京とおうみ自然文化クラブ

「京(みやこ)とおうみ自然文化クラブ」は、認定NPO法人シニア自然大学校の京都府・滋賀県の地方組織です。 旧ブログは左下リンク集より閲覧できます。

例会 10月11日(火)「京の大仏、ゆかりの地を巡る」の報告

 前日までのぐずついたお天気が一転晴れ渡りましたが少し寒さを感じる朝でした。京阪七条に集まったのは26名と一般1名の計27名。講師は、前回の「東寺周辺の散策」に続き山下さんです。

 京阪七条の鴨川べりからスタートし、京阪電車の地下化に伴い暗渠化された琵琶湖疎水の上を歩き、やがて、正面通を東へ歩むと小高い「耳塚」が見えてきます。秀吉の朝鮮出兵は、現代から見れば明らかな侵略戦争で、むごい事ですが、せめてもの塚を造って「供養」した事が救いで、今は歴史の証人となって佇んでいます。ここから方広寺の大仏殿跡地に向かいますが、途中、正面橋からつづく参道跡で「大仏餅」の名が今も残っていました。

七条
京阪七条駅
 方広寺では、国内最大の重さを誇る鐘が出迎えてくれます。重さは、なんと日本一の82.7tですが、何といっても、鐘の銘文中の「国家安康 君臣豊楽」の8文字に家康が難癖を付け、やがて豊臣家滅亡に至らせたいわく付きの鐘です。尤も、皆さんの関心は「どうやってこの重い鐘を吊るしたのか?」でした。また、方広寺の大仏は、何度か作り替えられましたが、多くが「木造」であったのには意外で驚きました。それに、地震で壊れた初代大仏に、秀吉が「おのれの身も守れぬのか」と眉間に矢を放った、とのお話にはびっくりでした。

 豊国神社の秀吉像前で全員記念撮影を行い、大和大路を南に下り、私の30年来のお気に入りの餡子屋「味不二庵」の手前を東に折れ「太閤塀」を眺めます。ここでは秀吉の家紋の変遷を知りました。なんでも、農民の出で家紋が無く自分で勝手に作り、信長に大目玉を喰らったのは秀吉らしいですね。

 そして今度は北に向かい、左手に「三十三間堂」を見ながら七条通りを右折、東大路を渡り、豊国廟参道に至ります。この辺りは、昔の京都の墓域で「鳥辺野」と言い、ここのほか「化野」「蓮台野」などがあり、普通の庶民は風葬が一般的であったとのお話です。本来のプランでは500段の階段を登って、秀吉の遺言での墓所、阿弥陀が峰から京都を一望俯瞰する予定でしたが、シニアの足腰に配慮し今回は見送りました。また、改築時に発掘された秀吉の棺の甕の中で、ミイラ化した秀吉が座っている様子を描いたイラストを見て、秀吉が好きだった京都の街を永遠に眺めているんだ、と思いました。それに、京都の人たちも秀吉贔屓だったようです。いっぽう、ふもとの「女坂」を走る京都女子大の送迎バスの「Princess Line」のロゴの入ったおしゃれなバスは、この辺りの墓域のイメージを払拭するような明るく生き生きして印象的でした。

 少し戻って、東大路を南に下り、普段は、表しか通らない「智積院」の内側の参道を歩き、再び東大路に出て、JR線を下に見ながら近くの公園で三々五々のお弁当タイム。雨でなくてラッキーでした。

行程写真
 昼食後、暫く歩いて「新熊野神社」に着きます。ここは1160年、後白河上皇が平清盛の援助を得て、熊野から勧請した神社で、梛(ナギ)の木がご神木です。また、上皇のお手植えの大楠の木が樹齢900年を誇って、今も枝を張っています。
 この後、最後の目的地の東福寺に向かいます。初めて知ったのですが東福寺は、奈良の東大寺の「東」と、興福寺の「福」を取って付けられたとの事、意外に安易なのに驚きです。長い参道を歩いて、青もみじの下を清らかに流れる清流「洗玉澗」に掛かる「通天橋」を遠望し、蓮池越しにそびえる2階建ての「三門」や、公衆トイレのような「東司」などが見れる興味深いコースです。また、お茶の木が植えられており、お茶の日本渡来が禅宗によるものだと思い出されました。それに、ずっと奥まで歩くと、一番上流にある「偃月橋」が静かに待ってくれていました。穴場のようです。

