京とおうみ自然文化クラブ

「京(みやこ)とおうみ自然文化クラブ」は、認定NPO法人シニア自然大学校の京都府・滋賀県の地方組織です。旧ブログは左下リンク集より閲覧できます。

例会 12月10日(水)「吉田山と京大総合博物館を訪ねる」の報告

 京大正面前バス停から東一条通りを東に歩いて吉田神社鳥居をくぐって吉田神社に到着。参加者は会員27名、一般参加2名、計29名。
 吉田神社は859年に藤原山蔭が京の都の鎮守として春日大社から藤原一族の四神を勧請して創建された。この山蔭の子孫には天皇が多い。節分祭が有名で、前日に降りてきた鬼を本殿から矢を放って追い払い、翌日に改心した鬼が福鬼になり頭をなでると厄を払うなどの解説があった。
 吉田山は花折断層の横ずれによってできた山で、この花折断層に沿って鯖街道があると教えていただいた。
 菓祖神社は田道間守命、林浄因を祀っている。田道間守は垂仁天皇の命を受けて非時香果を十年後に持ち帰ったがすでに垂仁天皇はなくなっており、それを嘆き悲しんで死んでしまった。この時に持ち帰ったのが橘でこれがお菓子の始まりとされている。この神社の前にタチバナが植えてあり、果実が沢山なっていた。タチバナは五百円硬貨の裏面に刻印されていると聞いて、みんなが五百円硬貨を取り出して刻印を探すと。確かに裏面の左右に刻印されていた。また文化勲章にも使用されていると聞いた。一方、林浄因は中国から来日した禅僧。中国の饅頭には肉が使用されているので禅宗では食べられない。そこで小豆を使った饅頭を作ったところ宮廷にも献上されるほどの評判となり、そのために「饅頭の神様」として菓子業界では崇められている。
 山蔭神社は吉田神社を造った藤原山蔭を祀っており、日本で最初にあらゆる食物を調理調味した始祖として「包丁の神」「料理飲食の始祖」として崇められている。5月8日には「庖丁」と「まな箸」だけで食材に触れずにさばき瑞祥に盛り付ける「式庖丁」が行われる。
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 斎場所大元宮は吉田兼倶が創建。吉田神道を起こし、全国の神を祀った。伊勢神宮の内紛により火事でご神体が不明なるなど伊勢神宮の神霊が愛想をつかして吉田山に飛んできたとして天皇からそのことを認められたことで明治維新まで権力を握っていたとの話があったが、伊勢神宮の内宮と外宮の内紛や神が飛ぶことを初めて聞いて驚いた。
 途中で、ヒサカキの実を潰すと綺麗な紺色になることに驚き、また赤い実がたわわになっていたイイギリの葉柄には多くの蜜腺があるのを確認した。
 吉田山山頂へ登りながら、吉田山公園にある三等三角点「紅もゆる」の歌碑、谷川茂次郎が茶の湯のために建てたが現在はカフェになっている茂庵を見て山頂の東屋に着いた。ここから大文字が綺麗に見えたが、樹木が多くなって視界が狭くなっていたのは残念だった。
 吉田山公園に戻って、ここで食べる人と下って京大のコンビニ前で食べる人と分かれて昼食。吉田山公園で昼食を食べた人の多くは京大の百周年時計台記念館1階にある京都大学歴史展示室で京都大学、第三高等学校の歴史を見てから京都大学総合博物館に向かった。懇親忘年会に行かない人もいるので入館前に解散した。
 京都大学総合博物館に入ってすぐに今年ノーベル賞を受賞した北川。坂口両先生の展示があった。自然史ではフィールドワークの成果を中心に、技術史では昔の実験機器などが、文化史に関しては古文書や埴輪などが展示されていた。自然史の展示が多く興味深かったが少し暗くて説明を読むのが老眼にはつらかった。
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 朝に少ししぐれたが、晴れていて風もなかったので暖かくまだ紅葉の残った吉田山の散策や京都大学構内やその研究成果なども見られて楽しい一日だった。 (文/三輪)

