京とおうみ自然文化クラブ

「京(みやこ)とおうみ自然文化クラブ」は、認定NPO法人シニア自然大学校の京都府・滋賀県の地方組織です。旧ブログは左下リンク集より閲覧できます。

2024年03月

例会 3月22日(金)「天王山とミツマタ群生地を訪ねる」の報告

 「天王山とミツマタ群生地を訪ねる」でJR山崎駅に集合(10時)。本日の案内は新谷さんと澤田勉さんが行われました。参加者は会員30名と一般参加4名の計34名でした。10:00
 澤田勉さん、新谷さんから概要の説明をされ、最初に「変な道を通ります」との説明がありました、何の事か理解できませんでしたが、すぐに「変な道」が理解できました。高さ160cmでしゃがみながら通りました。トンネルを通り福祉施設の林道を登りました。ミモザが満開でサクラが咲きかけていました。登山入口10:25 林道を歩きました。

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 竹林、林道を歩き、最初のミツマタが見えました。11:05
 天王山のミツマタ群生は昔は部分的であった。林道を作る為に植えられ現在の群生となった。ミツマタ群生の中で、和紙の原料であるミツマタの説明が新谷さんからありました。11:35
説明の要約
 ① 生育は比較的簡単で、和紙の原料として人工的に植えられた経緯がある。
 ② 和紙の原料として樹皮は繊維が強く、日本の紙幣にも使われている。
 ③ 約800年前の平安時代紫式部が使用されていたと言われている、雁皮の和紙がハーバード大学に残されおり、劣化してなく状態であった。
 ④ 墨で字を書いた、実際の和紙を新谷さん持参され、見せて貰った。つやがあった。
 ⑤ ミツマタの群生は丹波篠山等、近くでも多く見られる。

 その後、酒解神社で小休止を行いました。11:10
 酒解神社:大山祇神を主祭神とし、素盞嗚尊を相殿に祀っており、橘氏の先祖神であると言われていますが、創建の由来は不明です。しかし養老元年(717年)建立の棟札があることから奈良時代の創建とみられています。中世には、同社は山崎山(天王山)上に遷座し、山上の神はやがて天王社と呼ばれるようになり、山も天王山と呼ばれるようになっていきました。明治10年に式内社自玉手祭來酒解神社と決定されました。正式名は「たまでよりまつりきたるさかとけじんじゃ」だと舌をかむので「さかとけさん」で名が通ります。

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 酒解神社をスタートして、天王山頂上・柳谷方面との分かれ道を経て、小倉神社に向かう。11:30
 小倉神社に到着し昼食を取る。12:30
 小倉神社:社伝によると、養老年(718)の創建とされる。平安遷都の際には、御所の鬼門除けとして祈願され、嘉祥年(850)に正一位の神階を賜ったというが、同時期の事蹟を記した『日本文徳天皇実録』には記載がない。『延喜式』神名帳においては「山城国乙訓郡 小倉神社 大月次新嘗」と記されている。
 小倉神社で澤田章夫さんから京とおうみ自然クラブの来年度のスケジュールと新年度からの新会員加入の説明があった。13:10

 小倉神社から長岡埋蔵文化財センターへ向かう。小泉川の河原を歩く。高速道路(京都縦貫自動車道)建設に伴い、河原が綺麗に整備されていました。ハクセキレイが多くいた。サクラの花芽が大きくなって、来週には開花するのではと思われる。長岡京市埋蔵文化財センターに到着14:10 所員の方から説明をいただきました。
 ① 長岡京とは西暦784年(延暦3年)に桓武天皇が平城京を廃し、都を山背国(やましろのくに)長岡に遷しました。平城京は盆地で水陸の便も悪く、長岡は水陸の便が良いとされた。
 ② 大極殿(長岡宮)を設け、碁盤の目の町つくりを行った。長岡京は10年で平安京に遷都された。
 ③ 長岡の地は水陸の便が良く、旧石器時代から縄文時代、弥生時代、古墳時代の遺跡が多く発掘されている。