 東福寺で解散後、JRの事故で、京阪も不通になり、JR組は京都駅まで歩くなどでやや歩き疲れましたが、爽やかで乾いた心地よい風の中の1日でした。山下さん、有難うございました。  (文/事務局KS)




研修会 9月26日(月)「季節の植物観察」の報告

 お彼岸も過ぎたのに、京都は30度を超える真夏日になり、暑い中の研修会になりました。参加者は、18名(会員17名、実習生1名)、9名ずつ2チームに分かれ、比較的少人数で充実した研修会でした。リーダーは、讃良さん、華崎さんのお二人、秋の樹木、草花等を観察しました。

 まずは華崎さんチーム、ワイルドガーデン及び周辺で、シナノキの仲間であるボダイジュ、ヘラノキ、シナノキの葉、実等を観察し、特徴などをわかりやすく説明していただきました。これらの樹木には、もう茶色で球形の実が苞にぶら下がっていました。実は、苞がプロペラノのようにクルクルと回って風に乗って遠くに飛ばされます。遠くに飛ばされるのは、自家受粉を避けるためです。
 昨年のワイルドガーデンのシナノキは、元気がなく、実もほとんどついていなかったのですが、今年の春には、たくさんの花を咲かせていたので、実がいっぱいぶらさがっていました。私だけが思うのか、今年は、どの樹木も昨年より早く、そして多くの実をつけているような気がしました。ブナ、ノグルミ、オニグルミも実をつけていました。特にブナは、何年かに1度しか実をつけないそうです。高木なので見にくいですが、上の方に実がついているのを確認できました。残念ながら下には落ちていませんでした。10月には落ちているのを期待して探そうと思いました。「ブナは、5年から7年に1回の割合で大量に実を落とす。それによって森の生き物の数が増えるのだが、そのあと極端に不作の年が続く。そうやって森の生き物の数をコントロールしている。」とのことです。

華咲チームs
華﨑チ-ム/ブナの実を探す
 オニグルミの実は下に落ちていたので観察することができました。クルミの実は重たそうに見えるのですが意外と軽いです。山地の沢や川辺に自生して実が川に落ち、浮き、流されて散布するためです。ヒヨドリバナ、フジバカマもかわいい花を咲かせていました。フジバカマの葉は三裂するが、ヒヨドリバナの葉は裂けないのが特徴です。タイワンホトトギスも少し花をつけていました。ホトトギスとの違いは花の付き方です。あとで生態園に咲いているホトトギスと見比べます。

 次は生態園の中へ。入口付近では、ひっつき虫でお馴染みのアレチヌスビトハギが、かわいい濃いピンクの花を咲かせていました。もう少し中へ進むとアブラチャンが大きな実をぶら下げていました。花は小さいのに実は大きい。まっすぐに進むとオトコエシ、オミナエシの花も咲いていました。背が高くて男らしいのがオトコエシ、それに比べて楚々と女らしいのがオミナエシ(ジェンダーレスの現在では、こういう名前はつかなかっただろなあ)。カンコノキもカボチャみたいな実をつけていました。花は小さくて目立ちません。ハナホソガとの共生の話、またきれいな青紫色の花を咲かせているカリガネソウの虫を介しての受粉の仕方の話がおもしろかったです。
 池の近くでは、タヌキマメが紫色のきれいな花を咲かせていました。一日花です。昨年は花を見ることできなかったので今回見ることができてよかったです。実がたくさんできており、茶色の毛に覆われ、本当に狸の毛みたいでした。昨年は、こんなにたくさんの実はなかったように思いました。ツクバネの果実も、羽子板の羽根のようにぶら下がっていました。ガマズミの実もきれいでした。ハナナツメもカップラーメンのような実をつけていました。フジカンゾウもピンクの花が咲き、サングラスのような実をつけていました。ひっつき虫なので、引っ付かないように離れて通過しました。ホトトギスの花が咲いていました。ホトトギスは、葉の付け根に花を上向きにつけますが、先程のワイルドガーデンのタイワンホトトギスは、茎先に花をつけます。コンテリクラマゴケが日に照らされて青く光ってきれいでした。