研修会 12月1日(月) 「季節の植物観察・色づいて魅せる紅葉」の報告

 参加者:会員24名、実習生2名、一般参加者3名 合計29名
 天 候:晴時々曇り、気温:18℃
 案内役:高橋さん・中林さん 時間:10時~12時30分

 京都盆地を取り囲む峰々の紅葉がとても綺麗な季節です。植物園の樹木も色づき一段と美しくなっています。「朝から暖かく観察するには良い日です。紅葉を楽しみましょう!」と挨拶の後、12時まで各班で観察し、残りの30分間は集めた葉を皆さんで楽しく同定する予定とのこと。私は高橋さんの班に入りました。紅葉したいろいろな葉を集めていきます。
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1.ワイルドガーデンにあるメタセコイアは左右がアンバランス。左側には以前大きな樹が植わっていたので枝が伸びず成長できなかったそうです。これからは伸び伸び育ってほしいと思いました。葉は羽状複葉のようにみえますが、小さい葉が向き合って付いている対生です。
2.トウカエデ 樹皮は縦に避けはがれる特徴があり、葉はカエルの手に似ていることから「かえるで」と呼ばれ転じて「カエデ」になった。鋸歯はありません。
3.エノキの葉は大小があり鋸歯は葉先から葉の半分ぐらいまで。側脈は縁に達せず、葉の左右は非対称。樹皮には横筋が入っています。(縦ムク横エノキと覚えましょう!)
4.イチゴのような実が付いているのはイチゴノキです。名前の由来になっています。樹に花と実が同時に付き、実が青色や赤色になりカラフルで可愛い!皆さんも花と実を楽しまれていました。
5.カラコギカエデは日本の固有種。葉が異形葉であることを知りました。1個に切り離した翼果を飛ばし回転しながら落ちていく様子は何度観ても綺麗です。
6.紅葉の条件は①8℃以下で寒暖差が大きい。②日中陽があたること。③適度な水分があること。紅葉の仕組みを知り、色素のクロロフィル、アントシアニン、カロテンの関係も学びました。
7.イロハモミジヤマモミジオオモミジの鋸歯の比較、クヌギアベマキの葉や樹皮の違いを確認しました。
8.竹笹園のアカダマキヌガサダケは菌網(レース部分)部分が開かない状態で生えていました。気温が低いためでしょうか?冬の訪れを知らせてくれているようです。
9.毎年美しい深紅の紅葉を見せてくれるムクロジ科のハナノキ(ヘリテージツリー)は落葉が半分以上進んでいました。葉裏が粉を吹いたように白いのは、毛があるため?ロウ質のため…。おそらくロウ質のためでしょう…。
10.マグワの葉、マユミの果実、ツリバナの果実、ナツツバキの紅葉を観察しました。
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11.日本最大級であるヘリテージツリーのフウの眞下にいると濃いオレンジ色の万華鏡の中にいるようでした。落ち葉をちぎって嗅ぐと独特の香りがする。樹脂は楓香脂と呼ばれます。2018年の台風で先端が折れたそうですが、衰えを感じさせない樹形です。
12.別名:喜樹と呼ばれるカンレンボクにはバナナのような果実がぶら下がっていた。
13.クチナシの果実は熟しても口が開かないので「口無し」と呼ばれます。将棋盤の脚部はクチナシの果実を模しています。勝負の世界では「口出し不要」ということから。
14.生命力旺盛で「ひこばえ」がたくさんでるコウヨウザン、小さな丸くて赤い果実をつけるランシンボク。世界三大紅葉樹はスイバノキ(別名:スズランノキ)、ニッサボクニシキギと教えて頂く。確かに美しい。スイバノキはほぼ落葉していて葉が残っているのは上の方だけ、来年の紅葉のお楽しみに。
15.イイギリの赤い果実が鈴なりに付いていた。他の果実がなくなったときに鳥が食べにくるそうだ。美味しくないのかしら?
16.イイギリの近くにヤツデの花が咲いていた。雄蕊が先に伸びて雄性先熟であることを確認。
17.植物生態園のヤブムラサキに薄紫色の果実が付き葉や顎に毛があるのを観察。ふわふわの葉の触感に皆さん気持ち良さそうでした。
18.高木のタマミズキの枝に赤い果実が付いている。大きさはどれぐらいでしょうか?5円玉(穴の直径5ミリ)と50円玉(穴の直径4ミリ)どちらの穴の大きさでしょうか?の質問に皆さん悩んでいた。答えは直径3ミリ。枝に付いている時は大きく見えるが実際は小さいと実感した。葉痕は人の目玉のようでした。みつめられているのかしら…。
19.ツルソバは白い花をつけていた。葛饅頭のような果実は美味しそうです!
20.キチジョウソウの花は生い茂った葉に隠され目立ちにくいが確かに咲いていた。吉事があるかもしれないと思った。
21.針葉樹ネズに半寄生するツクバネ、羽根突きの羽根のような果実は残念ながら見当たらなかった。
22.葉やドングリを並べて同定し葉の特徴を確認
 アベマキ、クヌギ、アラカシ、シラカシ、シリブカガシ、カシワ、ナラガシワ、ミズナラ、アカガシ、ウバメガシ、アブラギリ、ハナノキ、カラコギカエデ、トウカエデ、カイノキ
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 *ヘリテージツリーとは、昨年京都府立植物園100周年を記念して選定された歴史的遺産樹木のことです。38本選定されています。

