京とおうみ自然文化クラブ

「京(みやこ)とおうみ自然文化クラブ」は、認定NPO法人シニア自然大学校の京都府・滋賀県の地方組織です。 旧ブログは左下リンク集より閲覧できます。

公開講座 8月25日(火)「京都府立植物園の歴史と役割(ちょこっと)うら話」の報告

・会場:京都府立植物園 2階研修室  ・時間:10時~12時
・講師:京都府立植物園 技術課長 平塚健一氏
 
 今年の夏も猛暑続き。京都の前日の最高気温は39.1℃、こんな猛暑の中果たしてどれだけの人が来てくれるのか不安な気持ちで会場準備が始まった。いざ受付が始まると、あっという間に会場が埋まり、急遽別の部屋から椅子を運ぶこととなった。参加者は、会員59名・実習生15名・一般3名の計77名。会場は熱気に包まれながら、平塚課長の講演が始まった。冒頭で観覧温室では、今キソウテンガイという珍しい植物の雌花が約30年ぶりに咲き、人工受粉をしている。種が出来るのを楽しみにしてくださいとの紹介があった。
1.京都府立植物園の概要
 日本最古の公立植物園として1924(大正13)年に開園。京都市左京区に位置し、文化遺産や大学に囲まれた景勝地である。年間の入場者数は約93万人で、公立植物園の中で日本一。その理由は、地下鉄北山駅から直ぐの好立地であるとのこと。交通の便がよいことに加えて、植生が豊かなことも魅力の一つだと思った。園の組織は、総務課と技術課に分かれ、技術課には企画係・温室係・花壇係・樹木係の4つがあり、全職員34名。こんな広大な敷地でかつ植生の変化に富んだ園に、たった34人しかいないことが驚きだった。
2.歴史の概要
 大正天皇の即位記念として、第10代知事大森 鍾一が下鴨の土地を買収し博覧会計画をしていたが、財政難等の理由で博覧会の計画は断念した。その後植物園建設の案が持ち上がり、京都にゆかりの深い三井家同族会から約55万円(現在に換算すると約60億円)の寄付を受けて、日本で最初の公立植物園が誕生した。大森知事と三井家の尽力によって実現したものだ。開園当初の園丁(えんてい)さんの法被姿や、当時の地図を見ながら詳しい説明があった。初代園長郡場 寛(こおおりば かん)は39歳の若さで園長となり、その後京大の教授や、シンガポール植物園の園長にも就任。第2代園長菊池 秋雄は、中国からシダレエンジュを植物園に日本初導入した。その樹形は龍の爪に見立てられ見事な枝ぶりである。ちょうど今花が咲いている。またナシの品種改良に貢献し「ナシの神様」と云われている。など歴代の園長の業績についての話が続き、昔の人は若くして業績を残されたと感心しながら聞いた。
 第二次世界大戦で日本は敗戦し、植物園は進駐軍(米軍)の家族住宅となった。くすのき並木より北側の多くの樹木が伐採され、園は大きく姿を変えてしまった。1946(昭和21)年に接収され、高級軍人の住宅や教会などが建てられ11年もの間植物園は姿を消してしまった。1957(昭和32)年にようやく返還された。再開園までに実に4年を費やした。1961(昭和36)年2代目の温室が完成し、開園を待ち望んでいた多くの府民が押し寄せた。植物園にも戦争の歴史があったことを忘れてはいけないと思った。
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3.園の役割
 京都府立植物園条例があり、①府民の憩いの場(都市公園的機能)、②教育・研究の場(植物の鑑賞・学習・研究)、⓷多様な植物の収集・展示(約12000種、10万本)の3つの内容が定められている。京都府立植物園では、12000種の植物を展示しているが1種当たりの個体数が少なく、その種類ごとに自生地や育て方が違い、様々な工夫と手間がかかっている。また、植物展示の教育的配慮という観点から植物のラベルを設置し、必要に応じて解説をすることを定められている。ラベルの種類やその見方の説明があった。
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4.多様性保全の取り組み
 多様性とは生態系の豊かさを指し、具体的には①生態系の多様性(森林・河川・農地など)、②種の多用性(様々な生物種)、⓷遺伝子の多様性(種内の地域差や個体差)に分けられる。植物園では、絶滅危惧種の保全に取り組んでいる。絶滅危惧種園のエリアでアマミアセビなどの保全や、バックヤードの保全温室で絶滅が危惧されている植物の育成や保全などに取り組んでいる。
5.バックヤードでの取り組み
 一般公開されていないエリアで、植物の育成・保全・研究を行っている。園の全敷地面積24万㎡のうち2万㎡を占め、鴨川沿いの園内西側にある。日本の植物約7000種のうち、2900種が固有種。絶滅危惧種は1786種で全体の25%に当たる。植物園では約300種の絶滅危惧種を保全している。日本植物園協会との連携を図り、地域野生植物保全拠点園として、近畿地方の植物を守る取り組みをしている。その一例として、京都府と福井県にまたがる青葉山(若狭富士)でのオオキンレイカの調査動画を見せてもらった。現地では鹿の食害などで絶滅が危惧され、鹿が行けない断崖絶壁の場所に自生している。そんな場所へ長靴を履いた平塚課長が登って行き、危険な場所での調査をしておられた。オオキンレイカはオミナエシ科の多年草で、京都府レッドデータブック2015で絶滅寸前種として指定されている。
6.その他
 ショクダイオオコンニャク(世界で一番背の高い花)や、アフリカバオバブの開花動画も見せてもらった。ショクダイオオコンニャクは真夜中に開花し、開花時に発熱している様子がはっきりと見えた。おまけに、開花したばかりの花からは、臭い匂い(死体臭ともいわれる)が漂うそうだ。
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 今回京都府立植物園や平塚健一課長には、会場の提供や資料の用意、そして講演と、すべてにおいてお世話になり大変感謝しております。有難うございました。参加の皆さまもきっと京都府立植物園に、より興味を持っていただけたのではないでしょうか。毎月の観察会でお待ちしています。 (文/やよい)

