宇治茶の郷、和束町へ。日本において茶が広まった始まりは京都府宇治からと言われているが、荒茶生産ランキングでは、5位(1位静岡、2位鹿児島、3位三重、4位宮崎) 宇治茶と言われるものは、京都・奈良・滋賀・三重の四府県産茶で京都府内業者が仕上加工した、京都府産50%以上の荒茶の事、和束では、東京ドーム120倍の耕地にて約260軒の茶農家にて和束茶(荒茶)を生産、出荷している。その数は、京都府生産量の半分弱を占める。同地は、昼夜の寒暖差が大きく朝に発生する霧が天然カーテンとなり繊細な茶葉を日差しから守り茶作りに適している。
JR加茂駅10時集合、電車の本数も少なく30分前には参加者の約9割が集まり、一般参加者1名を含む29名となる。事前に下見をして頂いた澤田章夫さん,静谷さんのお陰でスムーズにバスにて「和束山の家」へ、バスも1時間に1本と少なく、我々29名と、海外からの観光客と思われる団体ですし詰め状態。
バス停近くの「和束カフェ」前には、地元ボランティアガイド「和束茶源郷ガイドの会」の皆様(5名)が待機、簡単な説明と柔軟体操を済ませ、3班に分かれての散策開始。出発点から少し歩き山頂を見上げると小さな小屋が、「天空カフェ」と言って、和束カフェにてポット等一式を借り、素晴らしい景色を観ながらお茶を味わうことが出来る展望空間であるとの事、機会があれば是非再訪して下さい。
好天に恵まれ汗ばむ気温の中、少し山道を上がった所の目の前に茶葉を覆った黒い布が、これは「かぶせ茶」栽培に用いられる寒冷紗と呼ばれるもので被覆栽培と言う栽培方法との説明を受ける。摘採前の茶葉の日光を遮ることで茶葉の中のテアリンがカテキンに変化しにくくなるため、テアニンが少ない旨味や甘みが強い茶葉が出来る。被覆期間は約2週間程度、碾茶(抹茶の原料)は3週間程度、被覆栽培は味だけでなく茶葉の色にもいい影響を与える。
茶園は、農家により異なるが立春から88夜前後に摘採する一番茶「新茶」、6/中旬から7/初に摘採する「二番茶」、秋に摘採する「秋番茶」等々、遠くに見える茶色の茶畑は、既に新茶の摘採が終わり年1回のみ摘採する畑である。
被覆栽培中の茶葉を覗くと青々とした茶葉が綺麗に見える、また、「一芯二葉」の茶葉も写真に収める、お茶の木の枝は、先端に「芯」があり、そこから下へと葉がついている「芯」は、まだ葉が開いていない「芽」の状態の葉である。
その前に立ち寄った「安積(あさか)親王陵墓」から見える釜塚山の茶畑は、京都府景観資産登録第一号の茶畑景観の一つでもある。
昼食後も茶畑を散策、途中にあるお茶工場からは甘いお茶の香りが漂ってくる、和束町の工場では、茎と葉に分離し、蒸し工程から乾燥工程まで荒茶を生産、宇治にある問屋へ出荷している。
此処を最後に集合場所である「和束カフェ」に戻り、ご案内頂いたボランティアガイドさん達ともお別れし、帰りのバスの待ち時間、お土産を買う方、抹茶ソフトクリームを頬張る方、コンビニに冷たい飲み物を求める方と楽しく一日を過ごすことが出来ました。お疲れさまでした。 (文/T.SAWADA)