猛暑が続く中、「今月は参加者が少ないのでは」という予想に反して、集合の瀬田駅には多くの参加者が集まりました。会員27名、一般参加3名の合計30名でした。瀬田駅からバスに乗ること10分あまり、朝倉のバス停で下車。今回のリーダーは、瀬田公園で長年湿地の植物観察を続けておられる斎藤ちづみさんです。集合10時、解散14時、暑さを考慮して少し早めに終了しました。
瀬田公園の入り口で、リーダーの斎藤さんから簡単なコースの説明と植生の特徴の説明を受けました。下長尾池~上長尾池周辺を観察。湿原は貧栄養でそこにどんな植物が集まるのか観察してください。さらに、湿原は木陰もなく暑いコースを歩きます。水分を十分に摂って、熱中症対策をしてくださいとの説明と注意がありました。
下長尾池に行く途中、足早でしたが樹木観察をしながら歩きました。アカメガシワ(トウダイクサ科)には果実がたくさんついていました。雌雄異株でこれは実をつけているので雌木です。「木には雄木(オギ)と雌木(メギ)があることを初めて知った」という方もおられました。ヤマコウバシ(クスノキ科)にも実が付いてるが、この木は雌木だけしかない。なんと雌木だけで実をつける構造になっている、日本中クローンの木だという話でした。
さらに、サギソウはどのように増えていくのか。地下茎を伸ばし球茎(球根)を作り、どんどん増えていきます。それで同じ場所にたくさん集まって咲くのです。そんな説明を皆さん熱心に聞き、そして質問も次々とありました。サギソウは環境省の準絶滅危惧種です。瀬田の湿地でも年々減っているとのことです。盗掘や踏み荒らし、温暖化などいろいろな要素があるのでしょう。私たちも足元に気をつけて観察しないといけません。
ミミカキグサ(黄色の小さな花)、ホザキノミミカキグサ(紫いろの小さな花)、モウセンゴケなどは、昆虫を捕まえて栄養にする捕食植物です。その他には、アリノトウグサ、コケオトギリソウなど観察しました。どれもミクロの世界でルーペがないと観察できないものばかりです。
上長尾池では、イソノキ(果実が成っていました)、ノリウツギ(花)、カヤツリグサ科の植物、カモノハシ(イネ科)など多くの植物を観察しましたが、ここでの主役はハッチョウトンボでした。日本一小さなトンボとして知られ、体長は2cm位でしょうか。皆さんカメラを構えて、チャンスを狙っていました。
大変蒸し暑い日でしたが、具合の悪い人もなく最後まで一緒に観察できました。皆さまお疲れ様でした。また斎藤さんには長時間にわたり詳しい説明をしていただき、ありがとうございました。たくさんの花や木の説明をしたいのですが、紙面の関係で書ききれません。写真をアップしますのでそちらでお楽しみください。 (文/やよい)