京とおうみ自然文化クラブ

「京(みやこ)とおうみ自然文化クラブ」は、認定NPO法人シニア自然大学校の京都府・滋賀県の地方組織です。 旧ブログは左下リンク集より閲覧できます。

2023年03月

例会 3月9日(木)「東近江・五個荘で近江商人屋敷とひな人形を巡る」の報告

  JR能登川駅に集合。参加者は一般参加者1名を含む計22名。天気は穏やかな晴れ。10時発の八日市行きバスで約10分乗車し、観光案内所のある「プラザ三方よし」BSで下車。ここで3人のガイドさんと合流。1チーム7~8人で3チームに分かれて近江商人屋敷の街並み散策がスタート。
 五個荘地区の中でも近江商人の屋敷が集中するエリアを五個荘金堂と呼ぶが、その名前は聖徳太子がこの地に金堂を建立したという伝承に由来するとのこと。五個荘に近江商人が多く生まれた理由は、京都に近く、東海道や中山道があるため物や情報の通り道であったこと。「三方よし」とは「売り手によし、買い手によし、世間によし」のことで、商売を通じて社会貢献する精神がある。

 プラザ三方よしから少し歩くと金堂地区に入る。道路沿いに流れる水路は鈴鹿山系からの水と地下水が合わさり、金堂地区の生活用水として利用されている。商人屋敷の敷地は広く、舟の底板を再利用した舟板塀が水路沿いに続く。私のチームの最初の立寄り場所は金堂まちなみ保存交流館。外山宗兵衛や中江富十郎が過ごした邸宅。この時期は金堂地区のひな人形めぐりの期間中で、室内には木目込み人形のおひな様や布花ひななどが展示されていた。屋敷の外へ出ると、道路沿いには随所に町の人が作ったひな人形が飾られている。
 次は中江準五郎邸。中江準五郎は大正時代から戦前まで朝鮮半島や中国で三中井(みなかい)百貨店を築いた中江4兄弟の末弟。戦前まで約20店舗を経営したが第二次世界大戦での敗戦を機に廃業。室内には多くのひな人形が展示されていたが、なかでも人形師・東之湖作の清湖人形が衣装の美しさとスケールの大きさで人目を引く。ひな壇方式ではなく、部屋いっぱいに配置されたひな飾りは壮観である。ひな飾りには年代や地域によって飾り方が違い、たとえば台所用品を飾るのは関西独特らしい。蔵には郷土民芸品「小幡でこ」や全国の土人形が展示されていた。は池泉回遊式で池のまわりには石灯籠や巨石が置かれて趣がある。
 道路脇の民家の茅葺屋根の所々に置かれたアワビの貝殻は、鳥除けと火除けのおまじないとのこと。

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 次に訪れたのは外村(とのむら) 繁邸。外村宇兵衛家の分家として江戸時代末期に建てられた。敷地内には川から水を引き込んだ川戸(かわと)と呼ばれる屋根付きの洗い場がある。野菜などを洗ったり、防火用水も兼ねている。
 外村繁は外村家の三男として生まれ一時家業を継いだが、その後、弟に家業を任せて作家活動に専念。商家を題材にした小説が多い。隣接した蔵は文学資料館になっている。各部屋には歴史ある多くのひな飾りが置かれ華やかである。窓から望む日本庭園も美しい。台所自家水道は井戸から汲み上げた水を重力差で風呂桶に溜める方式なのが面白い。本家の外村宇兵衛邸は1棟貸しの宿泊施設になっているとのこと。
 次は弘誓寺(ぐぜいじ)。開祖は那須与一の孫の那須資長(すけなが)門前の水路には錦鯉が優雅に泳いでいた。大きな本堂は国の重要文化財で滋賀県では延暦寺に次いで2番目に大きく、東本願寺の阿弥陀堂のモデルになった。境内に置かれたコンクリート製の釣鐘は、第2次世界大戦で金属製の釣鐘が供出された後に鐘楼がずれないように重し代わりに使われたとのこと。
 弘誓寺を出て浄栄寺、安福寺の前を通り、少し歩くと最後の立寄り地の大城(おおしろ)神社。道路沿いの巨大な石で作られた石垣は昭和天皇の即位を記念して設置された。高皇産霊神(たかみむすひのかみ)や菅原道真公などをお祀りしており、昨年のNHK朝ドラ(カムカムエヴリバディ)のロケが行われた場所として一躍有名になった。ここで集合写真を撮影して12時半頃に現地解散となった。