 長岡京市埋蔵文化財センターで解散しました。15:10

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(写真はクリックで大きく表示されます)

 長岡天神サクラちらほら、咲いてました。(文/y.n)

4月~6月の行事予定

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予定表はクリックで大きく表示されます

雨天決行以外の屋外行事について、前日17時発表の気象庁の天気予報で、
 該当地域の行事当日の午前中の降水確率が60%以上の場合、中止です。
 詳しくは当クラブの概要紹介を参照願います。


研修会 2月27日(火)「季節の植物観察」の報告

 天気は曇りでした。北山門から入った所で集まり、あいさつから始まりました。2月にもかかわらず参加者は29名。うち実習参加者3名です。本日の講師は大川内さんと、初めて講師を務められる齊藤弥壽彦さん。2つのグループに分かれて観察会が始まりました。

 まず、すぐそばの花壇から。ブロッコリーが植えられています。ここで指定野菜という言葉を聞きました。国が2026年度からブロッコリーを指定野菜に追加すると決定しました。「指定野菜」とは特に消費の多い野菜を国がリストアップしたもので、現在はニンジン、トマト、ナスなど14品目。ここに今回ブロッコリーが仲間入りすることになったそうです。新たな指定野菜の追加はおよそ50年ぶりだとか。植物園ではこんなことも学ぶのですね。
 次は少し歩いて花壇のまわりに見られるヒメオドリコソウホトケノザなど春の雑草を観察します。小さなピンクの似たように花を付けますが、どこが違っているか各自で見ていきます。

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  ワイルドガーデンから生態園の東入口に向かいます。雨が少し降ってきました。ミツマタのところに来ました。和紙の原料でお札に使われていることや、どのようにして和紙になっていくのかなどを伺いました。つぼみはまだ固いです。周辺にマンリョウが生えています。あまり大きくならず、葉の下に赤い実を付けているので目にとまりやすい樹木です。この植物の葉には波形の鋸歯があり、そのくぼんだところに共生菌が付いているそうです。窒素を固定しているのではないかと言われているとか。見慣れている植物なのに知らないことがたくさんあります。
 雨が結構強くなってきました。傘やカッパを取り出し身に付けます。すぐ近くにアブラチャンがあります。クスノキ科クロモジ属の冬芽の観察です。丸い花芽が2つ、葉芽の両側についています。こぶしを丸めて両腕を上に伸ばしているように見えます。小さいながらそんな意匠がおもしろいです。カナクギノキ、クロモジなども同じ形の冬芽が見られます。キンキマメザクラ。花の数は少ないのですが、一つ一つが大きく目立ちます。早咲きの桜です。

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(写真はクリックで大きく表示されます)
 セツブンソウの所へ移動。節分の頃に咲き始めたのですが、まだ十分見頃でした。ここで植物の花・葉・茎・根の役割の説明がありました。雨がみぞれに変わってきました。気温も下がっています。説明用に用意していただいたプリントが濡れていきます。講座生の方は熱心に講師の方の話に聞き入っています。セリバオウレンの所に行きます。両性花、雌雄異株、いろいろ違いがあることを教えてもらい観察していきます。かがまないと見えないのに雨が恨めしいです。
 雨のために今回の観察会はここで終了しましょうとなりました。近くにある早春の草花展の会場に移り、ざっと眺めた後、出口近くで解散が告げられました。11時25分でした。こんなに早く終わったのは初めてだったと思います。

 【おまけ】 森カフェで休憩の後、講師の方より通路の足元にあるコゴメイヌノフグリを教えてもらいました。オオイヌノフグリの仲間で白い花です。ヨーロッパから種子交換で入手栽培し、小石川植物園の名物になっている植物だそうです。園の植物交換の際に種子が混じってきたのでしょうねと。足元に思いもかけない植物が育っています。 (文/海老原)