讃良チームs
讃良チーム/シナアブラギリの説明

 讃良さんチームは、東屋で水分補給休憩をしておられました。来春、「牧野富太郎」をモデルにした朝ドラが始まる話をしておられました。是非とも朝ドラ観てみたいと思います。
 東屋の前のハゼノキを観察し、ヤマハゼと違いの説明があり、フユザンショウ、コブシ、ヤブムラサキ、ムラサキシキブ等の観察もしました。池の付近では、冬に枯れた茶色の茎に霜柱ができることで知られているシモバシラが、片側だけにズラッと白い小さな花を咲かせていました。冬の姿からは想像できないほどきれいな花でした。そして本日のお目当ては葉がビワに似るハマビワの可憐な花と実、観察の締めくくりはマツムラソウ多数の黄色い花を一方方向につけてました。

 今月の研修会は、花も実もたくさん観察することができました。実習生の方も「密度の濃い勉強ができた。」と最後に感想を述べられていました。暑い中、わかりやすく丁寧に説明していただいたリーダーの讃良さん、華崎さん、ありがとうございました。   (文/A.N.)

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例会 9月15日(木)「東寺界隈の散策と京都市防災センター見学」の報告

 近鉄東寺駅に午前10時集合。案内役の山下裕章さんを含め18名で出発した。東寺はすぐ近くなので、まず北向きに10分ほど歩いて、伏見稲荷の御旅所へ。山下さんによると、空海が東寺建立の際、伏見山の木材を利用したことで伏見稲荷に断りをいれたとのこと。

 日本で初めての私立学校「綜芸種智院」の側を通り、東寺の南大門に入った。すぐ右に五重塔。日本一高く54.8mという。境内は東西255m、南北515mと壮大。設立当時は西寺・右寺があり、東寺は左寺であったが、残っているのは東寺のみ。創建1200年、唯一残る平安京の遺構である。

 嵯峨天皇から託された弘法大師・空海は密教の主尊・大日如来を中心に設立。金堂に薬師如来、日光菩薩、月光菩薩を据えた。太子堂は御影堂とも呼ばれ、空海が住居表示とした。天皇を迎え入れたのが小子房。その西側に晩年高野山に向かった蓮花門があり、不動明王が空海を見送ったと言われている。見どころの多い東寺だが2時間はあっという間だ。午前中一杯、空海のさわやかな空気に感じ入った。   

東寺_s

 午後は、南へ9分ほどで京都市市民防災センターを訪ねた。センターでは2チームに分かれて体験スタート。私のチームは最初に一階の地震体験から。2番目は映像体験室で京都市の水害や地震状況の映像視聴。3番目は4Dシアターで地下街での水害の恐怖映像の後、水圧のかかったドアを各自実際に開ける体験。水深10cm(4kg/cm2)・20cm(16kg/cm2)では簡単に開けられたが、30cm(32kg/cm2相当)で力を入れて開けようとした際、右足のふくらはぎに強い痛みを感じ中断した。

 すぐに病院で応急処置をして地元の医師に診てもらった。アキレス腱断裂の大事に至らなくて良かったが、教訓として年令を考えずに無理な力を出すのは大きなリスクがあることを学んだ。  (文/吉田)

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9月~12月の行事予定

行事予定220209-12

予定表はクリックで大きく表示されます

★雨天決行以外の屋外行事について、前日17時発表の気象庁の天気予報で、
 該当地域の行事当日の午前中の降水確率が60%以上の場合、中止です。
 詳しくは当クラブの概要紹介を参照願います。