9月~11月の行事予定

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(予定表はクリック/タップで大きく表示してご覧ください)

4月22日~10月21日の屋外行事について、実施地域に熱中症警戒アラートが出た場合行事を中止します。アラートは環境省「熱中症予防情報サイト」や気象庁HPなどで確認できます。

★ 雨天実施等の特記のない屋外行事は、下記天気予報で、行事実施地域の午前中の降水率が60%以上の場合、中止です。
   ・前日21時前のNHK天気予報
   ・前日17時の気象庁HP(6~12時)
上記二種の天気予報の内容は同じですが、気象庁ホームページは行事当日の5時に更新されます。しかし、その結果にかかわらず、前日17時の予報に従います。

観察会 2026年7月16日(木)「夏を乗り切る植物たち」の報告

 この日の京都の朝の最低気温は27℃。10時には30℃を超えていたのではないでしょうか。参加者は26名。講師は大川内さんと澤田さんでした。今日の暑さ指数は31度数、33度数になると熱中症警戒アラートが発令されて屋外での活動が制限されます。皆さん気をつけて活動しましょうと澤田さんからあいさつがありました。
 澤田さんのグループに参加しました。まずは日陰を選んで移動です。7月の観察会のテーマは「夏を乗り切る植物たち」 ヒマワリ、アサガオ、サルビアいろんな花があるけれど、今日はハスとユリを中心に見ていきますと。この日は二十四節気の小暑にあたり、その中の蓮始開(はすはじめてひらく)にあたりました。ハスを観察するのにピッタリです。澤田さんは絵を描くのが得意で、一枚の絵の中に植物の一年の生活をすべて盛り込んだり、言葉ではうまく表現できないところを絵で伝えてくださっています。今回もたくさん準備してくださいました。
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 アガパンサストケイソウ、時計盤のような花、キリストにまつわる逸話。シナノキムラサキバレンギクヒマワリ、その名の通り太陽を追って動くのは花が咲く前の成長期だけで、花が咲くころには茎が固くなり動きません。ここにある花は今、みな東を向いています。ワイルドガーデンを離れ移動します。グレディトシアフェラ、鋭いとげが幹や茎にびっしりと生えています。これははるか昔、巨大草食生物から身を守るためのものだったとか。
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 次に向かったのはイヌマキ、それの雌株です。二つの部分に分かれた若い実を付けています。この二つの接合点あたりにある小さな穴(珠孔)を観察。受粉の際はこの珠孔から受粉滴を出し、飛来した花粉を捉えます。またイヌマキはマングローブ林に生育するヒルギ科の植物と同じく胎生発芽をします。生垣によく植えられ、秋に赤く熟したところは食べられるとだけ思っていたイヌマキ。知らないことがたくさんありました。植物園では植物をちぎったりできません。若い実を用意してくださっていてルーペで珠孔をしっかり見ました。
 このあとツユクサの見せかけの雄しべ、ハグロソウカギカズラウバユリはユリ科でユリに似た花をつけるけれど葉は大きく違いますねと言われ、改めてよく見ると違っています。大きな葉で、葉脈が網目状です。意識して見ないと気が付かないことがあります。オウゴンオニユリ、普通のユリの花ですが黄色です。ホソバイヌビワ、イヌビワコバチとの共生関係のおさらい。
 アジサイ園の横、ハス池に移動します。日本のわらべうた「ひらいたひらいた」を唄いました。ハスの花は白やピンク、つぼみや大きく開いているものなど様々です。大賀ハスの話やハスは全部食べられることも知りました。地下茎はれんこんですね。実はお菓子に、花はてんぷら、葉はお茶になるそうです。暑い時期なので12時迄に終了予定です。そろそろ四季彩の丘に向かいます。途中、レンゲショウマを見ていないことに気が付きました。急いで生態園に戻ります。下向きに咲く白い花が涼しげです。
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 四季彩の丘のパーゴラに集まり一休みです。熱中症が心配でしたが皆さん元気です。来月以降の予定を聞き解散です。最後にマツグミという珍しい樹木の花が咲いているので見に行きませんかという誘いがありました。場所は芝生広場の北側、藤棚の近くです。皆で移動しマツに半寄生しているマツグミとその花を観察しました。その時「これはヤドリギではないのですか」と質問された方に私は「ヤドリギではありません」と答えました。ヤドリギという種があり、それではありませんが、他の樹木に半寄生する植物という意味の(宿り木)であれば私の返事は間違っていました。ごめんなさい。日本で針葉樹に半寄生するのはマツグミだけです。興味のある方は見にいらしてください。 (文/海老原)

