早朝は雨で天候をおおいに気にしましたが、京都府立植物園に着いたときは雨も止んでおり安心する。今年最初の研修会で説明担当者は齊藤さん、今日は冬芽の説明をして頂く。参加者は会員12名、実習生3名、専科観察科8名、一般参加1名の計24名。

 まずはクマノミズキから観察のスタ-ト、芽鱗のない裸芽で先端に2枚の幼い葉が向き合っているのが観察できた。次にシダレカツラ、京都にはなぜかシダレと付く植物が多いとの事。仮頂芽、側芽が対生につくがよく見ると少しずれて互生についているのもあった。トウキササゲの三輪生で葉痕が大きいのは葉が大きいからだと聞き納得する。
 ここから見てください、これがトチノキですと紹介される。枝が太く葉痕も大きい、頂芽に触れるとネバネバしている、コートの代り寒さから芽を保護しているからか、また芽鱗痕の説明もしていただいた。イロハモミジは対生、仮頂芽が2つ並ぶ、又枝により成長が異なっているのが良くわかる、落枝痕も確認できた。カジノキの枝は毛深い、葉痕の維管束痕は左右に細い線ありル-ペで確認。ザイフリボクは三大美芽の一つで芽鱗が赤く、芽鱗の間から白毛がはみ出し美しいと言われている。ソメイヨシノの花芽と葉芽も花芽は丸く、葉芽は尖がっている。シナレンギョウの冬芽は凄い、赤く色づく頂芽とたくさんの、頂生側芽が観察できた、側芽は予備芽が多いのが特徴。また芽鱗痕は4列に並ぶ、側芽を見れば十字対生であることがわかる。サンシュユも丸いのが花芽で尖がっているのが葉芽。オオモミジとイロハモミジは冬芽でも区別できるとの事、オオモミジは冬芽が大きい、仮頂芽基部の膜質鱗片も大きい、これを毛糸のパンツと言うそうだ。

観察風景
 メグスリノキはやたら毛が多い、芽鱗がはっきりと確認できた。アジサイを観察する、大きな裸芽で葉脈がはっきり見える、葉痕も大きく維管束痕も確認できた。シラキの葉痕は可愛い、三角帽子をかぶった坊やのように見える。エゴノキでは副芽を観察。ユリノキの平たい冬芽はアヒルの口ばしに似る、托葉痕は枝を1周する。ハクウンボクにも主芽の下に副芽があり柔らかい毛、エゴノキの倍の大きさ。葉柄内芽の後が確認できた。イワガラミの葉痕も珍しい顔で猿?に見えてきた、側芽は十字対生であるのもよくわかる。ミツバウツギには果実が今も残る形はちょうちんブルマ、対生で維管束痕が3個ある。アブラチャンの花芽は丸く小さい、葉芽は赤く尖っている。オニグルミ、裸芽で葉痕は大きく羊の顔に似る。バイカウツギの冬芽は葉痕の中に隠れている隠芽、ル-ペで見ると葉痕の中央が割れて芽が出そうなのが観察できた。ヤマコウバシは混芽との事、花芽と葉芽が混在する冬芽だが展開するまでわかりにくい。ヤハズホオノキの頂芽は大型で葉柄が合着しているのが肉眼で確認できた。

 観察はこれで終了23種の冬芽を見る。皆さんこの後も冬芽の話で大いに盛り上がる。終礼での実習生の感想は自然の面白さを認識しました、春先にどのように変化するか楽しみですまた来ようと思っております。良い勉強になりました色々とル-ペで発見いたしました等。満足していただけて何よりでした。担当の齊藤さんには冬芽について詳しく興味深く説明をいただき有難うございました。これを機会に楽しく学んで行きたいと思っております。   (文/澤田章夫)

冬芽
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