京とおうみ自然文化クラブ

「京(みやこ)とおうみ自然文化クラブ」は、認定NPO法人シニア自然大学校の京都府・滋賀県の地方組織です。旧ブログは左下リンク集より閲覧できます。

例会(歴史と文化) 7月28日(水)「浪速の事も夢のまた夢:大阪城の秘密を探る」の報告

 参加者の殆どがコロナワクチンを受けた中で、久しぶりの大阪での歴史と文化行事に28名の参加でした。講師は古代歴史に詳しい高橋勲さんです。阪急南方駅から、徒歩で800mの新淀川大橋を渡ります。ここで、大阪の街を淀川の氾濫から守るためにオランダ人土木技師のヨハネス・デ・レーケの指揮のもと、上流部の山での植林から、各種の水制の工夫など淀川の改修工事が行われた。やがて、新淀川が開削され川幅も広げられ、真っすぐ海に注ぐようになって水害が減ったとの事でした。しかし、4車線の御堂筋に地下鉄も通る橋は揺れもあって、車で何度も通った事はありますが、歩いて渡ったのは初めてで興味深い経験でした。

 橋を渡り、難波長柄豊碕宮に着き、高橋さんから、古代の王朝の都の変遷のお話を聞きました。また、ここが孝徳天皇の住まいで、地下鉄ルートで向かった谷町の「難波宮」には、藤原氏の妨害で入れなかったとの事です。広大な「難波宮」は無数の柱跡が認められるも放置に等しいのも皇統に占める九州王朝の故かと思いました。

 「難波宮」で昼食後、大阪歴史博物館の柱跡を見学後、徒歩で大阪城に向かいました。一般のルートから外れて、豊臣時代の石垣が見つかった工事現場を見学し、天守閣から淀君自刃の地を経て、JR大阪城公園駅に向かいます。大阪城公園から玉造に向かう電車の中はクーラーが効いていて、2駅で降りず環状線を一周しようか、との声も出るのは午後になって日差しが強くなってきた為です。

 玉造駅から徒歩で、真田幸村の「真田丸」を見学するも、高橋さんから、ここは実際の「真田丸」ではないとの説明がありました。改めて独特の墓標が尖った戦死者を弔う陸軍墓地を横切って、大阪明星学園高等学校のグラウンド横の石碑の前で、ここが本当の「真田丸」と説明を受けました。古代から近世にかけて「上町台地」が、大阪湾や河内湖に突き出た半島状にあって、「難波宮」「大阪城」等が立地したのが、実際に歩いてみて、その高低差を感じ大阪の歴史になるほどと納得した1日でした。歩数は久しぶりに南方駅から1万5千歩を越えて、帰宅後のビールと土用の丑の日のうなぎが旨かったのがご褒美でした。 (文/事務局KS)

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              2021年7月28日(水)9:30~

例会 7月21日(水)「びわこ文化ゾーン公園きのこ観察会」の報告

 今年は、コロナ対策と熱中症対策の為、観察を10時10分より12時45分まで行い、公園内の東屋で、遅めの昼食後13時30分より14時15分まで、採取してきたきのこの同定とその説明を行った。また、同定説明の際や観察会の途中でも、数多くの質問も有った。この間参加者全員マスク着用し、密を避けながら、説明を聞き、観察した。

 16日以降、晴天が続き、雨が降らなかった為か、発生していたきのこは新しいものが少なく、古いものが多かった。観察出来たきのこ種は「ベニタケ科、イグチ科、テングタケ科」を中心に、不明種も含め35種であった。特に、カワリハツは シイ科の樹木がある所では数多く観察できた。この時期良く観察出来るベニタケ科のきのこで傘が赤いものは「ニオイコベニタケ」のみで、それ以外は観察出来なかった。美しい姿の「ヘビキノコモドキ」「テングツルタケ」が観察出来たのは幸いであった。