例会 7月8日(水)「びわこ文化公園でのキノコ観察会」の報告

 晴れて30℃以上に暑くなりそうな中、びわこ文化公園で行われたキノコ観察会には講師を含めて会員15名一般1名の参加でした。講師として会員の土佐さんと菌類研究会の木村さんにはキノコの名前や説明をしていただき、会員の海老原さんと岡本さんにはキノコを採取していただきました。
 2日前に雨が降り、前日は曇りだったのでキノコもたくさん見つけられるかもしれないと期待して参加しました。最初に土佐さんから、この公園ではキノコは許可された人だけが採取できるなどの注意事項の説明があり、また「前日に下見した時は足場の置き場もないくらいできていたが今日は多くが朽ちてしまっている」との話があった。実際にのり面には朽ちた多くのキノコがあったが新しく生えたキノコもあったので期待して出発した。キノコを探しては説明を聞きまた質問をしながら進んだ。参加者の目もだんだんキノコを探す目になってきたのでたくさん見つかった。そのために1.6kmほどの距離で3時間近くかかった。また、見つけた特徴のあるキノコや後で同定するためのキノコを採取していった。
 食事後、採取したキノコを分類していただき、土佐さんや木村さんから資料を用いてキノコは菌糸と子実体からできていること、生態による分類(菌根菌、腐生菌、寄生菌)、胞子の状態による分類(担子菌、子嚢菌)、さらにDNA分類が採用されるようになって科が変わったりすること、例えばタマゴタケと思っていたキノコがサトタマゴタケとタマゴタケになるなど特定が難しくなったので、これまで通り形態分類で「タマゴダケの仲間」とするしかないとのことなどの解説があった。また、キノコはどんなところに生えていたか、見たり触ったり臭いをかいだり噛んだりすることも大切だと話された。
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・シイノキの近くで見つけたカワリハツなどはシイノキなどと共生しており、栄養をもらう代わりに窒素やリンを与えて木が大きくなるのを助けている共生菌(菌根菌)、枯れた木で見つけたハカワラタケは木を分解して森を綺麗にする腐生菌、トタテグモに生えるクモタケは他の動植物に寄生して養分を得ている腐生菌である。クモタケを見つけることができたが蜘蛛は吸収されてなくなっていた。
キアミアシイグチなどのイグチ科のキノコは傘の裏が管孔になっていて球形細胞を多く含んでいるので発砲スチロールのようにボロボロ取れてしまうが、イグチ科以外のカワリハツなどのキノコはヒダがあり子実体全体が繊維状の菌糸で構成されているのでもろくはない。
・猛毒のテングタケにはツバやツボがあることなどの説明を受けた。
・傘の上に落葉が乗っていたキノコはカワリハツに似ていたが、傘が開いてから柄が伸びるシロハツモドキだそうである。通常は柄が伸びてから笠が開くので傘の上には落葉は乗らない。
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 見つけたキノコは50種類以上で昨年よりはたくさん見つけることができた。キノコとは思えないシロソウメンタケナギナタタケシロスズメノワンテングノメシガイや「押し花(キノコ)」にできるハナオチバタケ、綺麗なハナガサイグチなどの変わったキノコも見つけられた楽しい観察会でした。   (文/三輪)

7月~10月の行事予定

 9/29予定例会「歴史豊かな近江八幡を歩く」について、当初10時集合としていましたが、バスの乗車時刻の都合により集合時刻を9時50分に変更しています。また雨天中止の予定でしたが、雨天も実施します。
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(予定表はクリック/タップで大きく表示してご覧ください)

4月22日~10月21日の屋外行事について、実施地域に熱中症警戒アラートが出た場合行事を中止します。アラートは環境省「熱中症予防情報サイト」や気象庁HPなどで確認できます。

★ 雨天実施等の特記のない屋外行事は、下記天気予報で、行事実施地域の午前中の降水率が60%以上の場合、中止です。
   ・前日21時前のNHK天気予報
   ・前日17時の気象庁HP(6~12時)
上記二種の天気予報の内容は同じですが、気象庁ホームページは行事当日の5時に更新されます。しかし、その結果にかかわらず、前日17時の予報に従います。