 高橋さんの工夫された伝え方に感心しました。また植物の隠された不思議を見つける喜びを友人に伝えることができとても充実した一日でした。   (文/M)

例会 11月28日(金)「錦秋の洛北・修学院界隈の山裾を散策する」の報告

 晩秋の一日、当クラブが毎月研修会を行っている京都府立植物園から北にある松ヶ崎駅に10時集合。参加者は会員30名一般参加1名の合計31名、講師は歴史と文化で何時もお世話になっている当会員の松浦さん。松ヶ崎の歴史は古く平安京が作られた時に奈良の平城京から百姓百軒を移住させ田と山林を貸し与えて皇室の為の米作りをさせたのが始まりと言う。 
 地域は、日蓮宗の信徒が多く、五山送り火の「妙法」があることでも有名である。「妙」の字が目の前にあるグランド横で朝のミーティングを行い、先ずは、日蓮宗の妙泉寺と本涌寺が合体した「涌泉寺」へ、鮮やかな紅葉が我々を迎えてくれた。天気は薄曇りであるが、皆さんそれぞれスマホを手にカメラマンに。
 涌泉寺から「松ヶ崎の大黒さん」と親しまれている妙円寺へ。五山の送り火「法」の山腹にあり、ここでも紅葉を楽しむことが出来た。
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 白雲稲荷神社を通り、開けた場所からは、これから行く方面の山々が美しく見える。高野川、叡山電鉄を超え、音羽川沿いを歩き京都大学国際交流会館,鷺森神社御旅所の前を通り、近くの公園で早めの昼食を済ませる。
 午後は赤山禅院へ。ここは、平安初期に第三世天台座主円仁の遺命によって創建された、天台宗総本山延暦寺の塔頭のひとつ。京都御所から表鬼門の方向にあり拝殿屋根の上には「御幣と鈴を持った猿」が見える。また、松浦さんから説明のあった中国から伝わった「道教」の影響が随所にみられる。
 修学院離宮には、予約見学の方が待機されていたが、我々は、表門から写真だけを撮らしてもらう。
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  紅葉の名所でもある「鷺森神社」は、スサノオノミコトを祀り、境内には「八重垣」と言われる縁結びの石がある。
 関西セミナーハウス(清心庵と言う茶室があるとか?)の前を通り紅葉で有名な「曼殊院」へ、ここは多くの人で賑わっていた。お寺に入ることなく紅葉と白壁の写真をゲット!同寺院には、先般(10/8の例会)で一部の方が訪れたようである。
 徳川家康が国内教学の発展を図るため建立した「圓光寺」も紅葉で人気のあるお寺である。10/8の例会で訪れた八大神社、詩仙堂、一乗寺下り松を見学して叡山電鉄「一乗寺駅」手前で解散となる。
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 約10kmのコースで、解散時には皆さんお疲れ気味ではあったが、紅葉を楽しむことが出来た一日であった。松浦さんからは、うんちくを傾けて頂き興味を持って一日を過ごすことが出来ました。 (文/T.S.)