 今回の観察会は35℃を越える気温の中、全員マスクを着用し、快適な環境下での観察会とは言えなかったが、体調不良を訴える人も無く、数多くのきのこを観察し、勉強出来たのは、非常に有意義な観察会であったと言える。

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2021年7月21日(水)10:00~14:15 参加人数:18名

研修会 7月14日(水)「季節の植物観察」の報告

 梅雨末期の悪天候が続いていましたが、今年度初めての研修会が実施された7月14日は朝から日差しが照り付けました。(「京とおうみ」の活動は緊急事態宣言で4,5,6月は中止になりました。)参加者は実習生一人と新入会員4名を加えた25人で本日の講師は岡さんと新堀さんでした。澤田勉さんの挨拶に続いて事務局の赤對さんから熱中症の予防や雷が鳴った時の避難などの注意があった後、2班に分かれて出発いたしました。

 私は新堀さんの班にいれてもらいました。まず、「私は植物園の案内人なので、皆さんがご存じことや疑問に思ったことなどをいろいろと自由に気軽に話し合いながら進めたいと思います」と、研修会の趣旨をお聞きしました。ワイルドガーデンの中はもう夏のいろいろな花が満開状態です。噴水側の派手に咲いたタイタンビカスも夏の雰囲気ですが、仲間のトロロアオイも小さいながらも夏をアピール。黄色いゴーヤや赤いペンタスなどもトロピカルムードを盛り上げています。

 でも、なんといっても今の時期はユリが見頃です。オニユリ、オニユリにそっくりでムカゴのつかない黄カノコユリや、ユリズイセンという和名をもつアルストロメリアを見てから東屋でユリの説明がありました。ゆり根の話から、鱗片に気孔があるのは鱗茎がもとは葉であつた事の証明になるという説明に植物の不思議な生態に興味を持ちました。ムカゴや木子をつけるのも植物が生きていくうえで都合が良かったのでしょうか。シナアブラギリの蜜腺に蟻がくる話や、クロキが染料に使われているという話を聞いているうちに落雷音が聞こえたかと思うとみるみる大粒の雨が落ちてきました。

 ひとまず東屋に避難しましたが、止みそうにないので観覧温室に予定変更することになりました。お釈迦様がこの樹の下で悟りを開いたとされる「インドボダイジュ」や、アナナス類やアンスリウムなどを見てから、一番見たかった「ショクダイオオコンニャク」が高くそびえていました。インドネシア・スマトラ島に分布するサトイモ科の球根植物で、「世界一、高くて臭い花」などとして、ギネス記録に認定されているといいます。後2,3日で開花するそうですが、まだ仏縁苞で包まれていました。開花すると発熱し、強烈な腐敗臭を放つそうです。ぜひ、このにおいを嗅いでみたいと思います。

 雨がやんで残り少ない時間でしたが、生態園の中の植物を駆け足で回っていただきました。コロナの影響もあり12:20分までの研修会でしたが、最後は天気も回復して岡さんグループと合流して解散しました。 (文/大川内) 

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2021年7月14日(水)10:00~12:20 京都府立植物園

7月6日 シニア自然大学校 本科火曜コース「京都府立植物園での自然観察」ガイド講師

 火曜コースのアシスタント西脇さんの引率で1班から3班の35名のメンバーの自然観察会が植物園で行われました。当日のガイド講師を「京とおうみ」の研修会講師メンバーの、岡さん、齊藤さん、華崎さんの3名が担当しました。他に受入担当リーダーガイドとしての大川内さんに加えて澤田章夫さんが出席しました。

 梅雨の真っ最中で雨が心配されましたが、当日は概ね曇りで幸い観察は出来ましたが結構蒸し暑かったようです。自然観察は未経験の方が多く、「互生」「対生」、「単葉」「複葉」からの説明から始まったようですが、本科生の「一口メモ」では「普段は知らない色々な植物を実際に見て、たくさんの発見があり楽しかった」「詳しく説明をして頂いて、是非また来たい」などの感想が寄せられました。 (文/事務局KS)

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           2021年7月6日(火)10:00~14:30 京都府立植物園