京とおうみ自然文化クラブ

「京(みやこ)とおうみ自然文化クラブ」は、認定NPO法人シニア自然大学校の京都府・滋賀県の地方組織です。旧ブログは左下リンク集より閲覧できます。

2022年07月

研修会 7月6日(水)「季節の植物観察」の報告

 早くも発生した台風の接近を心配しましたが、前日には温帯低気圧に変わり晴れ間も見える天気となりました。参加者は、26名(会員22名・実習生4名)でした。今月のリーダーは岡かおるさん、新堀裕子さんのお二人です。以下岡さんチームの報告です。

  始めに、リーダーの岡さんから、「今日は蒸し暑い日です。水分補給をしっかり摂りながら観察しましょう!」「今日の観察会ではユリを目当てに考えていましたが、もう散ってしまったり、まだツボミだったりタイミングが難しいです。でも、今日の観察会に合わせて咲いてくれた花もあります」との案内がありました。
 ワイルドガーデンでまず目に留まったのは、蝶です。赤いムラサキバレンギクの花にツマグロヒョウモンが止まっていました。ヒョウ柄のチョウです。昆虫にも詳しい岡さんは、この後もいろいろな昆虫を見つけて説明がありました。カサブランカは前日の雨ですっかり花被が散っていました。この花はヤマユリとカノコユリを交配させた園芸種です。香りがとてもよい花ですが観察できなくて残念でした。コオニユリの花は残っていました。花弁が6枚のように見えますが、実際は3枚のガクと3枚の花弁で、外側の3枚のガクは外花被、内側の3枚は本来の花弁で内花被といいます。コオニユリとオニユリの一番の違いは、ムカゴが付いているかどうか。ムカゴがあるのがオニユリです。同定するときのポイントです。
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 この後は、観察会ではあまり通らない日陰の道を通り、コクサギや針葉樹の樹木を観察しながら、半木神社へ。「こんなところに神社があるんや!」と不思議がっておられる方もいました。「上賀茂神社と下賀茂神社の間にあることから『半木(なからぎ)神社』という。上賀茂神社の境外末社であり、織物業の守護神である」さらに、「この植物園はもうすぐ100年(2024年)を迎えるが、この場所は開園当初からの手つかずの森であり、その当時の樹木の植生があり、下草もたくさん生えている。今は、山に行っても下草が生えていないところが多いが、それは鹿に食べられてしまったからだ」との説明を受けました。「1か月ほど前、この植物園にも鹿が侵入してきたが、柵を直し鹿の侵入を防いだ」とのこぼれ話もありました。
 さらに生態園へと進み、ヤブカンゾウ(ワスレナグサ科)の観察。八重咲きで、雄しべと雌しべが花弁状になっています。オレンジ色で、上向きに咲きます。因みにノカンゾウは一重咲きです。今日は運よくオウゴンオニユリが開花したばかりでした。対馬にのみ自生するオニユリの一種で、ムカゴがたくさん付いていました。黄色の花弁に褐色の斑点が特徴的です。幸運は続き、サクユリも開花していました。サクユリは、ヤマユリの変種で伊豆諸島に自生しています。全体的に大きく芳香も強いです。ヤマユリは花被片内側に黄色い筋、そして赤褐色の斑点がありますが、サクユリの斑点は色が薄く目立ちません。また、ユリ観察の途中、参加者が笹竹の根元にきれいなキノコを発見。キノコに詳しい方で、キツネノハナガサだと判明。非常に薄く繊細なキノコでした。雨が降った翌日に出てきて、半日でもうしおれてしまうそうです。美しいキノコにも出会えてラッキーでした。

 終了後の実習生の感想です。「講座とはまた違い、実際に見て回りその奥深さがよく分かった」「花の形には訳がある。よく見て分かった」「今まで見たこともない、花や木、キノコをいっぱい見せてもらって面白かった」など、皆さん熱心に楽しく観察されていました。 (文/Tやよい)

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  *今回紹介しきれなかった植物がたくさんありますので、その一部を写真で紹介します。また、当日は咲いていなかったヤマユリ(紅筋)が翌日に咲きましたのでそれも紹介しておきます (写真はクリックで大きく表示されます)。


                                   

7月~10月の行事予定

予定表2207-10

★雨天決行以外の屋外行事について、前日17時発表の気象庁の天気予報(=17時以後の電話の天気予報またはNHK21時前の放送)で、該当地域の行事当日の午前中の降水確率が60%以上の場合、中止です。詳しくは当クラブの概要紹介を参照願います。