京都府立植物園ではスプリングエフェメラルの花たちが咲き始めました。今回はそんな春の訪れを感じる観察会です。案内役は、ベテランの大川内恵美子さん、そして今回初めてのデビューとなる松山美紀子さん、ちょこっとお手伝いのサブ髙橋弥生です。天気は曇、気温14℃と寒くもなく観察しやすい日でした。参加者は、会員21名・実習生4名・一般1名の計26名で、2つの班に分かれました。今回は松山班の観察の様子を報告します。
ワイルドガーデンでは、ハボタンが花壇一面に綺麗に並んでいます。「ハボタンは何科ですか?」の質問に、皆さんからはすぐに「アブラナ科」との答えが返ってきました。もともとヨーロッパのケール(キャベツ)が先祖で、江戸時代に日本に渡来しました。日本で品種改良が進み牡丹の花のようだと流行を生みました。私の考えですが、と前置きして「低温にさらすと葉緑素が分解されてアントシアニンが生成されて赤い色が出る。クリーム色はイチョウの黄葉と同じで、もともとの色素が残ったもの。ハボタンの色は樹木の紅葉の仕組みと同じではないか」との説明がありました。なるほど…。
ナルキッスス・カンタブリクス(ヒガンバナ科)はスイセンの原種で、白い小さな花をたくさん咲かせていました。続いてはクリスマスローズ(キンポウゲ科)の花を観察。スプリングエフェメラルはキンポウゲ科の植物が多いので、事前に花の構造について学習です。花弁ように見えるのは実はガク。では花弁はどこでしょうか。ガクの中にあり、雄しべの周りの蜜腺に変化しています。皆さん、「身近なお花なのに知らなかった~」と驚かれていました。クロッカス(アヤメ科)の黄色い花が咲いていました。クロッカスとサフランの花は似ています。サフランは秋咲きで、雌しべはスパイスとして利用されています。さらに婦人薬(更年期障害など)として使われているとのことです。
そこから少し南の梅が咲いている樹木のエリアには、桜守の佐野藤右衛門氏のゆかりの桜が数本植えられています。昨年10月に97歳で逝去され、その形見となる‘京姫’(けい)が最近植樹されました。同じく藤右衛門氏作出の早咲きの‘彬姫桜’(あきひめざくら)は、蕾が膨らみもうすぐ咲きそうです。
球根ガーデンでは、スノードロップ(ヒガンバナ科)が満開です。白い花弁の外側は外花被(がいかひ)、内側は内花被(ないかひ)と呼び、内花被には逆さ向いた緑色のハート形の斑紋がありました。夜には花を閉じて暖かさを保っているそうです。また、この球根に含まれる成分ガランタミンは、アルツハイマー型認知症の治療薬として使われているそうです(医薬品名レミニール)。いつかお世話になるかもしれない!!お世話になりたくない!!との声が…。続いてシクラメン、ラッパスイセンを観察。房咲スイセンには「雄しべが何本ありますか」。ここでルーペを出して観察。3本と思ったけれど、実はその下にもう3本あり、合わせて6本でした。雄しべの辺りを覗くと、ビー玉のようなきらりと光るものがあり、それは何でしょう。松山さんは、自宅のスイセンに竹串を突っ込みそれを舐めてみたそうです。「すごく甘かった~!」と、それは蜜です。スイセンの勉強をたくさんしました。
生態園へ行く途中でオニグルミ(クルミ科)の冬芽の観察。しっかりした裸芽と、葉痕の形は羊の顔か、ゴリラの顔か、皆さん想像を膨らませていました。生態園では、アブラチャン(クスノキ科)の木にたくさんの冬芽が付いました。葉芽と花芽が、クロモジ属特有の小の字の形です。クロモジ属の中で一番小さな花芽なのに、ビー玉くらいの大きさの果実を付けるそうです。ノグルミ(クルミ科)の大木はすべて葉を落とし、枝先に小さな松ぼっくりのような果実(果穂)をたくさん付けていました。松山さんが、事前に用意した小さな箱の中には果実と種が綺麗に並んでいて、皆さんに見せてくれました。小さな種ですが、周りに翼がついていて、形はクルミに似ています。
タチバナ、イヌガシなどを見たあと、次はシャリンバイ(バラ科)、奄美大島の大島紬は有名ですが、この紬の糸を染めるのにシャリンバイ(現地ではテーチ木と呼ぶ)の樹皮を使います。シャリンバイに含まれるタンニンと、現地の鉄分の多い泥中で染を繰り返すと、特有の黒色に染まります。実際に、シャリンバイの枝を煮出した液と、それにさび釘を入れたものを見せてもらいました。シャリンバイだけのものははちみつ色、さび釘を入れたものは黒豆の汁のような色をしていました。その準備にも感心です。写真参照。
続いてダンコウバイ、バクチノキ、そしてその下にはハナミョウガ(ショウガ科)が赤い果実を付けていました。葉の手触りはピロードのようにふんわりとして綿毛が付いています。ルーペで果実を見ると、そこにも毛が全体に付いていました。果実の先に柱頭のように見えるのはガク片で、面白い果実でした。タマミズキ、クマザサ、オニシバリ、そしていよいよ春の妖精の観察。セリバオウレン(キンポウゲ科)はたくさん咲いていました。花の種類は雌花、雄花、両性花の3種類。小さな花なので目を凝らして観察すると、雄花と両性花の区別が分かりました。私たちの班は雌花を見つけられませんでしたが、大川内班は、どなたかが雌花を見つけられました。皆さん大変熱心に観察されていましたね!