例会 8月23日(火) 「瀬田公園湿地の植物観察会」の報告

 猛暑が続く中、「今月は参加者が少ないのでは」という予想に反して、集合の瀬田駅には多くの参加者が集まりました。会員27名、一般参加3名の合計30名でした。瀬田駅からバスに乗ること10分あまり、朝倉のバス停で下車。今回のリーダーは、瀬田公園で長年湿地の植物観察を続けておられる斎藤ちづみさんです。集合10時、解散14時、暑さを考慮して少し早めに終了しました。

 瀬田公園の入り口で、リーダーの斎藤さんから簡単なコースの説明と植生の特徴の説明を受けました。下長尾池~上長尾池周辺を観察。湿原は貧栄養でそこにどんな植物が集まるのか観察してください。さらに、湿原は木陰もなく暑いコースを歩きます。水分を十分に摂って、熱中症対策をしてくださいとの説明と注意がありました。
 下長尾池に行く途中、足早でしたが樹木観察をしながら歩きました。アカメガシワ(トウダイクサ科)には果実がたくさんついていました。雌雄異株でこれは実をつけているので雌木です。「木には雄木(オギ)と雌木(メギ)があることを初めて知った」という方もおられました。ヤマコウバシ(クスノキ科)にも実が付いてるが、この木は雌木だけしかない。なんと雌木だけで実をつける構造になっている、日本中クローンの木だという話でした。

下長尾池
下長尾池
 いよいよお目当てのサギソウの観察へ。池のほとりに純白の白い花がかたまって咲いていました。参加者の興味が一斉にサギソウに集中し、顔を近づけて観察、カメラに収める、リーダーの説明を聞くなど、一気に観察モードになりました。その姿は、本当に白鷺が飛んでいるように美しい。花弁は3枚で、1枚の側唇弁が変化して、両側の唇弁(シンベン)は扇形で縁がギザギザに細かく裂けています。そして、長い距(キョ・3cm位)があり、そこに蜜が入っている。その蜜を求めて、長い口吻(コウフン)を持ったスズメガがやってくる。これまでスズメガはホバリングで蜜を吸うと考えられていましたが、最近の研究でギザギザの花弁の縁は昆虫が止まりやすい構造になっているのだということがわかりました。ギザギザは昆虫の足場だったのです。
 さらに、サギソウはどのように増えていくのか。地下茎を伸ばし球茎(球根)を作り、どんどん増えていきます。それで同じ場所にたくさん集まって咲くのです。そんな説明を皆さん熱心に聞き、そして質問も次々とありました。サギソウは環境省の準絶滅危惧種です。瀬田の湿地でも年々減っているとのことです。盗掘や踏み荒らし、温暖化などいろいろな要素があるのでしょう。私たちも足元に気をつけて観察しないといけません。
 ミミカキグサ(黄色の小さな花)、ホザキノミミカキグサ(紫いろの小さな花)、モウセンゴケなどは、昆虫を捕まえて栄養にする捕食植物です。その他には、アリノトウグサ、コケオトギリソウなど観察しました。どれもミクロの世界でルーペがないと観察できないものばかりです。

 上長尾池では、イソノキ(果実が成っていました)、ノリウツギ(花)、カヤツリグサ科の植物、カモノハシ(イネ科)など多くの植物を観察しましたが、ここでの主役はハッチョウトンボでした。日本一小さなトンボとして知られ、体長は2cm位でしょうか。皆さんカメラを構えて、チャンスを狙っていました。

上長尾池
上長尾池
 午後からは、この公園を管理しておられる西武造園の職員の方も加わり、湿原の説明をしてくださいました。この湿原の近くには高速道路が通っていて鹿もイノシシも入ってこられない、そのため食害に遭わずに自然が残されているとの話が印象的でした。最後に東屋で集合写真を撮って終了となりました。

 大変蒸し暑い日でしたが、具合の悪い人もなく最後まで一緒に観察できました。皆さまお疲れ様でした。また斎藤さんには長時間にわたり詳しい説明をしていただき、ありがとうございました。たくさんの花や木の説明をしたいのですが、紙面の関係で書ききれません。写真をアップしますのでそちらでお楽しみください。 (文/やよい)

瀬田公園
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