京都御所から下鴨神社を経由して上賀茂神社へと向かう途中の道のり、皆で見に行ったという話も交えて話されました。
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キツネアザミの花が咲いていました。この名前は花の姿がアザミに似ているが、アザミと違って葉は柔らかくトゲも無く、キツネにだまされた!ということからです。大川内が説明しました。
ヤクシマシャクナゲは、長楕円形の葉の裏側はビロード状の褐色の綿毛に覆われて葉の縁が裏側に丸まりやすいという特徴で、ホンシャクナゲは、葉の裏が灰白色で触った感じは少し毛が少ないという違いがありました。
ケイカ(瓊花)は、4月24日の「西大寺から唐招提寺を巡る」の例会に行かれた方は、白い花を楽しめたと思います。中国の高僧・鑑真和上の故郷である揚州を代表する花で、唐招提寺の開祖である鑑真とゆかりがあり、京都植物園には京都フラワーセンターから来たそうです。満開で圧倒されるくらいの迫力がありました。
コヤスノキはトベラの仲間で、ちょうど淡い黄色い花を咲かせています。なんの変哲もない植物に見えますが、じつはとても珍しい植物です。日本には兵庫県南西部から岡山県南東部にかけての山地にしか分布していないからで、牧野富太郎博士によって世界に発表されました。安産のお守りとすることもある「子安の木」だそうです。秋にどんな実をつけるのかが楽しみです。

 海老原さんの優しい口調の説明とタネの飛ばし方が理解できるようにと用意されたナガミヒナゲシとカラスノエンドウがとても印象に残りました。動けない、変化しない植物に見えても、実は生きていくための工夫をしているのだと言う事がわかって、自分もしっかり生きていこうという気持ちになりました。
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(写真はクリックで大きく表示されます)
その他の植物:オオアブラギリバイカウツギアブラチャンハクウンボクミズキカワセミソウチョウジソウエゴノキハナイカダツクバネトキワマンサク

 午後からは希望者でバラ園を観て回りました。案内はバラに詳しく、また今年の京都府立植物園の薔薇コンテスト2部門で優勝された徳永さんに御願い致しました。バラ園は満開で見事でした。徳永さん優勝のバラの写真をご覧ください。徳永さんから、「薔薇コンテストで優勝できたのはマンションでは雨にも会わずに綺麗に出展できたからです」とのコメントがありました。   (文/大)

例会 4月24日(木)「西大寺から唐招提寺を巡る・・・瓊花が見頃」の報告

 近鉄大和西大寺駅前に会員42名と一般参加6名、計48名が10時に集合しました。駅改札口前は混雑していたため、西大寺門の東門前へ移動し、担当幹事である澤田会長の挨拶からスタートしました。案内役は当会会員である義田さん、上森さん、澤井さん、村上さんの4名です。これらの方々は、奈良の自然や歴史を案内するボランティア活動「ならなぎ」のメンバーでもあります。事前に配布された本日の案内地図をもとに、私は義田さんのグループに参加しました。天候は曇りのち晴れで、爽やかで気持ちのよい一日でした。

西大寺 真言律宗の総本山である「西大寺」は、大仏で有名な「東大寺」との対比で名付けられました。東門前にある石落(しゃくらく)神社について、西大寺中興の祖である叡尊が薬の製法を授かった石落神を祀っているとの説明を受けた後、境内に入りました。西大寺は奈良時代に建立され、南都七大寺の1つとして壮大な伽藍を誇っていましたが、一時衰退し、鎌倉時代に叡尊によって復興されました。四天堂、本堂東塔跡愛染堂などを巡り、南大門前にある御衣黄桜を鑑賞しました。この桜は、開花当初は薄緑色で、満開時には中心部がピンク色に変化する大変美しいものでした。
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菅原天満宮 菅原天満宮は、菅原の地を本拠とする土師氏支族(後の菅原氏)が祖神を祀ったのが始まりです。その後、南西の地に菅原寺(喜光寺)が創建されるとその鎮守社とされ、菅原神社と呼ばれるようになり、2002年に菅原天満宮と改称されました。
喜光寺(きこうじ) 奈良時代の創建当初は菅原寺と呼ばれていましたが、聖武天皇が参詣した際、本尊から放たれた光明を目にした天皇が歓喜し、「歓喜の光の寺」として喜光寺の名を賜ったそうです。
い号陪塚 垂仁天皇陵にある7つの陪塚のひとつで、直径約40メートルの大型円墳です。
垂仁天皇陵 全長約227メートルの規模を誇る前方後円墳です。築造時期は4世紀半ば頃と推定されています。墳丘の周濠内にある小島は陪塚で、「伝田道間守墓」として知られています。案内では、垂仁天皇にまつわる様々な伝承やエピソードについて解説がありました。田道間守(たじまもり)は、垂仁天皇の命により「非時香菓(ときじくのかくのみ)」、すなわちタチバナを求めて常世の国に派遣されましたが、帰国時にはすでに天皇が崩御していました。これを嘆き悲しんだ田道間守は天皇の陵前で殉死したとされています。「タチバナ」の語源は「田道間守」に由来するという説があるとのことです。

 昼食は御陵近くの公園で、持参したお弁当をいただきました。

唐招提寺 律宗の総本山である唐招提寺は、本尊が盧舎那仏であり、唐出身の僧である鑑真によって創立されました。南大門から入り、金堂、東室、礼堂(らいどう)、鼓楼、講堂、鐘楼、戒壇、本坊、開山堂、御影堂(みえいどう)前を巡り、鑑真和上御廟、宝蔵、経蔵と境内を一周しました。境内には国宝や重要文化財が数多くあり、とりわけ金堂は建物と堂内の仏像9体すべてが国宝という点で非常に印象的でした。個人的には、苔むした鑑真和上御廟の敷地内に入った際、その清々しく厳かな雰囲気に心が洗われるような感覚を覚えたことが最も心に残りました。

 今回の街歩きの副題にもある鑑真和上ゆかりの「瓊花」について、御影堂供華園(みかげどうくげえん)では開花前のため見られませんでしたが、薬草園や御廟では可憐な白い花を楽しむことができました。午後3時前に売店前で自由解散となりました。新宝蔵へ戻る方、門を出て薬師寺を訪れる方など、それぞれが思い思いの時間を過ごされたようです。
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 案内役の4名の皆さんには寺院や古墳について詳しい説明をしていただきましたが、ここですべてを記すことはできません。ありがとうございました。 (文/岸本恭彦)

5月~8月の行事予定

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雨天決行等の特記のない屋外行事は、前日21時前の
   NHK天気予報や、前日17時の気象庁ホームページ
   の天気予報で、行事
実施地域の午前中(気象庁ホーム
   ページは6~12時)の降水確率が
60%以上の場合、
   中止です。なお、
気象庁ホームページは当日の5時に
   更新されますが、その結果にかかわらず、前日17時
   の予報に従います。