早くも発生した台風の接近を心配しましたが、前日には温帯低気圧に変わり晴れ間も見える天気となりました。参加者は、26名(会員22名・実習生4名)でした。今月のリーダーは岡かおるさん、新堀裕子さんのお二人です。以下岡さんチームの報告です。
ワイルドガーデンでまず目に留まったのは、蝶です。赤いムラサキバレンギクの花にツマグロヒョウモンが止まっていました。ヒョウ柄のチョウです。昆虫にも詳しい岡さんは、この後もいろいろな昆虫を見つけて説明がありました。カサブランカは前日の雨ですっかり花被が散っていました。この花はヤマユリとカノコユリを交配させた園芸種です。香りがとてもよい花ですが観察できなくて残念でした。コオニユリの花は残っていました。花弁が6枚のように見えますが、実際は3枚のガクと3枚の花弁で、外側の3枚のガクは外花被、内側の3枚は本来の花弁で内花被といいます。コオニユリとオニユリの一番の違いは、ムカゴが付いているかどうか。ムカゴがあるのがオニユリです。同定するときのポイントです。
さらに生態園へと進み、ヤブカンゾウ(ワスレナグサ科)の観察。八重咲きで、雄しべと雌しべが花弁状になっています。オレンジ色で、上向きに咲きます。因みにノカンゾウは一重咲きです。今日は運よくオウゴンオニユリが開花したばかりでした。対馬にのみ自生するオニユリの一種で、ムカゴがたくさん付いていました。黄色の花弁に褐色の斑点が特徴的です。幸運は続き、サクユリも開花していました。サクユリは、ヤマユリの変種で伊豆諸島に自生しています。全体的に大きく芳香も強いです。ヤマユリは花被片内側に黄色い筋、そして赤褐色の斑点がありますが、サクユリの斑点は色が薄く目立ちません。また、ユリ観察の途中、参加者が笹竹の根元にきれいなキノコを発見。キノコに詳しい方で、キツネノハナガサだと判明。非常に薄く繊細なキノコでした。雨が降った翌日に出てきて、半日でもうしおれてしまうそうです。美しいキノコにも出会えてラッキーでした。
終了後の実習生の感想です。「講座とはまた違い、実際に見て回りその奥深さがよく分かった」「花の形には訳がある。よく見て分かった」「今まで見たこともない、花や木、キノコをいっぱい見せてもらって面白かった」など、皆さん熱心に楽しく観察されていました。 (文/Tやよい)