12月~2月の行事予定

注意!
12月10日「吉田山と京大総合博物館を訪ねる」の
集合場所・時刻が、当初の吉田神社鳥居下10:30から、
京大正門前バス停10:15に変更になっています!

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予定表はクリックで大きく表示されます

雨天決行等の特記のない屋外行事は、前日
   21時前の
NHK天気予報や、前日17時
   の気象庁ホームページの天気予報で、行事
   実施地域の午前中(気象庁ホームページは
   6~12時)の降水確率が
60%以上の場
   合、中止です。なお、
気象庁ホームページ
   は当日の5時に更新されますが、その結果
   にかかわらず、前日17時の予報に従いま
   す。



11月27日(木)「草津市立志津南小学校4年生りょうぶの道観察会」の報告

 滋賀県草津市立志津南小学校4年生の3クラス100名を超える子どもたちに、身近で豊かな里山の自然を全身で感じ取り、親しんでほしいと願って、学校近くの自然観察道「りょうぶの道」で、16年前から観察会を実施しています。「りょうぶの道」とは、湖南丘陵を切り開いて造成された住宅地の草津市若草と大津市青山にまたがる牟礼山の稜線に沿った自然観察道です。
 今年は、早くも全国的にインフルエンザが大流行し、4年生の1クラスが学級閉鎖になりました。そのため、予備日の11月27日に実施しました。

 青空が広がる好天に恵まれ、子どもたちは元気いっぱい出発。学校から歩いて15分で「りょうぶの道」の入り口に着きました。坂道を少し上っていくと、カリンの木があります。今年は、今までになく多くの実がついています。カリンの実の輪切りを見せ、甘い香りをかぎ、カリンのど飴の写真を見せました。固い実がのど飴に使われていると知り、興味深く話を聞いています。
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 紫色のかわいい実がいっぱいついた木がありました。「滋賀県にも関係の深い平安時代に活躍した女性と同じ名前だよ」と言うと、すぐさま「ムラサキシキブ!」と大きな声で答えてくれた子どもがいました。赤い実から黒い種がのぞいているゴンズイ。魚の写真を見せながら「幹の模様が魚に似ているから、こんな名前がついたんだよと」教えると、不思議そうに木の幹を見つめていました。鋭いとげのサルトリイバラ。このとげのあるつるに絡まるとサルも動けなくなってしまうと言われていることや、ルリタテハの写真を見せ、幼虫が食草としていることを紹介しました。
  江戸時代に牟礼山の山頂付近にたくさん植えられたので「りょうぶの道」という名前が付けられました。リョウブの木の前で、子どもたちに「救荒植物」として里山に植えられ、飢饉が続くと新芽を山菜として混ぜご飯にして食べたことを話しました。子どもたちは、すでに葉が落ち、樹皮が剥がれすべすべしている幹をなでながら熱心に聞いていました。
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(写真はクリックで大きく表示されます)
 道の側面が小さな崖になっていて、丸くていろいろな色の小石が土の間にはさまっているところがあります。山の上にこんな丸い小石があるのは、大昔、このあたりが川だったこと。そして、川底にあって角が取れて丸くなった小石が地殻変動で持ち上げられて、今は山の上にあることを説明しました。植物観察だけでなく地層の観察やドングリやきれいに色づいた落ち葉拾いを楽しみながら、ゆったりと自然観察を続けていきました。

 「りょうぶの道観察会」実施に向けてご尽力いただいた澤田会長や事務局のみなさま、「森の先生」としてご協力いただいた会員の皆さま、本当にありがとうございました。来年度も「りょうぶの道観察会」の実施が計画されています。ひとりでも多くの方に子どもたちと関わっていただけることを願っています。(文/岡本哲生)