★雨天決行以外の屋外行事について、前日17時発表の気象庁の天気予報で、
該当地域の行事当日の午前中の降水確率が60%以上の場合、中止です。
詳しくは当クラブの概要紹介を参照願います。
朝から暑かったが、久しぶりの活動日、32名の方が参加された。
「平安神宮庭園とその周辺を散策」というテーマで地下鉄蹴上駅集合。
まずは、蹴上インクラインに向けて出発、インクラインの下を横断するためのトンネル「ねじりまんぽ」を通る。出入口には、北垣国通(疎水がつくられた当時の京都府知事)による扁額「雄観奇想(ゆうかんきそう)」(見事な眺めとすぐれた考え)「陽気発処(ようきはっするところ)」(精神を集中して物事を行えば、どんな困難にも打ち勝つことができる)が掲げられている。構造は台車に乗った船が通る重さに耐えられるように内壁のレンガを斜めに巻き、トンネル自体もインクラインと直角にならないように斜めに掘られている。(すごい土木技術ですね。)ねじりまんぽを抜けると、インクラインの土手には、アレチヌスビトハギの花が満開、引っ付き虫の実もつけていたので、引っ付かないように通り抜けるのに苦労した。土手を上がった広場で、今日のコース予定の説明を受ける。案内は、澤田勉さん、海老原さんのお二人。
蹴上インクラインは、全長582mの世界最長傾斜鉄道跡、高低差約36mの琵琶湖疎水の急斜面で船を運航するために敷設された傾斜鉄道跡です。明治24年から昭和23年まで運航された。現在は、京都市文化財に指定される。本願寺水道の水源地、義経地蔵、田邉朔郎の像を見学。田邉朔郎は、大学卒業と同時に京都府知事に招かれ、琵琶湖疎水の工事に携わり、蹴上水力発電所も建設した。(暑さのため、水分補給休憩。日差しがきつい。)
疎水沿いを歩いて南禅寺に行く。疎水を流れる水が涼しく、暑さが少し癒される。水路閣に到着。煉瓦づくり、アーチ構造のおしゃれなデザインで、日本人のみの手で設計施工され、京都市指定史跡である。今日は観光客もまばらで、素敵な写真が撮れた。青モミジと水路閣がきれい。皆さん、各々写真撮影し、南禅寺へ。
岡崎公園に到着。日陰と座るとこを探し昼食。草むらが多いので、蚊と格闘しながらのすばやく昼食を取った。お腹も満足し、汗もやっと引いた。
午後からは、平安神宮の神苑へ、
平安神宮は、平安遷都1100年を記念して、明治28年に第50代桓武天皇をご祭神として創建。現在、大極殿は修理中であるが、鮮やかな朱色の応天門が私達を迎えてくれたが、今日は、ちょっと暑苦しい感じ(ごめんなさい。)
神苑へ、
神苑は、社殿を取り囲むように東・中・西・南の四つの庭からなっている。池泉回遊式庭園で、明治時代の有名な造園家7代目小川治兵衛らの手になるものである。入るとすぐに南神苑、ここに秋の七草があった。特にハギが多く植えられ、今が満開であった。海老原さんに、苑内の植物について説明してもらったが、人数が多かったので、大川内さん、高橋さんも説明に加わってくれた。(ありがとうございました。)
今日は、明治維新により都が東京に遷っていまい、寂れた京都をもう一度再生させるための事業の一環であった琵琶湖疎水、平安神宮について改めて勉強することができた。
暑い中、たくさん参加してくださった会員の皆様、案内の澤田勉さん、海老原さん、ありがとうございました。(文/A.N)
★雨天決行以外の屋外行事について、前日17時発表の気象庁の天気予報で、
該当地域の行事当日の午前中の降水確率が60%以上の場合、中止です。
詳しくは当クラブの概要紹介を参照願います。
標本の種類には乾燥標本(剥製、押し葉、石ころ、骨格、昆虫、剥製など)や液浸標本などがあります。保存方法は食品と同じで、腐らせない、カビを生えさせない、虫に食われないことです。植物標本は、新聞紙にはさみ、布団乾燥機などで乾燥させるというやり方を現在も続けているとのことです。