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 今日はガイドさんの説明で近江商人のことをよく知り、ひな人形を楽しめた有意義な一日であった。(文/讃良)

 

 

研修会 2月22日(水)「季節の植物観察」の報告

 朝礼で今日の講師の華崎さんと赤對さんを紹介の後、赤對さんから今回のテーマの「早春の植物園とスプリング・エフェメラル」について資料の配布とお話がありました。スプリング・エフェメラルは、春先に花をつけ、夏まで葉をつけると、あとは地下で過ごす一連の草花で「春の儚いもの」と言う意味で、「春の妖精」とも呼ばれていて、これで「もうすぐ春が来るよ!」と言う早春の花のイメージが出来てワクワクしてきました。前日に降った雪が所々残る寒い中でしたが、参加人数は会員25名に、実習生8名、一般2名の計35人でした。 (12時30分に森のカフェ前で解散)

 2班に分かれスタートして、私は赤對さんの班に入りました。真っ白の下向きの花を咲かせているスノードロップは夜になると花びらが閉じるそうです。まだ寒い時期に花を咲かせるので、昼の間に吸収したあたたかい空気を貯め込むためと言う説明にしっかり工夫をしていると感心。花びらがまだ閉じた状態でもしずく型で本当に可愛いです。ワイルドガーデンでは、ぶら下がって咲く姿がベルのようにかわいい冬咲きクレマチス、次はペチコートを履いたような形のナルキッスス‘カンタブリクス’を見ました。
 梅の所で「令和」の年号にちなんだ話や万葉集でもっとも多く詠まれているハギに次いでいる事、「梅に鶯」の諺は間違いで、蜜を吸いに来るのはメジロという説明後に椿園に向かい、鳥が蜜を吸い易いように、横向きに咲くと言われる「鳥媒花」であるツバキの花に爪がくい込んだ傷跡の残っているのを探しました。写真の点々でもお分かりのように下の花弁に集中しているのは、蜜を吸うのにバランスをとっているからでしょうか?

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 生態園に入って、ニホンスイセンの葉が捻じれているのはどうして?と言う質問が投げかけられて、皆で考え込みました。「太陽の光をまんべんなく受けるため」という答えに、やはり草花もしっかり工夫しているのだと感心。ダンコウバイ、アブラチャン、トチノキ、ウサギさんのような形のオオカメノキの寒さを乗り切っている冬芽の姿も見ました。キンキマメザクラは、フォッサマグナ植物の一つであるマメザクラの変種で、主に北陸、長野、愛知、近畿、中国地方に分布。いち早く葉が出てくる前に花が咲くそうで、2,3輪が下向きに咲いていました。コロナ前の前回2020年は、当時の研修会ブログに「まさに見頃」とあり、今年の寒さが厳しかったからと納得させられました。
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 人気のセツブンソウ、薬効のあるバイカオウレンやセリバオウレンの仲間たち、ぐるっと回ってフクジュソウの後に、池の周りを通る時には雄のカワセミが縄張りを持って棲んでいる話でしたが姿は見せてくれませんでした。咲き出し始めたいろいろの品種が植えられた梅林ではロウバイも香っています。広場を横切ってシナマンサク、大輪ミツマタを見て「森のレストラン」前の終礼地に向かいました。少し前からお天気も良くなり、ここに着く頃には暖かい日差しが差し込んで来るようになりました。

 今回のメインテーマは「スプリングエフェメラル」でしたが、赤對さんのお話を聞いていると「春の儚いもの」と言う割には短い間に全力で咲いて、しっかりした生存戦略で生きているという印象でした。それには地下で周到な準備を行っているからなのだということで納得です。
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 解散の挨拶の時に、実習生の方からも「早春の花がたくさんあった」、「また来てみたい」という感想を頂きました。また、午後も実習生を中心に、研修会講師の案内で18名が温室ほかを見学しました。   (文/大)