梅雨末期の悪天候が続いていましたが、今年度初めての研修会が実施された7月14日は朝から日差しが照り付けました。(「京とおうみ」の活動は緊急事態宣言で4,5,6月は中止になりました。)参加者は実習生一人と新入会員4名を加えた25人で本日の講師は岡さんと新堀さんでした。澤田勉さんの挨拶に続いて事務局の赤對さんから熱中症の予防や雷が鳴った時の避難などの注意があった後、2班に分かれて出発いたしました。

 私は新堀さんの班にいれてもらいました。まず、「私は植物園の案内人なので、皆さんがご存じことや疑問に思ったことなどをいろいろと自由に気軽に話し合いながら進めたいと思います」と、研修会の趣旨をお聞きしました。ワイルドガーデンの中はもう夏のいろいろな花が満開状態です。噴水側の派手に咲いたタイタンビカスも夏の雰囲気ですが、仲間のトロロアオイも小さいながらも夏をアピール。黄色いゴーヤや赤いペンタスなどもトロピカルムードを盛り上げています。

 でも、なんといっても今の時期はユリが見頃です。オニユリ、オニユリにそっくりでムカゴのつかない黄カノコユリや、ユリズイセンという和名をもつアルストロメリアを見てから東屋でユリの説明がありました。ゆり根の話から、鱗片に気孔があるのは鱗茎がもとは葉であつた事の証明になるという説明に植物の不思議な生態に興味を持ちました。ムカゴや木子をつけるのも植物が生きていくうえで都合が良かったのでしょうか。シナアブラギリの蜜腺に蟻がくる話や、クロキが染料に使われているという話を聞いているうちに落雷音が聞こえたかと思うとみるみる大粒の雨が落ちてきました。

 ひとまず東屋に避難しましたが、止みそうにないので観覧温室に予定変更することになりました。お釈迦様がこの樹の下で悟りを開いたとされる「インドボダイジュ」や、アナナス類やアンスリウムなどを見てから、一番見たかった「ショクダイオオコンニャク」が高くそびえていました。インドネシア・スマトラ島に分布するサトイモ科の球根植物で、「世界一、高くて臭い花」などとして、ギネス記録に認定されているといいます。後2,3日で開花するそうですが、まだ仏縁苞で包まれていました。開花すると発熱し、強烈な腐敗臭を放つそうです。ぜひ、このにおいを嗅いでみたいと思います。

 雨がやんで残り少ない時間でしたが、生態園の中の植物を駆け足で回っていただきました。コロナの影響もあり12:20分までの研修会でしたが、最後は天気も回復して岡さんグループと合流して解散しました。 (文/大川内) 

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2021年7月14日(水)10:00~12:20 京都府立植物園