以下は標本の利用例です。標本に名前を付けるには基準となる「タイプ(模式)標本」が必要です。タイプ標本がないのは個性がバラバラの人間だけ。ヤマトグサは日本人(牧野富太郎)が初めて命名したタイプ標本です。標本からはその生き物が生きていた時と場所が分かり、自然環境が失われる前の標本があれば再生は可能です。
また、過去の標本があれば分類の見直し(カワムツの細分化の例)が可能で、外来種と在来種の増減の状況(オンブバッタの例)や生き物体内のマイクロプラスチックや農薬の分析をすれば環境の変化が分かります。私が興味を持ったのは、多くの渡り鳥の標本を解剖すると、渡りの途中で器官(胃腸、筋肉)のサイズを変えるという事例です。これは、各地での標本の比較から分かった事です。また、あくあぴあ芥川では魚類標本から芥川に生息する魚類相がまとまったとのことです。
標本で重要なのは、いつ、だれが、どこで採集したのかといった採集情報です。これがないと単なるモノです。自然史標本は①過去、現在、未来を繋ぐタイムカプセル、②その生き物の情報が後になっても得られる、③その生き物のいた時間、場所の環境が分かる、④生物多様性を維持するための研究に必要です。
次は日本の博物館事情について。博物館の父は東京博物館や上野動物園の設立に尽力した田中芳男氏。育ての親は初代東京博物館長で博物館事業の発展と普及に尽力した棚橋源太郎氏。全国には博物館が約5400館ありますが、うち4000館は学芸員が1~3人と小規模。そこで小規模ミュージアムネットワークを2010年に発足させて小規模な博物館同士が連携する仕組みを作りました。高田先生は、小規模博物館の連携で、博物館全体の底上げに貢献したことで2023年度文化庁長官賞を受賞されました。最後に先生より、博物館資料は人類の財産だが、日本の博物館は予算、人材、収蔵スペースのすべてにおいて不足している。展示を見に行くだけではなくもっと利用して欲しい。国民が「博物館は大事」と思うことが予算増につながる、と締めくくられました。
今年一番の暑さの週になるという時期の開催になりました。参加者29名、うち実習生6名。講師は大川内さんと高橋さん。私は大川内さんのグループに参加しました。暑い時なのでいつもより30分早い12時に終了しましょうとの提案で、移動はやや急ぎ足になりました。
次は四季彩の丘のパーゴラへ。つる植物で日差しは避けられています。そこでハスの説明を聞きます。「ハスの生長」と「ハスの花の4日間」。そして當麻寺の蓮糸で織られた曼荼羅華の話も聞いて実際のハスを見に行きます。雌しべの先が黄から黒に変わっていく様子などを確かめます。パーゴラに戻ります。カラスウリの花に似たヘビウリの白いレース状の小さな花、長い緑白色の実は本当に蛇がぶら下がっているようです。そこから出ると外にはアオバナ(正式名オオボウシバナ)。友禅染の下書きに使う青花汁を作るための作物です。隣にはハブソウとエビスグサ。黄色い花が目につきます。どちらも種子を炒ったものがお茶になります。
なからぎの森を抜け、青もみじに囲まれた池のまわりを通り生態園へ。ウワバミソウ(イラクサ科)。ミズと呼ばれる山菜でふきに似た食感で美味しいそうです。カラムシ(イラクサ科)。縄文時代、これから繊維を採って着るものを作っていたそうで、実際に取り出した繊維を見せてもらいました。少しごわっとしています。次はオニグルミ。源氏物語の13帖で光源氏が明石の君に手紙を出しますが、この紙はオニグルミで染められていたとの話。植物から色々な分野に話は広がります。フシグロセンノウ、ヤマガシュウ他。
次はユリの話。この観察会に参加された方は次の三つの話は覚えて帰りましょうと大川内さんが教えて下さったのは
① 明治時代、日本の貿易輸出品の1位は生糸、2位がお茶、3位はユリの球根。
② シーボルトによってヨーロッパに紹介された日本のユリは人気が高く、ヤマユリなどから多くのユリが交配された。
③ ムカゴができるのはオニユリだけ。