続いてダンコウバイ、バクチノキ、そしてその下にはハナミョウガ(ショウガ科)が赤い果実を付けていました。葉の手触りはピロードのようにふんわりとして綿毛が付いています。ルーペで果実を見ると、そこにも毛が全体に付いていました。果実の先に柱頭のように見えるのはガク片で、面白い果実でした。タマミズキ、クマザサ、オニシバリ、そしていよいよ春の妖精の観察。セリバオウレン(キンポウゲ科)はたくさん咲いていました。花の種類は雌花、雄花、両性花の3種類。小さな花なので目を凝らして観察すると、雄花と両性花の区別が分かりました。私たちの班は雌花を見つけられませんでしたが、大川内班は、どなたかが雌花を見つけられました。皆さん大変熱心に観察されていましたね!
ユキワリイチゲ(キンポウゲ科)は、花弁がたくさんあるように見えるのですが、これもガク片です。この花はお日様が出る午後に咲きますが、当日は曇だったためほとんどが閉じていました。セツブンソウ(キンポウゲ科)は満開でした。落葉樹カツラの木の下に生えており夏の間は暗い林床となり休眠しますが、冬になると日が差し込み春一番に花を咲かせます。これは春の妖精たちの生きる戦略です。黄色の蜜腺は花弁が変化したもので、この花の構造はクリスマスローズとほぼ同じでした。フクジュソウ(キンポウゲ科)は、日が当たると花が開きます。花中の温度は外気温より5℃程度高く、まだ寒い春の初めに虫が暖を求めてやってきます。なぜならこの花には蜜がなく、受粉をしてもらうため虫を呼び込む作戦です。全草毒で食べると毒成分のシマリンが心臓の働きを狂わせる危険性があるので注意。同じエリアにフキノトウ(キク科)も芽を出していましたが、芽出しの頃は似ているので混同しないようにと注意喚起がありました。
最後はシナマンサク(マンサク科)、春一番に「まんず咲く」が語源です。紐状の4枚の黄色い花弁があり、雄しべと仮雄しべ(蜜がある)をルーぺでじっくり見ました。仮雄しべの存在は分かりにくかったようです。ここで本日の観察会は終了です。松山さんには一つ一つの花の構造や、たくさんありすぎて詳しくは書けなかったのですが、生薬としての成分や利用についても詳しく教えていただきました。ありがとうございました。
最後はシナマンサク(マンサク科)、春一番に「まんず咲く」が語源です。紐状の4枚の黄色い花弁があり、雄しべと仮雄しべ(蜜がある)をルーぺでじっくり見ました。仮雄しべの存在は分かりにくかったようです。ここで本日の観察会は終了です。松山さんには一つ一つの花の構造や、たくさんありすぎて詳しくは書けなかったのですが、生薬としての成分や利用についても詳しく教えていただきました。ありがとうございました。
午後は、自由参加で10名ほどの人数でした。早春の草花展、四季彩の丘を巡り、梅林では雌しべがない花探し、最後にツバキの梵天葉探しに夢中になり終了となりました。 (文/やよい)












